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日本の食文化を外国人に説明してみよう(お好み焼き編)

こんにちは。前回の記事に引き続き本稿でも、外国人に日本の食文化を説明するときのポイントについて扱いたいと思います。さて「大阪」を想起しやすいお好み焼きですが、大阪に限らず日本中どこでも食べることができますね。「東京」のもんじゃ焼きもあわせて、説明のポイントを通訳ガイドの現場からお伝えします。

その①まずは「靴を脱ぐかも」から!

 外国人のお友達とお好み焼き店に行くなら、先に簡単に概要を説明してあげたほうがよいでしょう。鉄板を使うお店であることと、場合によってはたたみ席(座敷)なので靴を脱がなくてはいけないことを事前に伝えておきます。(靴を脱ぐことに抵抗がある外国人は、意外といるものです。)
さあそしてここがキーポイントになるのですが、多くのお好み焼き店では、みずからが自分の食事にコミットしていかねばなりません。そう、作るんです。混ぜたり、焼いたり、ひっくり返したり、ソースを塗ったり…。普通の食事ではなく、もはやこれは一種のエンターテイメントです。ひとこと伝えておくとスムーズなのはもちろんのこと、期待も高めてもらえますよ。

・Okonomiyaki is our local food, and it is basically “do-it-yourself” style.
(お好み焼きは私たちの庶民食で、基本的には自分たちで自分のお好み焼きの面倒をみるようになっているんです。)
・There is a big hot plate on the table. I’d recommend that you just take off your sweater.
(テーブルには大きな鉄板があるんです。そのセーターは脱いだほうがいいかもしれません。)
・I reserved a tatami seat so we’re supposed to take off our shoes there.
(たたみ席を予約してあるので、靴は脱がなくてはいけません。)
・Restaurant staff just give us Okonomiyaki dough in a bowl. We need to make our own Okonomiyaki on the hot plate.
(レストランの従業員はボウルに入ったお好み焼きの生地を運んでくるだけなので、自分たちで鉄板で焼かないといけないんです。)

その②お手軽感が魅力

日本人にとって、お好み焼きとは何でしょうか? 関西圏だけの食べ物ですか? お祭りのときだけの食べ物ですか? もしふだんから自宅でお好み焼きを作っている人がいるならば、冷蔵庫の中身の在庫一斉処分になっているのかもしれませんね。またお店で仲間たちとワイワイ言いながら焼くのが好きな人は、”社交エッセンス”をお好み焼きに求めているんでしょうね。手軽にできる、何でも生地に放り込める、ひっくり返す楽しさがある、仲間でシェアして食べられる…このあたりが外国人への説明の核になりそうです。

・Some Japanese people make Okonomiyaki even at home because the recipe is quite easy.
(とても簡単なレシピのため、家でお好み焼きを作る人もいます。)
・Okonomiyaki is the cooked mixture of flour, water, cabbage and pork. That’s the most popular recipe.
(お好み焼きは、小麦粉・水・キャベツ・豚肉を混ぜて焼いたものです。それが一番ポピュラーなものですね。)
・It’s a perfect harmony with everything in!  Seafood is also fine to put in.
(全部混ざって最高のハーモニーです! シーフードを入れてもいいんですよ。)
・You can add some other ingredients for options. Let’s check the menu.
(追加でほかのものを入れることだってできますよ。メニューで見てみましょう。)
・Let’s order three different types of Okonomiyaki. We can try two pieces of each.
(3種類違う種類のものを頼みましょう。ひとり各2枚ずつ食べられますね。)
・Many kids are happy to eat Okonomiyaki without knowing a lot of vegetables are in it.
(多くの子供たちが、野菜がたくさん入っているとも知らずに喜んでお好み焼きを食べます。)
・Okonomiyaki literally means a grilled dish of your favorite ingredients.
(お好み焼きとは、文字どおりには「あなたの好きな材料を焼いたもの」ということです。)

その③作る手順を説明してみよう

お好み焼きがどんなものかをひととおり説明し終えたら、いよいよ作り始めます。手順をひとつずつ丁寧に述べていきましょう。

・Mix thoroughly all the ingredients in this bowl. Make it into a perfect paste.
(材料はこのボウルの中で丁寧に混ぜてください。完璧にペースト状にするんです。)
・Put some oil onto the hot plate, and spread the dough in a round shape. 
(鉄板に油をひいて、たねは円形に広げてください。)
・The highlight of making Okonomiyaki is, when we turn it over! OK, let’s try it now.
 (お好み焼きづくりで一番のポイントになるのが、ひっくり返す瞬間なんです。さあやってみましょう。)
・Put those items on your Okonomiyaki ― sauce, sea weed, dried bonito flakes, and mayonnaise if you like.
(これらをお好み焼きにかけてください―ソース、青のり、かつおぶし、それからよかったらマヨネーズも。)
・Let’s make some small pieces for everyone now. Square shape, triangle shape, whichever you like is fine.
(ではみんなで食べられるように小さく切っていきましょう。形は四角でも三角でもお任せしますよ。)

その④焼きそばももんじゃ焼きも、同じ鉄板食文化

お好み焼きのほかに、焼きそば、もんじゃ焼きもメニューに載っていることが一般的でしょう。これらはお好み焼きの親戚みたいなもので、同一の食事の席でお好み焼きともんじゃ焼きを組み合わせて食べることは決して珍しくありません。

・Fried noodles and Monjayaki are available at most of the Okonomiyaki restaurants.
(ほとんどのお好み焼き屋で、焼きそばともんじゃ焼きも食べられます。)
・If you want to try each of Okonomiyaki, Yakisoba, Monjayaki, you can order everything! Hot plate is supposed to be cleaned every time after an item is cooked.
(お好み焼きと焼きそばともんじゃ焼きと、トライしてみたいならすべて頼んでみてください! 鉄板は1つ焼き終わるごとにきれいにしてもらえますから。)
・Japanese fried noodle is quite different from Chinese ones. We often cook it on a big hot plate like this, while Chinese ones are cooked in a pan.
(日本の焼きそばは中華の焼きそばと全然違うんです。中華風のものは中華鍋で作りますが、日本人はこうやって大きなホットプレートを使って調理するんですよ。)
・Monjayaki is also a type of savory pancakes. But it is half watery, which is different from Okonomiyaki.
(もんじゃ焼きも食事用パンケーキの一種ではありますが、半分水っぽい感じです。そこがお好み焼きと違う点です。)

 日本が誇る食文化はいろいろありますが、この鉄板の料理「お好み焼き」はいかにもソウルフード的でいいなぁと筆者はいつも思います。外国人のお友達とぜひ一緒にお好み焼き屋さんに行ってみてくださいね。

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