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アメリカは買い!ブレないバフェット流投資術

アメリカの投資家ウォーレン・バフェット氏は、会長兼CEOを務める投資持株会社「バークシャー・ハサウェイ」の株主(投資家)に宛てたレターで、アメリカ経済への自信を明らかにしました。

今回は、経済・投資に関する英単語や表現をチェックしながら、バフェット氏の株式投資成功の秘訣についても探っていきましょう。(英文は、”Warren Buffett: Don’t bet against America” USA Today 2016年3月10日)

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☆アメリカはすでに偉大だ!

In his most recent letter to Berkshire Hathaway shareholders, Warren Buffett commented that politicians’ views of America’s future are “dead wrong.”
 バークシャー・ハサウェイの株主に宛てた最新の文書で、ウォーレン・バフェット氏はアメリカの将来に対する政治家の見方は「まったく間違いだ」と断言した。

・dead:完璧に、完全に

 deadは「完全に」という意味の非常に強い言い方です。dead rightは「全くその通り」。また、The road was dead straight.(その道路はどこまでもまっすぐ続いていた。)のような表現もあります。

 バフェット氏の言葉は、アメリカ大統領選のどの候補者も「現状を変えよう」と主張していることに向けられています。「アメリカを再び偉大に」といった各候補のスローガンは、今のアメリカに対する悲観的な見方を反映しています。

Fed up with it, Buffett gave his input on the matter.
 こうしたスローガンにうんざりしたバフェット氏は、この問題(アメリカ経済)に関する自分の考えを述べたのだった。

・fed up with:うんざりして、いらだって

 I’m fed up with that. (もうたくさんだ。)は会話でよく使われます。

☆アメリカの繁栄が続く理由

 では、バフェット氏はアメリカ経済をどう見ているのでしょうか?

In real (inflation-adjusted) terms, per-capita GDP in America is 6 times what it was in the year he was born.
 実質(インフレ調整後)で見れば、1人あたりのGDP(国内総生産)はバフェット氏が生まれた頃の6倍になっている。

・in real terms

 GDPは、1年間に国内で新たに生産された物とサービスの価値を金額で表しますが、同じ物でも物価水準が2倍になれば見かけ上の価値は2倍になります。そのためインフレ調整後(inflation-adjusted)で見た価値が「実質」(real terms)のGDPです。

・per-capita:1人あたりの

 経済で「1人あたり」は必ずこれが使われます。per-capita expenditure(1人あたりの経費)、per-capita production(1人あたりの生産量)、per-capital income(1人当たりの所得)など、いくらでも出てきます。

It’s not that Americans are smarter or harder workers than they were — we simply get more efficient over time, a trend Buffett feels is “certain to continue.”
 このことは、今のアメリカ国民の方が賢いとかよく働くということではない。時代とともに効率性が高くなっているというだけで、この傾向は今後も「間違いなく続く」とバフェット氏は考えている。

 バフェット氏は、現在の年率2%という実質GDP成長率はたしかに低い(sluggish)と言いながら、それを前提にしても将来は明るいという根拠を示しています。

25 years of 2% GDP growth would result in a 34.4% gain in real GDP over a 25-year period — which translates to a $19,000 increase per capita.

 2%成長が25年続けばこの間に34.4%もの成長になる。つまり1人あたりでは1万9千ドル(約215万円)の生産増になる。

・gain:増加

 gainは動詞「得る、達成する」などと同時に、名詞「獲得、利益」さらに「増加」の意味もあります。

・translate to:〜ということになる(言い換えられる)

translateは「通訳する」というのが最初の意味ですが、言い換えるということから「(別の言い方では)〜という意味になる」の使い方があります。

America’s golden goose of commerce and innovation will continue to lay more and larger eggs.
 アメリカの経済(交易)と技術革新は、今後も限りなく利益を生み続けるだろう。

・golden goose:限りなく利益を生むもの

 イソップ物語の「金の卵を産むガチョウ」が、今では比喩的にこういう意味で使われています。後半のlay eggs(卵を生む)に対応していますね。

☆バフェットの投資哲学4か条

 今回のレターでバフェット氏は、バークシャーの運用方針が今後も(何世代にもわたって)利益を上げ続けるだろうと伝えています。

Companies and industries with a proven track record of growth and innovation will continue to grow and innovate.

 成長と革新の実績が証明されている企業や産業は、その成長と革新を続ける。 

・track record:実積

 trackは「あとをつける(追う)」「道をたどる」という動詞から「足跡」という名詞にもなり、数字で測れるものに関する「実績」という意味の経済・金融用語になりました。

 では最後にバフェット氏の投資哲学4項目をご紹介しましょう。

1. Buy stocks that are leaders, or among the top few companies in their respective businesses.
 業界トップ企業か、それに準ずる企業に投資する。

2. Identify a wide moat — that is, a sustainable competitive advantage.
 企業に「堀」があること、つまり競争において持続的な優位性があることを確認する。(注:深く広いお堀【moat】を持つ、つまり業界でゆるぎない強さを持つ企業が良いというのがバフェット氏の持論で、コカコーラやディズニー、グーグルなどがその典型です。)

3. Focus on shareholder-friendly management, and companies with little or no debt.
 株主に優しい経営を行い、無借金または債務が非常に少ない企業に注目する

4. Look for a track record of consistent revenue and earnings growth, as well as dividend growth (if applicable).

 収益、利益、配当が安定的に増加している実績がある企業に投資する。

 ご参考になったでしょうか?
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