新生活に慣れる近道~地元のマーケット巡りは人の輪を広げるチャンス

海外で暮らす・働く
スポンサーリンク

海外に行ったら、地元のマーケットに足を運ぶのを楽しみにしているという人も多いのではないでしょうか。アンティーク・マーケットに、ファーマーズ・マーケット・・・出店者は厳選した魅力的なアイテムを様々に用意して訪問客の目を惹きます。
マーケットを覗く目的は必ずしも買物だけではありません。オープンスペースにズラリと並んだテントを気の向くままに巡り、地元の珍しい品を手にしながら店主のウンチクを聞いたり、値段交渉に興じてみたりと、自由でリラックスした独特の雰囲気は、商店での買物では味わえないもの。そして、目に留まった品物を介して始まる何気ない会話も楽しみの一つです。

ところで、フリーマーケットとは

フリーマーケットと聞いて「free」マーケットが思い浮かぶかもしれませんが、「蚤(ノミ)の市」と呼ばれる通り、「flea 」(ノミ)マーケットが正解です。
なぜ蚤の市と呼ぶのかについては諸説ありますが、これぞと定まったものはないようです。古物を扱うところから連想したのであれば、面白い発想ではありませんか? 屋外で開かれるこのようなイベントはfairとも呼ばれます。

最初が肝心:後悔しない買物のコツ

売り場に足を踏み入れると、非日常的な雰囲気と豊富な商品に圧倒されることでしょう。ワクワク感に引きずられて最初から買物を始めてしまいがちですが、後悔しない買物のコツは、マーケットの一番奥まで一通り覗いてから買物を始めることです。
売り場(boothまたはtable)を回って見ていくうちに品物を見る目が段々と肥えて来ますし、値段の相場も分かって来るからです。
でも、最初から目当ての物が決まっているならば、商品がまだたくさん揃っているうちに入手してしまいましょう。
午後になると品薄になってくるので、マーケットは早起きして行くのがお勧めです。

新鮮な食品を直接買えるのが嬉しいファーマーズ・マーケット

筆者の住む東アフリカ・タンザニア、ダルエスサラームでも、毎月最終土曜日にファーマーズ・マーケット(farmers’ market)が開かれています。農産品や農産物加工品が、生産者などから直接買えるのが魅力です。小規模農家を支援するプロジェクトに関わる出店者も多いので、「付加価値」のある買物が出来る点も、消費者の満足感を高めてくれるのです。

スーパーで見掛けない品々は、一体どこの町からやって来たのか興味が湧きますよね。

・Where are these items coming from?
(これらの品物はどこから来ているのですか?)
・Is it the best season / harvest season for  ◯◯ now?
(今が◯◯の旬/収穫期なのですか?)

変わった品物を見掛けたら、どうやって使うのか聞いてみると思わぬ発見があったりします。

・How can I use this?
(これは、どうやって使うのですか?)
・How do we eat / cook?
(どうやって食べる/調理するのですか?)
・Can I try some?
(ちょっと試食してもいいですか?)
・What is the ingredients?
(材料は何ですか?)
・How long can I keep this unopened?
(未開封でどのくらい持ちますか?)
・Do you have a small packet? I hope to try small portion this time.
(小さいパッケージのはありませんか? 今回は少量で試してみたいのですが。)

気に入った商品であれば、定期市を待たなくても購入出来ると嬉しいですよね。

・Where can I find your products? Do you have outlets?
(あなたの商品はどこで売っていますか? 販売店はありますか?)

