「海外で生活しています」と聞くと、皆さんはどんなイメージを持ちますか?
私は密かにその響きに憧れ、羨ましいと思ったひとりです。
そして今、縁あってカナダに住んで4年目になります。
そんな私ですが、ある程度覚悟を決めて移住したにしても、思い描いていたイメージとは違い、苦労することも多々あります。
今回は、私の実体験を元に、海外生活の大変さをお話しします。
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■仕事で痛感した言葉の壁
日本でも仕事で英語を使用していたので、日常生活ではさほど困らない程の英語力を持って渡加しました。
幸いコネで100%カナディアンの企業に仕事が決まり、そこで2年間程お世話になりました。
前任の秘書が辞めてしまったのと、小さい会社だったこともあり、いきなり受付・経理・受注発注・電話応対等を任され、最初は毎日家に帰って涙する程辛い日々が続きました。
日本では英語を使っていたとは言え、分からないことは直属の日本人上司に日本語で確認が出来ます。
しかし、ここではそうはいきませんでした。
上司、同僚、取引先、お客様は全て英語の上に、商品知識の浅い私は電話での会話すらまともに理解できずに苦しみました。
諦めずに働き続けて良かったと思えたのは、数ヶ月後に私の顔や名前を覚えたお客様とスムーズに会話が出来るようになってからでした。
海外に住む日本人はこのような様々な困難から、現地の日系企業で働く人も少なくありません。
しかしその弱い立場につけ込み、最低賃金で残業代も出さない、チップやコミッションも会社が全て吸収というところが多いです。
■日本と違う医療事情
私の住むオンタリオ州は、一定の条件を満たした人はOHIPという州の保険に加入できます。
こちらを持っていると一部を除いては、医療費が無料です。
その分税金は13%と高め。
患者数に比べ医療スタッフも足りないため、病院は回転率を良くしないと経営が成り立ちません。
さらに日本であれば○○科への受診は自分で自由に行けますが、こちらはファミリードクター介してになります。
つまり、ファミリードクターの紹介状が無いとスペシャリストに診断してもらうことはできません。
義理の父が胃癌と診断されるまで病院をたらい回しにされ、結果全摘出手術を受けるまでに1年半、受けて1ヶ月後に痛みを訴えたので緊急の窓口に駆け込みましたが、命に別状はなさそうとのことで6時間待たされました。
私自身は、3月に息子を出産をしましたが、こちらは無痛分娩が主流です。
普通分娩で異常がなければ24時間後に退院します。
その日は出産予定の妊婦さんが多く、ベッドがいっぱいとのこと。
病院の待合室で破水し、お産が早く進み過ぎた私は危うくそこで出産するところでした。
無痛分娩の薬が間に合わずに自然分娩に切り替え無事出産、そして私も息子共々元気に24時間後に退院しました。
保険の適応が無いと医療費は非常に高い(救急車を呼んで簡単な処置で$700、盲腸の手術・入院で$1,500,000程)ので、ホームステイやワーキングホリデーなど期間限定で住むことが決まっている方は、海外旅行保険には絶対の加入をおすすめします。
■日本の製品の入手方法
幸い私の住む地域では、比較的日本のものが手に入りやすいです。
しかしながら、特に食に関しては「日本食が恋しい」という意見が多いです。
今やインターネットで日本から何でも手に入る時代、アジア系スーパーへ行けば日本のものを取り扱っていますが、値段は1.5倍。
日本へ帰国する友人にお買い物を頼んだり、頼まれたりすることもあります。
便利な世の中になったとは言え、度々日本から送られてくる、両親や友人からの詰め合わせの段ボールは私達に取っては「宝箱」なのです。
無い物ねだりをしても仕方ないので、あるもので工夫しながらいかにコストを抑えて、家計に優しい生活が出来るか試行錯誤の毎日です。
■まとめ
文化や生活習慣の違う場所に住むということ。
それには、それなりの覚悟は必要ですし、数え上げたら切りがありませんが、大変なことも多々あります。
しかし、毎回それを乗り越えたときに、嬉しさや達成感と共に、環境に適応し強くなった自分に気付きます。
皆さんも海外で生活をされる場合は大変なこともあると思いますが、乗り越えた時の嬉しさや達成感は格別です。
なので、困難に屈することなく、ご自身で思考錯誤や工夫をしながら、最良の海外生活を実現してください!