これがインターナショナル幼稚園の通信簿だ!

首都圏を中心にインターナショナル幼稚園やプリスクールがますます人気を博していますが、単に保育目的でお子さんを預けている場合と、完全バイリンガルにわが子を育て上げるべく預けている場合と、ご家庭によって英語熱の温度差に激しく開きがあります。筆者も娘二人を都内N区のインターナショナル幼稚園に預けているのですが、預けた当初はそこまで教育的にガツガツしていませんでした。よって、はじめて幼稚園から通信簿をもらったときは驚きました。そうか! ここは保育所であるだけでなく、教育機関なのだ! と急に意識した次第です。

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「通信簿」っていう名前なの?

いいえ、便宜上ここで「通信簿」と言っているだけです。幼稚園によって異なりますが、筆者の娘が通う幼稚園では「Year Report card」という呼び方をしています。実際にカードのような厚紙で、A4サイズのものを半分に折って使っていました。1学期ごとに(7月末、12月末、3月末に)この紙を担任の先生からもらいます。そのときに1家庭10分間の面談もあります。
幼稚園としてのスタンスはあくまで「report」なので、5段階評価のようなことはしません。大きく比重が置かれるのは、前学期に比べて自分自身にどのくらい進歩があったかです。クラスメートと比べて偏差がどのくらいあり、また自分が上中下のどの位置にいるのかといったことはフォーカスされません。娘の通う幼稚園では「A」「B」の2段階評価だけです。特に秀でた項目には、例外的に「A+(プラス)」という評価をつけることもあります。3学期になれば、項目によってはクラス全員が「A」を取得することだってあります。

どんな項目があるの?

日本の一般的な小学校であれば「国語」「算数」などの科目別評価のほかに、出欠席の日数や、給食を食べる早さやクラスメートとの協力体制、ほかに掃除や係へのコミットメントがどのくらいかなどについての記録もされますね。インターナショナル幼稚園では、以下のような項目が記録の対象になっています。(あくまで一例なので、世の中すべてのインタースクールがあてはまるわけでないことをあらかじめご承知おきください。)
●Educational
 Language / Math / Art / Music & Movement / Science / Social Studies
●Physical
 Gross / Fine
●Personal
 Having Fun / Behavior / Confidence / Following Class Rules & Routines
なお、出席日数や学期ごとに割り当てられた係名などの記載はありません。さらに、フリー記述欄が設けられており、ここには学期ごとに担任からの手書きコメントが添えられます。80~100語程度の英文です。(通信簿を問わず、ほとんどの書類において日本語は介在しません。)

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まず「Educational」では何をみられているの?

これが日本の学校の通信簿と一番親和性が高いと言えます。学力の面での成果や、タスクをこなすときの態度などが評価対象になります。では1つずつ見ていきましょう。

Language ― Speaking, Reading, Writing, Listening, etc
英語の運用力です。話す・読む・聞く・書くの4技能をどの程度身につけているかということです。クラス内で禁じられている日本語を生徒どうしで使っていれば、もちろんこの項目は評価が低くなります。運用能力だけではなく、英語オンリーの環境を保つ努力を本人がしているかどうかも大切な点だからです。

Math ― Shapes, Numbers, Patterns, Basic Computing, etc
さすがに幼稚園児ですから、計算はほとんどできません。算数といっても、スタートはまず「丸・三角・四角」などの図形の名前を覚えたりすることからです。年中さんになれば偶数と奇数の概念を習うので、「2 / 4 / ? / 8 / 10」などのように虫食いのクイズを教師側が用意して、「?」を正しく6と解答できるようになることを目標としています。

Art ― Drawing, Sculpting, Neatness, etc
子供たちの大好きなクレヨン・色鉛筆の「ぬり絵」に始まり、紙粘土をつまようじで彫ったりするなど、美術活動での評価です。「Art=美術」という響きが大げさでしょうか。作品制作という程度のものです。

Music & Movement ― Rhythm, Balance , Timing, etc
小さい子供たちならではの、いわゆる「リトミック」ですね。このころに習う音楽は座学にあらず、まして楽器練習のみにあらず。音楽に合わせてダンスしたり、表情を変えたりの”顔芸”も立派な音楽の授業です。楽しくPOPなのか。悲しくゆったりなのか、音楽のムードを正しく解しているかどうかも評価対象です。

Science ― Observation, Collecting, Communicating, etc
植物の種植えや水やりなどの成長記録とともに、落ち葉集めなどの活動です。グループ活動が多いため「Communicating」も問われます。

Social Studies ― Time & Change, People, Family, Environments, Countries & cultures, etc
時計の読み方や、自分をとりまく家族などのコミュニティーの概念、ほかに職業にはどんな種類があるかといったことを学ぶのですが、きちんと身につけているかどうかのチェックもプリントで定期的におこなわれます。たとえば環境問題について扱うときは、再利用のペットボトルやスチール缶・アルミ缶などの正しい分別も求められるので、家で母親が教えて子供だけでも実行できるようになっていればこの項目の評価が高くなります。実際にスクール内でも子ども自身に分別させて捨てるようにしています。

次に「Physical」では何をみられているの?

