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「TEAP」試験の鬼門、スピーキングを攻略せよ(前編)

引き続き今回も「TEAP」という試験についてまとめてさせていただきます。
これまで旧来どおりの日本型英語教育にどっぷりだった高校生にとっては、TEAP受験にあたっては特にスピーキングテストが難しいと言えるでしょう。英会話教室に通った経験もなければ、まして短期ホームステイの経験もなし。学校の授業にときどき来るALTとやりとりをするだけでは、スピーキング試験対策として不十分であることは否めません。
それでも、この試験で問われる英語運用力とはいかなるものかを正しく理解すれば恐るるに足らず!
ネイティブと同じスピードで、よどみなくペラペラ話す自分像を目指しているのであれば、それは試験の本眼と少しだけずれています。ゆっくりでもよい、ボキャブラリーも無理をしなくてよい、ただし自分の意見ははっきり論理的に伝えよう、という試験の狙いを理解することから対策は始まります。また補足として、文法がきちんとできているかどうかもみられますね。
 以下、ポイントに沿ってTEAPのスピーキング試験がどういうものなのかを一緒にみてまいりましょう。

1日の最後におこなわれる

 TEAPという試験は英語4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)のそれぞれの科目を1日で受験するようになっています。一番最後の科目であるスピーキングテストは、だいたい午後2時半を超えたあたりから始まります。もちろん受験番号によって面接室に呼ばれる順番は変わりますから、番号が遅い受験者ですと17時ごろに試験開始となってしまう場合もあります。(たった15分程度のテストなのに、待ち時間がずいぶんと長いものですね…!)

待ち時間の長さは「精神統一」タイムに変えよ

 TEAPのスピーキングテストでは、問われる範囲が実に広いものです。試験当日になって待ち時間に付け焼刃で勉強しても、もはや意味がありません。自分の習慣や家族など身の周りのちょっとしたことも話せないといけませんし、社会問題についても環境問題・労働問題・健康問題など縦横無尽に問われ、これではまるで狙いが定まりませんから、はっきり言って日ごろから努力していくしかありません。
 繰り返しになりますが、この日ごろの努力というのは、話す”流暢さ”に力点を置いてはいけません。むしろ日本語でもよいので、自分が日々のニュースにアンテナを張って「どう思うか」をジャンルごとに蓄えたり、それを表現するときに「こういう理由があるから」と自分で整理できているココロの準備が大切です。
 したがって、当日のスピーキングテスト前の待ち時間は、ずばり”精神統一”に費やすことをおすすめいたします。自分の言っている内容がちゃんと一貫しているように、「ゆるぎない論理展開を目指そう!」という事前の誓いは大事です。よくあることですが、言葉をあれこれつないでいるうちに、Yesの立場でスタートしていたはずがNo 側に立っているなんて論理の破たんが、緊張下では十分に起こりうります。質問が聞き取れないときは面接官にこう聞き返そう、ですとか、ほかに言いよどんでいるときの”つなぎ言葉”にはこれを使おう、ですとか、具体的に使えそうな危機回避手段を直前でよくよく確認しておくことです。また面接中は常にスマイルをキープすることも、事前に意識していないとなかなかできないことです。

評価はどんなふうにされる?

 面接官がスピーキングテスト全体を通して1つの評価をつけます。つまり、質問1つごとに1つの評価をつけていくシステムではありません。すると、“印象”というのが大きく結果を左右することはご想像いただけるでしょう。
 ある評価とある評価のちょうど真ん中あたりでジャッジが微妙な場合は、受験者の声の大きさや発話量など、それににこやかさなどが判断基準として大きくはたらくことは、面接官も人間ですから当然です。名言はされていませんが、しかし確実にあります。

 実際には、「CEFR」のレベルのいずれかがこのスピーキングテストの評価になるのですが、本来はC2, C1, B2, B1, A2, A1 の6段階の「CEFR」レベルがあるうち、TEAPの評価では4レベル設定になっています。B2, B1, A2, Below A1 の4つです。レベルが高いのはB2で、高校生でB2評価ならば「安心して留学に送り出せる」レベルと言ってよいと思います。日本の高校生はほとんどA2とBelow A1に属しています。(A1より下がないため、どれだけカタコト英語でもBelow A1 という評価はもらえます。)ふだんから学校でも英語のプレゼンに慣れている環境であれば高校生でB2取得も夢ではありませんが、惜しいところでB1評価になる場合も多く見受けられます。あくまで英語はコミュニケーションツールなので、下を向いてぼそぼそと一本調子で話す受験者よりも、目を見てくっきりはっきり話すほうが印象がよいに決まっています。ゆえに、英語に限らずどの面接試験においてもそうなのですが、面接官に自分の姿が失礼に映らないようにするのはもちろんのこと、高評価ゲットのためにもアイコンタクトとスマイルはできる限りキープするのが定石と言えます。

これが試験の概要だ ~4部制の構成~

 スピーキングテストは、面接室内でだいたい15分ほど拘束があります。進度によっては20分になることもあるでしょう。廊下で待機している受験生は、当日の案内係から「どうぞ」と入室の声かけがありますが、この廊下での待機の前に大きな待合室(大学の講義室など)で一斉待機があるのが常です。
 面接室に入る許可を得たら、ドアをノックするなどして「May I come in?」などと一言発してから入ると好印象でしょう。これは英検など各種試験と同じです。TEAPでは、面接官は日本人・外国人問わず一人です。着席したり荷物を置いたり、また受験票を面接官に渡したりするので、ちょっとした挨拶程度の英会話がそこで発生しますが、これは採点対象外です。英検と違って「attitude」の採点項目もありません。
面接官がi-Padを利用して進行するのがこのスピーキングテストの大きな特長で、受験者番号を受験票からQRコードで読み取ったり、TEAP専用のアプリで制限時間を計測したりなど、時代を反映したなかなかハイテクな試験だと言えます。余談ですが、面接官が高齢の場合は機器の操作に慣れていないこともあり、QRコードの読み取りにもたもた時間がかかってしまったりなんてことがあります。最悪の場合、アプリの誤作動や未作動に備えて、ICレコーダーも各面接室で1つスタンバイされています。
 さて、肝心のテスト内容なのですが、4部制になっています。Part1~4に分かれ、少しずつレベルが吊り上がるような設定になっています。
 Part1では受験者本人の生活に関わるような質疑応答。Part2はある職業に就いている人へのインタビュー。Part3は、特定のテーマに基づいた即興スピーチ。Part4は、社会的な話題についての質疑応答です。なお、TEAPは過去問題の公開を控えていることから、筆者が可能な限り読者様にご想像いただけるような形で情報共有をさせていただきます。(ご参考まで、過去問題ではなく「見本問題」として、1回分だけTEAPのウェブサイトにフルセットが掲載されています。)

では、後編ではPart 1 から1つずつ順にみてまいりましょう。

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