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伝説の小説「オンザロード(路上)」から、今の自分に足りないものを探してみよう。

一枚の航空券、パスポートをポケットに入れ込んで。スーツケースに、お気に入りの服やシャンプーを詰めて、あてもなく世界中を旅してみたい。一度は、そんなことを思い描いたことはありませんか。

LCCの台頭による安価で渡航できることや、国同士のセキュリティも整備されてきたこともあり、ひと昔前よりは、随分と海外旅行をするのが、気軽になってきたような気がしますね。女性の一人旅なんていうのも、よく聞くようになったような気がしています。

旅といってみると、観光旅行とは少し認識が異なるような気がします。観光地をバスで巡って、写真を撮って、お土産を買うようなものではなく。現地の人たちと触れ合い、その場所ならではの文化や伝統を楽しんでみるような。そんな着地した時を過ごす時間に、アメリカ大陸横断はもってこいです。

アメリカには、世界あちこちから、また様々な歴史や習慣をもって、生活をしている人たちが多いのです。州によって、法律も、雰囲気もまるで違うのです。

広大なアメリカ大陸を、車で仲間と横断する。この一文だけでもワクワクしますよね。働いていれば、なかなかそんな時間を取ることもできません。そんなあなたに、「オンザロード(路上)」を紹介したいと思います。

その自叙伝は、1951年にジャックケルアックによって、たった3週間で書き上げられました。この3週間の間、彼はロクに飲み食いをせず。セロハンテープで繋げた、とんでもなく長いロールペーパーにひたすら言葉を叩きつけたといわれています。

路上には、サルパラダイスとディーンモリアーティが登場します。著者自身がモデルといわれている、サルパラダイスは語り手です。誰の語り手であるかといえば、それがもう一人の主人公、ディーンモリアーティです。両親が誰なのかも分からず、路上で生まれ、踊り狂うように人生を破天荒に生き、そして路上で死んでいくような男でした。

物語は、二人が出会うことに始まり、意味もなく、思うがままに、アメリカを車で何度も横断するというものです。概要にしてしまえば、いたってシンプルですが、小説に綴られている一文一文には、奇才ケルアックの才能が散りばめられているのです。

今回は、オンザロードから、幾つか引用して、紹介したいと思います。

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■「僕にとって、かけがえなのない人たちは狂った奴ら。」

|”the only people for me are the mad ones, the ones who are mad to live, mad to talk, mad to be saved, desirous of everything at the same time, the ones who never yawn or say a commonplace thing, but burn, burn, burn like fabulous yellow roman candles exploding like spiders across the stars.”

|僕にとって、かけがえなのない人たちは狂った奴ら。狂ったように生き、喋り、救われたがっているような奴ら。一度にあらゆるものを望んで、決してあくびをしない。当たり前のことを言ったりしない、そんな奴ら。彼らは、燃えて、燃えて、燃えて、まるで星々の行き渡る夜空に蜘蛛が逃げるように爆発する。素晴らしく、光ってくれるロマンキャンドルのように。

ディーンモリアーティだけではありません。サルパラダイスを囲む仲間たちは、みな狂っていました。そして、その中には有名な作家も含まれていました。衝撃的な麻薬の実態を描いた「裸のランチ」を著し、奥さんを誤って銃で撃ってしまったことで知られているウィリアムバロウズ。直感的な文章で、人の心を揺さぶる詩人のアレンギンズバーグ。前例をものともしないような仲間たちと、時に旅をし、踊り狂うような物語が綴られています。

■「最も偉大な教師とは体験だ。」

|”The best teacher is experience and not through someone’s distorted point of view”

|最も偉大な教師とは体験だ。誰かの歪んだ視点越しではなく、自分で確かめた。

旅というのは、まさにそういうものなのかもしれませんね。インターネットを使えば、今では世界中あちこちの景色を見ることもできます。しかし、それを体験することは、実際にその場へ行ってみないとすることはできませんよね。

■「あらゆるものが待っていることを僕は知っていたんだ。」

|”Somewhere along the line I knew there’d be girls, visions, everything; somewhere along the line the pearl would be handed to me.”

|そちらの方向に行きさえすれば、どこかに女の子も、夢も、あらゆるものが待っていることを僕は知っていたんだ。そのどこかで、真珠だって手に入れることができるんだと。

これから始まる人生を変えてしまう旅に期待を膨らませるサルパラダイスの言葉です。全く分からない未来が立ちはだかった時には、これから先どうなってしまうのか不安でいっぱいになってしまいます。そんな心境の中で、期待を膨らませてくれますね。見えない未来に飛び込んでいく勇気をさり気なく感じることができるのです。

■「人の世界で誰でもないことは、天国で有名であるよりもずっと良いはずさ。」

|”What difference does it make after all?–anonymity in the world of men is better than fame in heaven, for what’s heaven? what’s earth? All in the mind.”

|最終的にはいったい、何の違いがあるというのだろうか。人の世界で誰でもないことは、天国で有名であるよりもずっと良いはずさ。天国ってそもそも何なのさ。地球って何なのさ。全ては心に聞いてみないと。

|”It’s good-bye. But we lean forward to the next crazy venture beneath the skies”

|それは、さよなら。しかし、私たちは空の下に行き渡る次の狂った冒険にまた向かっているんだ。

|”Prison is where you promise yourself the right to live.”

|牢獄は、あなた自身が正しく生きると約束したところにある。

|”The road must eventually lead to the whole world.”

|道は、ついに世界中へと繋がっていくことでしょう。

■まとめ

いかがでしたでしょうか。一部を切り取ってみたとしても、今すぐ旅に出たくなるように綴られています。

筆者個人も、学生時代に「オンザロード」に憧れて、アメリカ横断をしたことがあります。バックパック一つを背負って、見知らぬ場所を訪れていく中で、まさに路上のように、純粋に好きなことをして、ただ生きている人たちに出会うことができました。その思い出は懐かしむだけでなく、今自分が夢中になれていることにも必ず生きていく経験と変わっています。

もし、機会があれば、一冊の本を片手に、アメリカへ出かけてみては。

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