当地のファーマーズ・マーケットは回を重ねるごとに規模が広がり、どんどん新しいvendor(販売業者)が増えています。オーガニックを掲げた出店者は断然人気があるので、オーガニック製品の種類や取り扱い業者も増えてきています。

ファーマーズ・マーケットと言っても、野菜や食品ばかりではありません。タンザニア産のオイルやスパイス、ミツロウなどを使った石けんやキャンドルなどの雑貨も売られています。
また、手作りのマフィンやクッキー、パンも買えるし、フレッシュジュースやコーヒーを飲むことも出来るので、週末の朝を過ごすのに最適です。

マーケットの出店者はどこも趣向を凝らした商品を取り揃えて当日に挑みますが、当地のマーケットで筆者が気に入っているうちの一つは、ヴィンテージの本を格安で売っているブース。
ファーマーズ・マーケットに出店しているだけに、レシピ本(cook books)限定で取り揃えているところがレシピ本好きの心をくすぐるのです。出店者は、「A Desk for Every Child(すべての子どもたちに机を)」をモットーに、子ども達の教育環境の改善のために尽くしている団体です。

ちなみに、筆者が前回購入したのは、1983年発行のcoffee-table book。
coffee-table bookとは、美しい装丁で比較的高価な大判のハードカバー本のこと。読書用というより、むしろインテリアの一部として居間のコーヒーテーブルなどの上に重ねて置かれているものです。外国のインテリアブックなどで見た記憶ありませんか。

アンティークやクラフトを扱うマーケット

ヴィンテージとアンティークの定義をご存知ですか? 20~30年以上経ったものはヴィンテージ、100年以上経過したものがアンティークと呼ばれます。

売り場を賑わす小物雑貨(tchotchkes / knick-knacks)に混じって、古物の中には高価な物もあったりします。品物にはむやみに触らず、「May I touch / hold this?」(これに触っても/これを持ってもいいですか?)とひと言、訊いてからにしておきましょう。

・I love the patina of silverware.
(銀製品の使い込まれた味わいは、何とも素敵ですよね。)

patinaとは、具体的には古い銅製品などに発生する緑色のサビ(緑青)のことですが、古物の「趣き・味わい」の意味もあります。

興味を示すと、店主が商品の説明をしてくれるでしょう。面白い話が聞けるかもしれませんよ。

・What does this serve for?
(これは何に使うものなのですか?)
・How old is this?
(どのくらい古いのですか?)
・What is this made of?
(何で出来ているのですか?)
・Where is the place of origin?
(元々は、どこの品物なのですか?)
・I prefer this one.
(こっち(の品物)の方がいいなあ。)
・Is this all you have?
(ここにあるのが全てですか?)
・Can I buy the piece separately?
(単品で購入することは出来ますか?)
・Can you advise me how to care?
(手入れの方法についてアドバイスもらえますか?)

休暇前のシーズンになると、当地でもクラフトマーケットがいくつも開かれます。子どもや女性、障害者などの支援などを目的としたソーシャル・ビジネス(social business)団体の出店が多いのが特色。もちろん、デザインも品質も、競争に耐える高レベルです。

Isn't it nice to be able to support vulnerable people while purchasing what you need?
(自分が必要としているものを買うと同時に、社会的弱者の支援も出来るというのは嬉しいことだと思いませんか?)

お得な買物のコツ

値段交渉が出来るような状況であれば、おしゃべりがてら試みるのも一案です。
単品ではディスカウント不可でも、まとめ買いなら交渉の余地が発生します。同じブースで複数の商品を購入すれば、「package deal」を持ち掛けることが出来るかもしれませんね。
特に、生鮮品を扱うブースであれば出来るだけイベント中に商品を売り切ってしまいたいと思っている筈です。

・Can I have any discount if I buy all these together?
(これらをまとめて購入したら、割引はありますか?)

「I bought this last time.」(前回これを買ったんですよ)、「It is very practical.」(すごく使えますよね)など、簡単なことから店主と会話を広げてみるのも良いでしょう。打ち解けた会話が出来ると、サンプルを試させてくれたり、お勧めを教えてくれたりするかもしれませんよ。

まとめ

新しい土地に着いたら、まず地元のマーケットに出掛けてみるのが、その土地を理解するための近道と言えるでしょう。地元の産品を知り、人々の気質を知り、新しい顔や味を覚えることが出来ます。出会った人と交わすちょっとした会話から、交流が広がることも珍しくありません。
気候の良い時期は、趣味と実益を兼ねて地元のマーケットを巡ってみてはいかがでしょう。

タイトルとURLをコピーしました