オーストラリアの小学校と日本の小学校の違いに見る、国民性の違い!

文化の違い
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オーストラリアは、緑が多くて、空が青くて、のびのびとしているので、小さな子供達がすくすく成長できる良い環境が整っています。確かにそう!筆者の住むクイーンズランド州、ケアンズは、さらに太陽が燦々と照っていて、のんびり子育てができます。
しかし、ケアンズ暮らしが長い筆者も、日本育ちですから、我が子をオーストラリアの小学校に通わせてみると、日本の学校と違うな〜と思うところが見えてきました。
オーストラリアの学校と日本の学校を比べながら、オーストラリア人の国民性が垣間見えますよ〜

入学式や卒業式のようなセレモニーがない

日本の小学校を思い浮かべると、4月には桜咲く季節に入学式、3月は卒業式、というようにいろいろな行事がございますでしょう?
オーストラリアの小学校には、入学式も卒業式もありません。記念すべき、小学生第1日目もフツーに授業の始まる時間に学校
に行きます。ですから、我が子を初めて学校に送り出す、お父さんお母さんも、いつもの短パン・タンクトップ姿で(ケアンズの場合 笑)、教室まで連れて行って、そこでバイバイです。記念写真を撮るチャンスもなく、慌ただしく授業が始まるのです。

同じく、始業式や終業式もないですし、学期の始め、そして終わりの1週間は、家族でホリデーに出かけて、学校のお休みプラス余分に1週間ほどホリデーにあてる家族も多いので、クラスの子どもたちの数がいつもより少なめです(笑)。
ホリデーを延長して学校を休ませちゃう親もオーストラリアらしいおおらかさがありますが、学校も学期末は、いつもの授業でなく、クラスのみんなで、学期末パーティとして、お菓子を食べながらビデオを見たり、運動会をやってみたり、早々に宿題も出なくなりますし、学校全体がおおらかです。
思えば、日本は、大人も子供も、「節目」が大好きですし、大切にしていますね。オーストラリアの人は、子供の頃からあまり「節目」を気にせず育っているので、大人になっても、「心新たに」というような清々しい物事のきちっとした始まりのない代わりに、「新入社員」とか「新人」などと、あまり気負うことなく自然と馴染んでいけるよさがあるように思います。

ときどき行事があるけれど、なんか違う

節目節目のセレモニーはなくとも、オーストラリアの小学校にも行事はあります。
例えば、運動会!でも日本の小学校とは、熱の入れようがなんだか違う…そもそも、運動会は、オーストラリアでは平日に行うものです。ですから、運動会に来られないお父さんお母さんもたくさんいます。
お昼ご飯も家族でピクニックのように食べるわけではなく、家族と食べてもよし、友達と食べてもよし、いつものランチタイムとあまり変わりません。日本では、運動会というと、それぞれの組が本気で戦って、たくさんの笑いあり、涙あり、の感動の思い出が思い浮かびますが、オーストラリアの運動会には、もっと「みんなでスポーツを楽しもう♪」というような雰囲気が漂っています。

日本の運動会では、何度も練習を重ねて、行進もみんな一緒に揃うまで練習!運動会の開会式だってキッチリ練習!そういう雰囲気は、オーストラリアの学校には皆無です。
先生が、厳しく整列、行進を指導することもないので、その分、先生は、上級生に指示をして、上級生が下級生をまとめていて、それはそれで、自主性があって微笑ましく思います。

時間通り、スケジュール通りに、しっかり練習した上で、整然と繰り広げられる日本の運動会。時間通りに始まることもないけれど、その分、スポーツを楽しむ和やかな雰囲気が感じられるオーストラリアの運動会。
どちらに良い悪いはないけれど、国民性ってこんな小さな小学生時代から培われているんだな〜、と筆者は常々感じながらみています。

休みの日は休むための日!