Gross ― Running, Jumping, Hopping, Hand-eye coordination, etc
体育のクラスだけでなく、ふだんの公園遊びなどを通して見られる運動能力が評価されます。この「hand-eye coordination」という言葉はスポーツを描写するのによくネイティブが使うのですが、目と手の反射的な協調関係を指します。この協調関係がよければスポーツは得意です。たとえば、目ではかった距離にもとづいて正しい位置でボールをキャッチしますよね。反対にこの「hand-eye coordination」が悪ければ、残念ながら運動音痴ということになります。サッカーボールを蹴ろうとしたら、足が空中を切ったなんて例がまさにそれです。

Fine ― Cutting circles, Holding utensils, Tracing, Coloring within lines, etc
いわゆる手先の器用さのことですが、大人が求めるレベルの器用さはここでは対象外としています。はさみを正しく持てない子も多く、安全に道具が使えるかどうかという点で評価の半分ほどを占めます。信じがたいですが、小さい子は自分の「利き手」を意識していないので、利き手と反対の手ではさみや筆を持つことも往々にしてあります。コップの水を移し替えるのに失敗したり、お弁当に入っているピックでおかずを上手に挿せなかったり、すべては道具の正しい持ち方に原因があるのです。

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最後に、「Personal」では何をみられているの?

Having Fun ― Playing with others, Enjoying work and play balance, Playing alone, etc
子どもらしく、はつらつと毎日の幼稚園生活が送れているかどうかがみられます。必ずしも友達と一緒に遊んでいなくても、ひとりの世界に没頭して何かを成し遂げようとする意志があれば、それは「having fun」であるとみなされます。

Behavior ― Responds to discipline, Respects teachers and other classmates, Kind and courteous, etc
クラス進行にあたり、妨害になるような態度をとっていないか、休み時間も友好的に周りに接しているかなどがみられています。またインタースクールでは教師の名前もファーストネームで呼びますが、だからといって友達のようになれなれしくしないで、「教師&生徒」の間柄をきちんと理解できているかどうかも大事な点です。

Confidence ― Raises hand at circle time, Willing to try new things, Isn’t afraid to ask questions, etc
ここでみられているのは自信でもあり、積極性でもあるということです。英語で正しく何と表現するのかわからなくても、自ら言葉を発することが習慣づいている生徒はここの評価も高くなります。

Following Class Rules & Routines ― Lines up, Responds first time to instructions, Understands when to sit and listen, etc
並ぶ、座る、立つ、などの担任の指示をパッと聞ける子は、ここの評価が高くなります。毎週決まった曜日に持ってくるものを常習犯のように忘れていたり、クラスの規律を乱す態度が続く場合には評価が低くなります。

わが子について、担任からのコメント

筆者の娘は5月生まれということもあり、体格にも恵まれて、そのせいかクラス内ではお姉さんぶっているようです。しかし、自ら手を挙げて意見を言うことができないタイプなので、クラス内の問題を率先して解決しようとするなんて意志はゼロ、でも担任が声をかけて聞きに行けばきちんと自分なりの答えは用意しているそうです。「Class leader には向いていないけれど、いつも静観して状況判断が優れているところがいいね!」なんて書いてくれていました。
これまで、英語教育を提供するところに筆者はある思い込みがありました。積極性がない子どもは評価されない、黙っていたら見向きもしてもらえない、などと先入観があったのです。日本人がモジモジしていることが国際的に高く評価されないからでしょうか。とにかく幸いなことに、あまりしゃべらない子にはその子なりの個性があり、その個性にきちんと目を配ってくれるスクールと我が家にご縁がありほっとしています。高い学費を払い続けてきたぶん「いつまで経っても英語ペラペラにならない」という焦りは確かにあるのですが、英語でのアウトプットが乏しいのは単に英語力だけではなく、個性もあって口数が少ないのだろうとも今なら思えます。

本稿でみなさんにお伝えしたかったのは、少なくとも娘の通っている幼稚園では「英語力」ばかりをバリバリ評価する通信簿ではないということです。インターナショナル幼稚園へ通うことを検討されている親御さんの参考になれば幸いです。

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