毎年発表されるベストカントリー。このランキングはU.S News & World Reportによる世界80ヶ国を対象に9つの項目に基づいて、スコアを算出したものです。それでは、早速上位10ヶ国を見ていきましょう!
1:スイス (前年度1位)
2:カナダ (2位)
3:ドイツ (4位)
4:イギリス (3位)
5:日本 (5位)
6:スウェーデン (6位)
7:オーストラリア (8位)
8:アメリカ (7位)
9:フランス (9位)
10:オランダ (11位)
ここ数年の結果を調べてみると、ベスト10はあまり変わり映えしません。カナダは3年連続2位をキープ!!生活水準の項目においては、1位を獲得しました。これは現地に住んでいる身としてはとても鼻が高いです。この基準にしている9項目をそれぞれを解説していきます。
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①Adventure(冒険心)4.4
友好性、革新性 、話題性などが含まれます。国民性がよく反映されている結果になりました。国土も広いので地域や人によって違いはありますが、穏和で人懐っこい、優しい、おっとりしている、繊細なところがある反面、時間にルーズ、大雑把、細かいことで悩まないなど、あまり大それた野心や行動力は無いように感じます。都会と自然との調和の取れた環境は、評価されています。
②Citizenship(市民権)9.7
人権、男女平等、環境への配慮、思想の自由などが含まれています。
やはり移民の多いモザイク国家ですね。移民や難民を積極的に受け入れている点や男女平等で評価されています。男女平等においては堂々のNo.1。女性の働きやすい社会の象徴ですね。国家公務員の上層に就いた女性の割合で、G20やEU諸国と比べてもダントツの46.4%(日本は3.5%)という数字を叩き出しました。
③Cultural Influence(文化的影響力)5.1
知名度、幸福度、ファッショナブル、モダン、トレンドなど世界的に影響を与える文化などが含まれます。
お隣のアメリカやイギリスの植民地時代の影響を受け継いでいるため、カナダから発信されている文化・・・と言われてもすぐに思いつかないかもしれません。納得の結果です。
④Enterpreneurship(企業家精神)8.6
革新性、法的枠組の確立、インフラ開発等が含まれます。
下記Open for Businessにも通じるものがありますが、イノベーション主導型経済国の中でもあのアメリカを抑えて世界でトップ。まずまずの数字となりました。
⑤Heritage(歴史/文化遺産)2.5
歴史的資産、食文化、エンターテイメント性などが含まれます。
2017年に建国150周年を迎えた新しい国家ゆえ、歴史が浅いこともあり、独自の文化や特に誇れるものが、あまりない印象といったところでしょうか。
⑥Movers(変動性)3.5
特有性、相違性、独創性などが含まれます。
将来性を見据えたこの項目ではのトップ3はアラブ首相国連邦、インド、シンガポール。この結果を見ても、国(政治)自体も安定しているカナダの評価点はやや低めとなりました。
⑦Open for Business(事業へ開放的か)8.0
組織の腐敗、法人税、製造コスト、政府の透明性等が含まれます。
しっかりした政府や各団体のサポート体制が割と整っているため、移民や難民として移住してきた人達や一般の人がビジネスを始める機会が与えられるのも、大きく影響しているのではないでしょうか。
⑧Power(権力)4.4
経済力、軍事力などを含めた世界的影響力の強さを表しています。
移民の受け入れを多く行ったり、各国との関係性から世界的に見て好印象だと言われていますが、国自体がとても安定していますし、トップ3のアメリカ、ロシア、中国に比べるとやはり世界への影響力は、それほど大きくはない印象を受けます。
⑨Quality of life(生活の質)10.0
特に注目したいこの項目。文句なしの満点を獲得しました!
