サイトアイコン EnglistA [イングリスタ]

海のプラスチック汚染で魚の食習慣に異変

プラスチック微粒子で汚染された海中の魚は、自然のエサよりプラスチックを好んで食べるようになるそうです。今や重大な環境問題であるマイクロプラスチックの影響について、英語で読んでみましょう。
(英文は、”Fish eat plastic like teens eat fast food, researchers say” BBC News 2016/6/2)

Young fish become hooked on eating plastic in the seas in the same way that teenagers prefer unhealthy fast food, Swedish researchers have said.
ティーンエイジャーが不健康なファーストフードを好むのと同じように、稚魚は海中のプラスチックに病みつきになってしまうことが判明したと、スエーデンの学者が報告している。

young fish:稚魚
hooked:病みつきになって

マクドナルドなどのファーストフード業界は、営業政策上ファミリー層の取り込みに一生懸命になっていますが、やはり利用頻度が高いということで、若者層が引き合いに出されてしまいました。

彼らはファーストフードが安く手っ取り早いので、食べているうちにハマってしまうようですが、否応なしにプラスチックを食べさせられた魚はどうでしょうか?

<関連サイト> スカイプ英会話を探すなら! | オンライン英会話比較360°

☆天然の食料よりも好んで食べる

Their study, reported in Science, found exposure to high concentrations of polystyrene makes perch larvae favour the particles over more natural foods.
「サイエンス」誌に掲載されたこの研究によれば、ポリスチレンが大量に混入した水中に置かれたパーチの幼生は、天然の食料よりもポリスチレンの粒子を好んで食べるようになるとのことだ。

Science:「サイエンス」(科学雑誌の名前)
 アメリカ科学振興協会 (AAAS)によって発行されている学術雑誌で、世界で特に権威がある学術雑誌の1つとされています。
exposure:さらされること
concentrations:集中
polystyrene:スチレン樹脂、ポリスチレン
 発泡スチロール、CDケース、カップ麺の容器などに使用されます。
perch:パーチ(淡水魚の一種)
larvae:幼生
 たとえばカエルにおたまじゃくしの時期があるように、卵から発生して成長する間に,成体とは違う体形で生活する時期がありますが、これを幼生といいます。
particles:粒子

これはたしかに驚くべき結果ですが、舌(が魚にあるかどうかわかりませんが)というか味覚がマヒしてしまうのでしょうか。それにしても、人間ならばジャンクフードが体に悪いと説得されれば食べないという選択をすることもできますが、海の魚は環境の犠牲にならざるを得ません。

As a result of exposure to plastic, the young perch are smaller, slower and more susceptible to predators.
プラスチック成分を含む水中に入れられた結果、パーチの稚魚は体が小さく、動きが遅く、天敵に簡単に食べられてしまうようになる。

susceptible:影響を受けやすい
predator:捕食者、捕食動物、天敵(natural predator)

ただたくさん食べるだけでなく、体に異常が現れるとなるとプラスチックは本当に有害で、長い間には生態系に変化をもたらしてしまうかもしれません。こうしたプラスチックの海洋投棄をなくすために、研究グループはプラスチック微粒子(plastic micro-beads)を化粧品に使用することを禁止してほしいと求めています。

☆マイクロプラスチック

A study that came out last year estimated that about 8 million tonnes of plastic waste enters the oceans annually.
昨年公表された調査結果で、推定で年間約8百万トンのプラスチック廃棄物が海洋に投棄されていることが明らかになった。

come out:明らかになる、明るみに出る、発表される
(例)Sooner or later, the truth is going to come out.
  遅かれ早かれ真相が明らかになるだろう。
estimate:〜と推定する
(例)We estimate that it will take at least three days to complete this work.
  この仕事を完了するのに少なくとも3日かかると見積もっています。
waste:廃棄物
 同形で動詞としても「無駄にする、浪費する」、形容詞としても「廃棄された」という意味で使います。
annually:毎年
(例)China’s GDP has been growing annually at about 10 percent.
  中国の国内総生産は年率約10%で増加を続けています。

世界中から海に流れ出るプラスチックが魚の食べ物になってしまうのは、G7でも問題にされたことのある「マイクロプラスチック」の問題と関わっています。マイクロプラスチックはどのようにできるのでしょうか?

When exposed to UV radiation, chemical degradation and the movement of the waves, this plastic breaks down into tiny pieces. Those smaller than 5mm are referred to as micro-plastics. The term also covers plastic micro-beads from personal care products.
紫外線放射と化学分解、さらに波の動きによって、このプラスチックは微粒子に分解される。大きさが5ミリ未満のものはマイクロプラスチックと呼ばれる。この用語の範囲はパーソナルケア製品に含まれるプラスチック微粒子も含んでいる。

radiation:放射
UV radiation:紫外線放射(ultraviolet radiation)
degradation:分解
 動詞degrade(低下する)は化学用語では「分解する」の意味になります。
break down:分解する(される)
referred to as:〜と呼ばれる
micro-plastics:マイクロプラスチック
personal care products:パーソナルケア製品
 たとえばシャンプー、石けん、化粧品、マニキュア液、洗顔クリーム、日焼け止めクリーム、体臭防止剤、練り歯磨き粉など、幅広い製品が含まれます。

マイクロプラスチックは海洋生物の体内に蓄積される他、有害な化学物質を濃縮させる特徴もあるため、マイクロプラスチック汚染対策は今や世界的な課題になっています。

しかし今回の調査での新たな発見は、プラスチックによって魚類の食物の好みが変えられてしまうということでした。

They all had access to zooplankton and yet they decided to just eat plastic in that treatment. It seems to be a chemical or physical cue that the plastic has, that triggers a feeding response in fish.
実験に使われた魚は動物性プランクトンも食べられる環境にあったが、それでも進んでプラスチックを食べた。プラスチックが化学的、物理的にきっかけを与える作用によって、魚の摂食反応を引き起こすと見られている。

have access to:〜を入手(利用)できる
(例)Minors should not have access to alcohol or cigarettes.
  未成年者がアルコールやたばこを手に入れられないようにすべきだ。
zooplankton:動物(性)プランクトン
cue:(動作を促す)きっかけ、思い出させるもの
trigger:〜を引き起こす
feeding:(食べ物などの)摂取
feeding response:摂食反応

アメリカではすでに有害性の観点から、プラスチック微粒子を化粧品やパーソナルケア製品に使うことが禁じられています。またヨーロッパでも禁止を求める声が高まっています。

今回の調査によって、そうした動きがさらに、また日本でも加速するかもしれません。

<関連サイト> スカイプ英会話を探すなら! | オンライン英会話比較360°

モバイルバージョンを終了