オーストラリアの学校も日本と同じく土曜日と日曜日がお休みです。きっと学校によって、先生によっても異なるとは思うのですが、普段、週に1回ほど宿題が出ます。でも、夏休みや冬休みなどの長期のお休みには、宿題が一切ありません。
日本だったら、学校がお休みの時こそ、習い事のスキルを上げるべく合宿に行ったり、勉強の遅れを取り戻すべく塾に行ったり、なかなか忙しいですよね、子供達も(笑)。しかし、オーストラリアの学校の長期期間のお休みの間は、習い事のお教室もお休みなんです(笑)。

オーストラリアの人は、休むチャンスは少しも逃しません!ですから、休み中、学校に行って、部活動をする、ということもありません。そもそも、学校のある期間も、日本のような放課後の部活動はありません。
ちょっとしたバスケットボールの会や合唱クラブ、のような活動はありますが、練習時間は、お昼休みです。放課後の部活動などしたら、先生も時間外労働になってしまいますものね。
しっかり、「時間内で仕事を終わらせる、オンとオフの切り替えは素早く、はっきりと!」の精神も子供の頃からしっかり養われているのだと思います。

時間通りに始まらない…

先ほどの運動会もそうですが、オーストラリアの学校では何事も時間通りに始まりません。
オーストラリアの学校では、親が朝も午後も子供達を学校まで送り迎えするのが普通です。でも、親がついていても時間通りに学校に到着できない子供達もいます。車で送り迎えをする人が多いですから、車を停める場所が見つからなかったり、道が途中で混んでいたり、といろいろな事情で 遅れてしまう子もいるのでしょう。
遅刻は、良いことではありませんが、やむなく遅刻してしまった人に負担を感じさせないおおらかさ、優しさがオーストラリア人にはあるのだと思います。
大人になってから、ホームパーティに行く時も、みんな約束の時間ぴったりには行きません。約束の時間ぴったりに行ったら、主催者がまだ準備であたふたして大変かもしれないから、少し遅れて行くのがちょうど良い、という相手への思いやりです。
「遅刻」をそんな風にふんわり考えられるようになったら、ピリピリせずにもっとリラックスしてすごせるのかもしれませんね…

しかし!時間通りに始まらないのに、帰る時間はキッチリ!なんです(笑)。筆者の娘の学校では、授業が終わったら、先生は、職員室に行きますから、放課後、子供達が教室に残っていたり、入れないように、先生が教室に鍵をかけて職員室に戻ります。放課後は、学童保育に行く子供以外は、速やかにうちに帰ります!
大人になってからもそう。街のお店で、オープン時間が17時までのお店だったら、それは、「17時までオープンしています」という意味ではなく、「17時には、店を閉めてうちに帰ります」という意味です(笑)。
ですから、16時50分にお店に入ると、シャッターが半分閉まりかけていて、早く済ませて出てってほしい感満点のお店も珍しくありません(笑)。

とにかく楽しくすることは良いことだ!

筆者の娘の学校入学前に、学校説明会に行った時のこと。もちろん、いつものごとく、時間通りには始まりません。夕方からの説明会だったので、仕事帰りの仕事着姿のお父さんお母さんも多いですし、いつものごとくタンクトップに短パンのお父さんお母さんもたくさんいます。
キッカリ時間通りに説明会が始まるのではなく、まずは、ボランティアの学校生徒が、ボランティアの学校生徒のお母さん手作りフィンガーフードとドリンクを持って、集まったお父さんお母さんに配ってまわります。その様子は、まるでホームパーティみたい(笑)。
さあ、ようやく説明会が始まり、校長先生がマイクを持ちます。そこで、校長先生がおっしゃいました。
「今日は、お忙しい中、お集まりくださってどうもありがとうございます。毎年同じ説明会ではつまらないかな〜と思って、今年はくじ引き大会をすることにしました!」
そう、フィンガーフードが配られる前に、学校資料とともに親には、くじ引き券が渡されていたのです。そして、学校の説明の前に、校長先生がくじ引きをして、あたり券を持っている親が景品をもらう、というくじ引き大会が始まりました(笑)。
日本だったら、毎年同じ説明会でつまらないのなら、より学校資料を充実させる、とか、先生による説明に力を入れる、とか、きっと、オーストラリア人とは違う方向に改善する努力をするのではないかと思うんです(笑)。
全ての改善は「楽しくすること」にある!
そんなオーストラリアの良さが感じられて、筆者も笑ってしまいました。

愛すべきオーストラリア人の国民性には、私たち日本人が見習うべき点もたくさんあります。もちろんきちんとした日本も素晴らしい!
小学生の子供を持つ親としては、極端にきっちりの日本と極端にゆるいオーストラリアの学校の中間地点はないものかねー、と思いながら過ごしています(笑)。

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