一度は海外に出て試してみたい(海外勤務、出張、ワーキングホリデー等)、またはこの際海外に生活拠点を移したい(移住)と思ったことはありませんか?
では実際に海外で仕事をするとなると実状はどうなのか!?今回は筆者の実体験も交えて、カナダと日本の仕事の違いあれこれをお話しします。
<関連サイト> スカイプ英会話を探すなら! | オンライン英会話比較360°
◾自分で考えて動く
職場における典型的な日本とカナダの違いを挙げるとすれば、「マニュアル通りの従順さが求められる日本、臨機応変さが求められるカナダ」でしょうか。日本でもよく臨機応変に対応しなさいと教え込まれていることがほとんどですが、解決方法は所詮マニュアル化されていることがほとんどです。
例えばレストランで・・・
「〇〇を抜いて××を入れてください」は日本だとできないと断られることが多いです。
メニューにないことはできない、特にチェーンの場合、他の店舗ではしていないのに自分のところで勝手に変えるわけにはいかないですもんね。また、一度やってしまって周りに知られた時にあの人は良くて、自分ダメなのかとなった場合、後々収拾がつかなくなることがあります。筆者もレストランでウエイトレスをしていたので、よくこのようなことがありました。
カナダではできます。よほどのことがない限り断られることはありません。おそらくアレルギーが多い、多国籍で宗教も違うためオプションがないと経営が成り立たない、という文化背景の違いもあるので、真っ向から比べるのも難しいですけどね。
例えば一般企業で・・・
おんぶに抱っこは企業のお荷物。独り立ちできるまで1対1で1〜10まで面倒見てくれるなんてことはありません。最初からとりあえずやってみてわからなかったら、まずは「私はこう思う/考えますがどうでしょうか?」と自分で考えた方法や解決策を同僚に相談して教えてもらう、上司や支持を仰ぐというやり方で仕事を進めていました。
筆者が火災用のスプリンクラーシステムを取り扱う会社で働いていた時は、小さい会社だったので受付、顧客窓口対応、スケジュール管理、在庫管理、書類作成、顧客フォロー、会計等、全てにおいて任されていましたが、とにかく覚えることもやることも多い。このころは毎日自分のキャパシティぎりぎりのところで生きている感じでした。
日本車のディーラーで会計として働く日本人の友人に「全然教えてくれないんだよ」と愚痴をこぼしたら「うちもそうだよ。もう自分でやるしかない」とあっさり返され、悟った記憶があります。
◾従業員の士気を上げるための手段や頑張りが認められたときのご褒美は手厚い!!
一般企業の場合、年功序列ではなく実力主義なので、手柄に対しての報酬はもちろんです。
入社1年目のクリスマス、未経験の業界にもかかわらずよく頑張ってくれたからと特別ボーナスをいただきました。
それに加え、従業員の士気を上げるために「毎週金曜日は上司が手配したケータリングのお食事を楽しみながらのランチミーティング」、「イベントごとのポットラックランチやパーティー&コンテスト」、「チームでロトを購入し当たったら山分け」、「毎日同じ時間に携帯で一斉にトリビアクイズに参加(勝った賞金はみんなで分ける)」など会社によって様々な内容で、より良い職場環境を目指すために行っていることです。
日本でも比較的新しい社風、インターナショナルな企業では取り入れているとこともありますが、まだまだ古い考えに固執した苦しんでこその美学的な企業が多いなと感じます。
◾ハイテクノロジー化で自宅で働く人も多い
大手銀行でプロジェクトマネージャーをしている友人(男性)、大手一般消費財メーカーで北米のマーケティング統括マネージャーをしている友人(女性)、プライベートIT企業で働く義弟など週に数日自宅で仕事をする人が増えています。
友人のお子さんが熱を出して仕事に行けなかった時などは、会議に参加するためにハイヤーが彼女専用のPCを自宅まで届けてきたという逸話まであります。
こういった待遇は、職種や立場によって待遇も違いますが、やはりジェネラリスト(総合職)よりスペシャリスト(専門職)の方が多い傾向にあります。会社にとっての貢献度も高く、必要費可決な人材という強みですね。
◾給与
2週間に1度、2週間分の給与が支払われます。そして年末にはそこにボーナスが追加されます。年収は経験年数、ポジションの仕事内容、前年度のパフォーマンスによって決められますので、年齢は関係ありません。
何かの時に「日本の履歴書には写真を貼る場所や年齢、趣味や好きな科目まで書く欄がある」と話したら、「それで面接まで進めるかどうか決まるなんてdiscrimination(差別)だし、仕事するのに趣味や好きな科目聞いてどうするんだ」とかなり驚かれました。確かに言われてみれば納得ですね。
◾勤務時間
もちろん業界やポジションにもよりますが、全体的に日本と比べると始業時間が早いイメージがあります。
主人はカナダ連邦政府機関で働いていますが、フレックス制なので7:00AM-3:00PMまでの勤務です。義兄はオフィスに行く日は6:00AMから、私は8:00AMからです。朝早くから働いて、早めの時間に帰宅し、自分の時間や家族との時間を大切にする人が多いのかなと思います。
なので帰宅ラッシュも3:00PMからと早い時間帯から始まります。
◾休暇
Vacation(休暇)は1年のうちで2週間は保証されており、ほぼ全員がそれを使い切ります。その他にもSick Day(病気による休暇)、Stressed-Out Day(ストレス解消のための休暇)など決められた範囲内で取得が可能です。
日本で勤務していた会社を退職する時に溜まっていた1ヶ月分の有給休暇を使わせてもらえず、12月だったため貰えるはずのボーナスもカットされたこと、日本は有給休暇の消化率世界ワースト1であることを考えるとやはりカナダの労働環境はずっと良いなと感じます。
◾残業
こちらも業種やポジションによりますが、おそらくほとんどありません。あるとすれば必ず給与が支払われます。そもそも残業に対する考え方が根本的に違います。
日本ではサービス残業が当たり前のような雰囲気になり、残業してこそでょ力が認められる的な考えになっていますが、こちらでは残業=タイムマネジメントができない、生産性がない、能力が低い人扱いされます。
前職では、どうしても終わらない場合は、残った仕事に優先順位をつけ、上司に終わらなかった理由とあとどのくらいあれば終わるかを伝え、残業して良いかどうかの相談、指示を仰ぐというやり方をしていました。
◾転職
非常に多いです。
さらに経験を積んで上を目指すためであったり、結果を出せばそれを認めてくれる、受け入れてくれる環境も多いためヘッドハンティングも盛んです。また実力主義のため使えない人はすぐクビになりますので、それも転職が多い要因のひとつです。
「個人」をとても尊重する傾向にあるため、実力主義。出る杭はいくら出ても、よっぽどのことがない限り打たれることはありませんので、強みを生かしてどんどん主張していきましょう。
日本でお仕事経験のある方がこちらでお仕事をするとなると、かなり衝撃を受けるのではないかということがたくさんありますが、この環境に慣れてさえしまえばとても働きやすいと思いますよ!