英語の小論文や作文とイメージすると苦手意識が芽生える方も多いと思います。しかし海外の学校では避けては通れない大切なもの。長い文章を書くにはそれなりの語彙力や文法力も必要になってきます。この対策をしておけば、英語学習の4大要素である「読む」、「聞く」、「話す」、「書く」が同時にブラッシュアップできる効果もあります。
今回は、海外のカレッジや大学に進学を考えている方向けに、入学試験対策としてエッセイについて書いてみます。
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◾エッセイの種類
エッセイと一口に言っても、大きく分けると4種類あります。
– Narrative Essay – 解説型
よく例えるなら物語とも言われますが、それだけでなく、トピックに対してそれに対する理由や自分の考えをまとめたものを指します。
具体例としては「If only I could turn back time(もし過去に戻れるとしたら)」、「My first job(初めての仕事)」、「What valuable lessons have you learned from adversity?(教訓から学んだことは何か?)」など、主観的な要素が多く入ってくるので、一人称のIから文章を始めることも多くあります。
– Descriptive Essay – 記述型
人、場所、物事、経験、状態などについて、描写的で、相手の五感に訴えかるように比喩などを用いて、トピックについて説明するものです。具体例としては「Your favorite vacation(1番良かった休暇)」、「Your ideal date(理想的なデート)」、「Moving to a new city(新天地への引越し)」などが挙げられます。
– Expository Essay – 説明型
自分の意見を相手と共有しようとすることが目的とし、自分の訴えたいことを明確化し、それを裏付ける事実、事例、引用、具体的な数字などで補強します。
具体例としては「How growing up with (or without) a sibling influenced on your personality.(兄弟とともに育つことが人格にどのような影響を及ぼすのか?)」、「The meaning of true friendship to you(真の友情とはあなたにとってどんな意味か?)」などがあります。
– Persuasive Essay – 説得型
相手に自分の考えを理解させ、 納得させることにあります。具体例としては「Why is it important to buy locally manufactured or grown goods?(なぜ地元で生産されたものを購入するのが大切なのか?)」、「Why should students be encouraged to take part in international exchange programs?(なぜ交換留学生制度への参加を推奨すべきなのか?)」などがあります。内容がかなり複雑になってきますね!
◾エッセイの基本
エッセイはお題によって、上記4つの種類を元に構成を練ります。基本形は、Introduction(紹介)、Body(展開)、conclusion(結論)で構成されます。
– ハーバード式5行エッセイ
皆さんはハーバード式5行エッセイというのを聞いたことがありますか?以下に有名な例文をご紹介します。
I like summer best.(私は夏が一番好きだ – 結論) The days are longer.(日が長い – 理由①) We can dress down.(楽な服装ができる – 理由②) I can travel with my family.(家族と一緒に旅行ができる – 理由③) My favorite season is summer.(私の好きな季節は夏だ – 結論)
いかがですか?これがエッセイの基本形に忠実に書かれた、非常に簡潔ですが、分かりやすい文章です。エッセイの基本を押さえて、これを応用して使えるようになれば、理想ですね!
– 実際にエッセイを書くときのポイント
試験対策の場合は、全てのバージョンを想定して、トピックを選びます。完成したらネイティヴに添削してもらい、それをまた直して良くしていくという工程を繰り返していきます。
筆者も最初はトピックに沿って基本形に忠実に描いているつもりでも、「最終的に何が言いたいのかわからない。日本人の典型的な例だね」と主人にきつく言われて、何度も書き直しました。
以下、筆者がテスト対策のために練習したエッセイのひとつを例にご説明します。
最初のIntroduction部分では、Hooks(惹きつけ)という相手を強く惹き付けるように、自分の意見を主張する見出し文から始めます。次にThesis Statement(命題)はエッセイで1番大切な部分で、そこで何を伝えるのかを端的にまとめます。
Smoking in public places has to be banned. (公共の場での喫煙は禁止されるべきである) As studies show, many people know smoking is not good for health and lots of places in the world have already banned smoking in public. However, people still smoke for their pleasure, stress relief, weight loss etc. (研究で証明されているように、多くの人々は喫煙が体に害を及ぼすことを知っているし、世界中の多くの場所ですでに禁止されている。しかしながら嗜好品として、ストレス軽減、減量のためなど、未だ沢山の人達が喫煙している)
続いてBoby部分では、エッセイの種類に合わせて内容を証明、説明、比較・対象、議論等で展開していきます。
その上で大切になってくるSupport sentence(詳細説明文)の部分では、上記の主張に対しての理由、根拠などを述べます。
Here are the reasons “Smoking in public places has to be banned”. First, secondhand smoke can cause harm in many ways; cancer, stroke and asthma. Those smokers might kill not only themselves but other people too. Second, loose your taste or can’t enjoy a nice meal with the smell. If the person next to you smoking while you are having a nice anniversary dinner or relaxing at a café, you smell the smoke and it ruins your meal and time. Third, it is not safe for children and pets. If someone walking on the street while holding a cigarette, your children or pets might get injured pick it up, eat or step on it. (なぜ公共の場での喫煙は禁止されるべきなのか、理油は以下の通りである。1つ目は副流煙による被害。喫煙者は自分たちだけでなく、他の人たちまで巻き込んでしまう可能性もあるのだ。2つ目は味覚障害や匂いによる被害。もし喫煙者の隣の席で素敵な結婚記念日のお祝いディナーを食べることになったらどうだろう、カフェでリラックスしているのに匂いで邪魔をされたら、そのお料理や時間までもが無駄になってしまう。3つ目は子供やペットへの被害。歩きタバコなどで怪我を負ったり、誤って食べてしまったり、踏んでしまう可能性もある)
そして最後に結論で結びます。最初と同じ言い回しにならないように単語を慎重に選び、違う言い方に変えます。
In conclusion, to avoid those problems, it should be made illegal smoking in public places. (結論として、これらの問題を回避するために公共の場での喫煙は違法とするべきである)
先述したように海外の学校ではエッセイは避けて通れません。まずは日本語の作文から頭を切り替えて、英語のエッセイの基本を理解した上で、実際に練習してみると良いと思います。書くにあたって、必然的に情報を集めるために色々なものを読んだりする中で、文の構造や上級者向けの単語の選び方なども身についてきます。こればかりは近道はないので、じっくり取り組んでみることをおすすめします。
また筆者の場合、カレッジの入学試験で指定された単語数に満たないまま終わってしまったのですが、「単語の選び方が適切で、内容が簡潔で分かりやすくて良かったから」と合格を頂きました。こんな特例もありますので、諦めずに頑張ってくださいね!