数年前から議論されている産休育休、子供手当に関する法律。ついに実現に向けて動き出しました。将来的に移民、お仕事等で駐在予定、只今子育て真っ最中の方、これからその予定がある方、ある可能性の方へ。現在のものと比較しながら調べてみたことをシェアします。
※2017年11月現在の情報ですので、今後変更になる可能性もあります。
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◾カナダと日本の育休取得率比較
2016年の厚生労働省、Statistics Canadaの資料をもとに比較してみました。
カナダ:女性90%、男性27.1% 日本:女性81.8%、男性3.16%
やはり働く環境や生活の違いもあるため、日本よりカナダの方が女性、男性ともに取得率が高いですね。日本では、男性に限ってはまだまだ一般化しない育休の取得の難しさから「隠れ育休」と言われる有給休暇を取得している方が46%もいるとか!?
筆者は日本で出産、育児を経験していないため、周りの友人から聞いたり、その他情報ツールで見たことしかわかりませんが、「ワンオペ育児」という言葉も出てきたものの、それだけ日本のお父さん達も家族のためにしてくれていると思うと、父親が育児に参加しない環境も少しずつ変わっていっているのかなと感じました。
◾カナダの産休、育休制度
現在オンタリオ州では、12ヶ月(Maternity Leave(産前後休暇)は17週間、Parental Leave(育児休暇)が35週間の合計52週間)と労働基準法で決められています。無給の休暇ですが、その間はEmployment Insurance =EI(失業保険)が支給されます。この失業保険を受給するためには、雇用形態(正社員、パート、アルバイト、派遣等)にかかわらず、産休の場合は出産予定日の13週間前までに、育休の場合は、育児休暇に入る13週間前に雇用されている必要があります。育児休暇は、養子を迎えた場合にも適用されます。それまでの所得の一番稼いだ4週間分を基準に計算し55%が支給されます。
この期間を2017年12月から、18ヶ月取得可能にすることができるようになりました。その分支給額が33%になりますが「休暇が長くなるに伴い、子供と過ごす時間が増える」、「デイケアへ預けるコストは月齢が低いほど高いため、期間が延びることによって安くなる」、「今までの仕事のポジションも守られるため安心」という利点があります。
逆に収入が減る分、「今までの生活レベルをキープするか、落とさねばならないか」で考慮すべきことが出てくるのを懸念する声があります。
◾カナダの子供手当CCB
2016年7月から支給開始されている新子供手当です。CCBCanada Child Benefitの略で、日本でいうところの児童手当にあたります。それまでカナダ政府支給の子供手当には、CCTB(Canada Child Tax Benefitのことで、子供が0〜18歳になるまでの間、毎月支給。支給額は課税対象外。支給額は収入と収めた税によって毎年変動)、UCCB(Universal Child Care Benefitのことで、0〜17歳の子供を対象に毎月支給、支給額は課税対象支給額は収入に関係なく、一律0〜6歳までの子供:$160/月、6〜17歳までの子供:$60/月)現在はこのふたつを一本化したものが、CCB(世帯収入に応じて支給額が変わる、非課税対象、収入制限あり、子供が0〜18歳になるまでの間、毎月支給)として支給されています。
収入制限はあると言ってもだいたい世帯年収200,000ドル程度(日本円にして約1700万円)とかなりの高収入世帯が対象となっています。収入制限は子供の年齢や人数によっても異なってきます。世帯年収150,000ドル以下の世帯にとっては、支給額が増加するような基準が取られています。支給額が現段階の試算では、2人子供がいる一般的な家庭の場合、2018年7月から$200アップ、2019年$500程度アップされる見込みと発表されています。
数字を入力するだけで試算出来るツールが政府のウェブサイトにのっているので、そちらを利用すると大まかな金額がわかるようになっています。
◾Parenting and Family Literacy Centres
Toronto School District Boardが運営する6歳以下の未就学児が利用できる無料のサービスで、本を読んだり、歌ったり、クラフト、遊びなどを通して交流ができる場を設けています。
2017年11月現在は市内に78か所ありますが、運営方法が少し変更になり「EarlyON」という名称に変更され、向こう3年間でさらに100ヶ所増設予定だそうです。
我が家も息子が気に入っているのでたまに利用していますが、人数がいっぱいで安全上の問題を理由に入室を断られるほど人気のエリアもあるため、このニュースはとても嬉しいものです。子供達同士が一緒に過ごす時間だけでなく、移民でワーキングマザーなど自分と同じ境遇の様々な人種のママやケアギバー達との情報交換や交流の場としても利用できます。
◾子育てで使える英語表現
自分ができなかったことを子供に託す親は多いと思います。英会話もその一つだと思いますが、お子様と一緒に学べたら楽しさも増しますよね。そこで簡単で覚えやすい表現をご紹介します。
- Stay Still : じっとしてて 読んでそのままですが、その場から動いて欲しくない時の言い聞かせ文句としてよく使います。 - Take turns : 順番だよ 公共の場やお友達と遊んでいる時に順番を守るように伝える時によく使います。 - Time out : タイムアウト 欧米ではメジャーなしつけの方法の一つで、学校や家庭において悪いことをした子供を現場から引き離し、静かなところへひとりで放置させ考え、反省させた後、頭が冷えて落ち着いた時に納得いくように教える時にこの表現を使います。 - Say sorry : ごめんなさいして 自分から素直に言えるようになるまで、親が根気よく促してあげる時に使います。 - Please share : 分けてね 現在イヤイヤ期真っ盛りの2歳児がおりますが、おもちゃをお友達とシェアするのを嫌がったりします。そんな時にこの表現をよく使います。 - Tidy up : お片づけして Tidy up, tidy up, everybody tidy up〜♪というお片づけの歌を歌いながら、楽しくお片づけが出来るように促します。 - It’s time for bed. : 寝る時間だよ 下線部をyour bath(お風呂)、lunch(ランチ)、to go(お出かけ)等に変えれば、色々な場面で使用可能です。
我が家の場合、主人がカナダ政府関係の仕事をしているため、有り難いことに福利厚生が充実していて、育休は第一子の時は3ヶ月取得しました。第二子の時は9ヶ月取得予定です。EI支給額は96%のため、一般企業に勤めていた私が取得するより世帯収入が上がります。
お子様の年齢に応じて、また違った悩みや問題なども出てくるのでしょうが、このように子育て世代に対してもオープンで、比較的寛大な傾向にあるカナダ。離婚率も40%とかなり高いので、政府からの保護が手厚いのは、かなりありがたいです。今後も様々な動きがありそうですが、国民や移民にもさらに住みやすい環境になってくれることを願いたいですね!