世界の色々ランキングを調べてみたところ、カナダが1位の座に輝いた、誇らしいものがたくさん出てきました。キャッシュレス化、好感度、男女平等、子育てのしやすさ、多文化社会、留学にふさわしい都市でモントリオールなどです。この結果を見てもQuality of lifeで満点を獲得したのもうなずけますね。
この中に採点の基準となった、さらに細かく分けられている9の項目を以下にご紹介します。
– Ecomomically stable(経済の安定さ)9.8
エコノミスト達に「カナダは面白くない(変動率が低い)」と、お墨付きをいただいているくらい安定しているカナダの経済。
五大湖付近を中心にした自動車部品などの製造業、広く自然豊かな国土を活かした鉱業、林業、農業なども盛んです。先進国の中で財政収支と経常収支が黒字なのはカナダだけという優秀さです。
– A good job market(雇用状況の良さ)10.0
求職者が雇用されやすい環境であるかということです。過去40年で失業率が過去最低水準を記録したと発表されました。周りでも結構リストラの波紋が広がったりしたので、これは個人的には、うーんどうかな!?と首をかしげたい気分ですが、この数字を保つ、さらには下回るように頑張ってもらいたいですね。
– Affordable(良心的な物価か)1.0
散々な結果になりましたね。ここだけがネックかなという印象ですが、物価は全体的に高め。筆者の感覚的には、日本と同じくらいかなといった印象です。都市部に比べると郊外は安めです。国税の他に各州で決められた収税が異なるため、滞在地域にもよります。
– Safe(安全性)10.0
事故などによる被害、損失や個人などの所有物が損害を受けるリスクが少ないかなどを基準にしています。地域にもよるのかなと思いますが、国全体で見た場合、やはり安全性は高いように感じます。ただ去年はマフィア絡みの銃撃やテロ紛いの事件が相次いで、過去最高件数に達したので、今年のランキングに影響が出そうな予感ですね。
– Politically stable(政治の安定さ)10.0
政府の体制などが変わっても法制度、公務員、警察、司法などの期間や根本的な政策には影響が少ないことを意味します。現在国の主導権を握っているのは2015年にイケメン首相を話題になったジャスティン トルドー氏が、手腕を発揮しつつあるということでしょうか!?
– Family friendly(家族向けか)8.9
– Well-developed public education system(公教育制度の良さ)9.9
公教育機関で生徒の出席率や高等教育をきちんと提供できているかなどが含まれています。カナダの教育は州政府が管轄、そのため州によって教育制度が異なります。教員の自由度も高く、子供の個性を育てる環境が整っています。日本の高校3年生に当たる学年まで効率の授業料は無料、アルバータ州などは私立も無料です。
移民も多いため、英語がわからない、身体的ハンデを抱えた子供達へのサポートも充実しています。
– Well-developed public health system(医療、健康保険制度の良さ)9.9
医療機関(州によって多少異なりますが、入院、手術、出産など)は無料なので、住民には有難いですね。高い税金を支払っている分、それがきちんと政府の働きとして反映されています。その分、病院の待ち時間(オンタリオ州の場合は、緊急でも生死に関わる以外は4〜8時間)、専門医へはかかりつけ医の紹介状が必要など、症状に応じてすぐに〇〇科を受診できる日本との違いは不便に感じてしまいます。
– Income equality(所得格差)6.2
先出のAffordableにもつながるところがありますが、日本同様、収入の差は少なからずあると感じます。その格差を少しでもなくそうと、所得に応じて政府からの手厚い援助もあるので、将来的に格差が少しでも減ることを願いたいですね。
さて、この結果みなさんはどのように受け止めますか!?一部の調査機関が出したただの数字にすぎませんか?それとも、もっとカナダに興味を持って好きになりましたか?
これから留学、ワーキングホリデーをお考えの方、お仕事で渡航予定の方などは、やはり気になるところですよね。
どうしても英語を学びたいという方の視点から見ると、語学学校や現地校の評判はどうなのか?、日本人の割合は?、費用は?等に目がいきがちで、その国の文化や政治、生活にまではなかなか考えが及ばないかもしれません。ちょっと視点を変えて、是非今後の国選びの参考にしていただければと思います。