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知っていますか?オーストラリアの意外な害獣たち

筆者の住む、オーストラリア北部、クイーンズランド州のケアンズは小さな街ではありますが、一応「city」ですので、街中の見た目はフツー。住宅や店がある一般的な街です。しかし、ペットのニワトリが蛇に丸呑みされたり、飼っている小鳥が大きな鳥に捕獲されたり…と大自然いっぱいのケアンズでは、ペットの脅威になる動物もいっぱいです。他にもオーストラリアには、「害獣」(pest animals)がいます。
動物愛護のイメージが強いオーストラリアですが、害獣にはとっても厳しいのです!
今回は、ケアンズでよく見る、話題に上る害獣を中心にご紹介したいと思います。

クイーンズランド州で飼ってはいけない意外な害獣

それは、うさぎです。
あんなにかわいいウサギちゃんが禁止されているのは意外ではありませんか?!しかしウサギは、オーストラリアで1番と言って良いくらい農業や環境に悪影響を与えている動物で、毎年、10億ドルほどウサギ退治に費やされています。
元々ウサギは、食糧としてヨーロッパからオーストラリアに1820年代に持ち込まれました。その後、スポーツ狩猟のためにウサギを放ったことで、繁殖力も強いため、飛躍的にウサギの数が増大しました。

クイーンズランド州では、ウサギを飼うことも売ることも違法です。
避妊しているウサギでも元々他のウサギが禁止されていない州で飼っていたウサギであろうとも飼えません。
ペットとして飼うのは一切禁止ですが、マジックショーやサーカス、科学的調査研究などの特別な理由の場合は、許可を得た上で、決まった条件下で所持することが可能です。

みんなの嫌われ者!ケアンズで嫌という程見かけるヒキガエル

ケアンズの害獣といえば、まず思い浮かぶのがcane toad(オオヒキガエル)です。
cane toadは、元々、中央アメリカ、南アメリカ原産ですが、クイーンズランド州のsugar cane(サトウキビ)につく害虫駆除のため1935年に持ち込まれました。オオヒキガエルの背中は、有毒で、他の動物が食べると、死んでしまうこともあるので、無敵のオオヒキガエルはどんどん増殖し、今や西オーストラリア州にも生息しているのだそう!

筆者のうちでも、夕方からどこからともなくオオヒキガエルが登場します。我が家の飼い犬もペットのニワトリも誤って、面白半分にオオヒキガエルを捕まえて食べてしまったことがあるのですが、ニワトリも犬もしばらくすると体を壊して、それ以来、我が家の動物たちはオオヒキガエルに一切手出ししません。ほんの10cmくらいのヒキガエルですが、かなり脅威的です…

ケアンズには、雨季と乾季があり、雨季のたくさん雨が降る日は、オオヒキガエルのおたまじゃくしや卵ががちょっとした水がたまっているところで見られます。そんな季節は、市役所の人が時折人家を訪れて駆除してくれたりもします。
また、ケアンズのお土産やさんには、オオヒキガエルの姿そのままのがま口財布などが手に入ります(笑)。見た目もいかにも憎たらしい(笑)雰囲気なので、ケアンズにいらしたら探してみてください。

ケアンズの人は、オオヒキガエルを見かけたら、迷わず殺します。道で見かけたら、踏み殺す、うちで見かけたら、袋にためて叩き殺す。害獣となると、ケアンズの人は、とことん厳しく扱います。

小鳥のさえずりが心地よいケアンズで嫌われ者のmyna bird(熱帯のアジアのムクドリ)

ケアンズは、バードウォッチングできる場所としても人気があるほど、あらゆる鳥が見られ、朝も鳥の声で眼が覚めるほどです。その中で、ひと際嫌われている鳥がmyna bird(マイナーバード)です。
Indian myna bird(インディアンマイナーバード)とも呼ばれ、インドやアジア、中東に生息する黄色いくちばし、茶色と黒のボディの日本でよく公園で見る鳩より少し小さいくらいの鳥です。
元々1860年代にメルボルンのマーケットの害虫駆除に持ち込まれた鳥ですが、今では、オーストラリアの東海岸沿いに広く見られる鳥です。クイーンズランド州北部でもサトウキビの害虫駆除に持ち込まれました。

みんなに嫌われているわりに、その被害の実態研究が進んでいないのだそうです。それでもみんなに嫌われるのは、たぶん、マイナーバードのこれまた憎たらしい(笑)生き方にあるのだと思います。
マイナーバードも生きるのに必死なので、木の巣を作る場所を巡って、あるいは食料獲得を巡って、他のオーストラリア原産の鳥と競争にもなるのですが、マイナーバードは、とてもアグレッシブに住処や食糧をぶんどります。ぶんどるためなら、オーストラリア原産のオウムの卵を落っことして壊したり、ひなを殺すこともします。
とても強い鳥で、街中のビルのちょっとした場所でも巣を作りますし、雑食です。日本のカラスが嫌がられるのと同じ感覚だと思います。
筆者のうちでは、マイナーバードは、夫に容赦なくエアライフルで撃たれます…

意外すぎるオーストラリアの害獣

これまでの害獣は、どれも外来種ですが、オーストラリアに元々生息する動物でありながら、農家の皆さんを悩ませる動物がいます。それは、オーストラリアのシンボルとも言えるカンガルーなんです!
ケアンズでは問題となっていませんが、干ばつに悩む地域は、牛や羊が食べる貴重な草をカンガルーが食べてしまいます。

しかし、最近では、カンガルーが農家の新たな収入源になる可能性が注目されています。それは、カンガルー肉の販売です。
カンガルー肉は、脂肪が少なく、良質なタンパク源として、ダイエットをしている人にも人気があります。スーパーでも簡単に手に入るので機会があったらお試しくださいね。
また、カンガルーは、羊や牛に比べて必要な水や食料がとても少ないので、コストの負担も軽くなります。また、牛や羊は、1日に25回くらいゲップをしてメタンガスを発生させています。
家畜によるメタンガスの発生は、全体の10%を上回るのですが、カンガルーは全く異なる消化システムなので、メタンガスを発生させず、環境にもやさしいというわけです。

アプリを使ってオーストラリアの害獣について知ろう

オーストラリアの害獣について、生息地やその歴史などを知ることができるアプリを見つけました。

Field Guide To Pest Animals Australia

こちらのアプリをダウンロードしてみたら、上記の害獣もありました、ありました!
それぞれの動物のトリビアも書かれているのですが、
例えば、ウサギは、

“Hundreds of years ago rabbits were often released on deserted islands in the hope of providing a future source of food for shipwrecked sailors!”
「何百年も前は、遭難した船員が食料源にできるよう期待して、ウサギが無人島に放たれていた!」

など、楽しみながら害獣について知ることができます。

また、cane toad(オオヒキガエル)のみ!のアプリもありましたよ!

https://itunes.apple.com/au/app/cane-toad/id642370264?mt=8

ケアンズではおなじみのヒキガエルで、オーストラリア原産のカエルと間違えることもないのですが、実際には、西オーストラリアなどでは、オオヒキガエルをオーストラリア原産のカエルと間違えて殺してしまうこともあるのだとか…
そこで、このアプリを使うことで、オオヒキガエルを詳しく知ることができます!

アプリは全て英語ですので、害獣を知るついでに英語を読む機会にもお役立ちです♪
Field Guide To Pest Animals Australiaアプリでは、様々な害獣が出ていますが、いずれも、内容は、生息地やその歴史、被害など、同じトピックなので、何種類かの動物について読むうちに、パターンがわかって、読みやすくなります。
パターンに慣れてきたら、副詞の使い方も見てみてください。

例えば、a loud dogのloudは、名詞を修飾している形容詞、to speak loudly では、
to speakという動詞を修飾するloudlyは、副詞です。この副詞は、使わなくてもなんとか英語を通じさせることができるので、後回しにされがちですが、逆に副詞がうまく使えると、小慣れた雰囲気の文になります。
ここでは、Field Guide To Pest Animals Australiaアプリでよく見かける副詞をいくつかご紹介しますね。

Naturally - 「生まれつき」
(例)She is naturally shy.
Highly - 「非常に」
(例)This book is highly recommended.
Widely - 「広く」
(例)She is widely known.
Predominantly - 「圧倒的に」
(例)The residents are predominantly Italian.
Adversely - 「悪い方向に」
(例)This decision might adversely affect the future.

別の意味でオーストラリアでとっても有名な動物たちのご紹介でした!

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