色を使った表現を交えて、会話に彩りを!

こんな時にこんなフレーズ
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「潔白」「腹黒い」「青春」などなど、色を使った表現は日本語でも身近にたくさんあります。もちろん、英語でも同様です。その中には、日本語と同じように使われている色もあれば、思わぬ意味を持った表現もあります。それらを覚えて実際の会話や文章で使ってみたら、遊び心に富んだ楽しいやりとりになるでしょう。
今回集めたフレーズは、いずれも身近に使えるものばかりです。ありきたりになりがちな日常会話に色彩を添えてみませんか。

赤色

日本語では、赤のイメージは恥ずかしさや情熱、怒りなどを示す色。さて、英語ではどうでしょう。

強い興奮で熱くなった状態は、正にそのまま「red-hot」と表現します。

・Today’s red-hot story is on the front page!
(今日の一番ホットな話題が一面に掲載されていますよ!) 

恥ずかしくて赤くなるときは、

red as beetroot「ビーツのように赤い」

と言います。
ビーツは赤黒く、カブのような形の根菜。中身は鮮やかな赤紫色をしており、その甘い味はスイートコーンやニンジンを凌いで最も甘い野菜と一つと言われています。ビーツを調理をした後は手先が真っ赤になり、その色は数日間消えずに残るほどです。茹でても良いですが、オーブン焼きにすると味が凝縮してとても美味しい野菜です。

そのような強い赤い色素を持つビーツ(ビートルート)を用いて、恥ずかしさで顔が赤くなることを「go beetroot」と表現します。

・He went beetroot when he was asked his name.
(彼は名前を呼ばれて赤くなった。)

それと似た表現に「go red」というのもあります。「赤くなる」のは、恥ずかしさのためである場合もありますし、日焼けしたというときもgo redが使えます。

・I went red as soon as I found her at the corner.
(街角で彼女を見掛けた途端、私は赤くなってしまった。)
・After half an hour of sunbathing, my skin went completely red.
(30分陽に当たったら、肌がすっかり焼けてしまった。)

赤色は英語でも「恥ずかしさ」を示す色なのが分かりました。

・The student became red in the face when his error was appointed in front of all.
(他の生徒たちの前で間違いを指摘されて、その生徒は顔が真っ赤になった。)

そして、日本語でも「赤字」というように、赤はお金が足りない状況を表す色なのも共通です。

・red cent(僅かなお金)
・in the red(赤字に向かっている状態)
・red ink(赤字)
・out of red(赤字から抜け出す!)

でも、こんな面白い表現もありますよ!
red herringとは、燻製のニシンのこと。でも、「本題から目をそらせるもの、ミスリードするもの」という意味を持っています。キツネ狩りに使う猟犬の嗅覚を訓練するのに、燻製ニシンが使われたことから来ています。

・Scatter some red herrings around.(誤解に導くような事柄を、いくつも散りばめる。)

ところで、アカデミー賞授賞式など権威ある式に参加することを「レッド・カーペットの上を歩く」と言ったりしますよね。「red carpet」とは、特別な公式行事のときに迎える招待客に歓待の意を表して敷かれる赤いカーペットのこと。
そのような特別待遇のことを「red-carpet treatment」、そして、そのような待遇を行うことを「roll out the red-carpet」(レッド・カーペットを広げる)と言います。

・I received a red-carpet treatment.
(上等の待遇で迎えられた。)
・The red-carpet was rolled out for the newly elected mayor by the citizens.
(新しく選ばれた市長は、市民に歓迎を持って迎えられた。)

白と黒

white elephant「白い象」と聞いて何が思いつくでしょうか? 「持っているには場所を取るし、コストもかかるため厄介な代物」という意味なのです。筆者の住むタンザニア・ダルエスサラームでは、毎年、White Elephant Saleというチャリティーセールが開かれ、数々の出店やイベントで大盛況の一日になります。

「白」を使った表現をいくつか見てみましょう。

whiter than white:「白より更に白い」

とは、つまり清廉潔白、純真無垢という意味です。

・She behaves like she is whiter than white.
(彼女はまったくもって一点の濁りもない善人のように振舞っている。)

日本語でも物事をはっきりさせることを「白黒付ける」と言いますね。英語も同様、はっきりと明白な状態を「black and white」と言います。

・His statement is as clear as black and white.
(彼の言うことは明白で、疑念の余地がない。)
・Things were not as black and white than as expected.
(コトは思ったほど簡単ではありませんでした。)

そして、どっちつかずの状態をグレーゾーン(grey zone またはgrey area)という点も日英同様ですね。

black and whiteは、「白黒写真」「白黒テレビ」つまりモノカラー(単色)というときも使いますが、警察の車のことも車体の色になぞらえてblack and whiteと呼ぶのですよ。
なお、パトカーの色が青と白の国では、blue and whiteになります。

・A black and white was slowly passed by.
(パトカーがゆっくりと通り過ぎた。)
pretend / say that black is white(黒いものを白と言う)

という表現も分かり易いですよね。本当のことと違うことを口にすることです。

・The lady insists that black is white to conceal the fact.
(女性は真実を覆い隠すために、事実と反対のことを言い張った。)

よく、世の中には「良い嘘」と「悪い嘘」の2種類があるなどと言われますが、いわゆる「良い嘘」の方がwhite lieと言われています。悪意がないことを更に強調するときは、「little white lie」と言ったりもします。

ファッションにおいて、黒は特別な存在です。
「LBD」とも表されるLittle Black Dress。黒いシンプルなワンピース、すなわち「リトル・ブラック・ドレス」は、お洒落な女性のワードローブに欠かせない定番アイテムとされています。そのように、黒は常に流行を超越した色であることから、流行の最先端のことを「the new black」(新たな黒)と呼んだりします。

・What is the new black at the moment??
(今の流行りは何??)

ファッションの次は、宝石貴金属について触れましょう。
「黒いダイヤモンド」と呼ばれた石炭(coal)は、black diamondと呼ばれて盛んに採掘され、近代産業を支えて来ました。ではblack goldと来たら何でしょう?
黒い色とその価値の高さから、原油(crude oil / crude petroleum)のことをそう呼びます。

・Huge black gold deposit was confirmed.
(多量の原油の埋蔵が確認された。) 

青色

青は「変わらぬもの」の象徴。「信頼出来るもの、真実」をTrue blueと呼びます。

・She is true blue.
(彼女は信頼出来る人です。)

そう言った意味からでしょうか。1961年のアメリカ映画、オードリー・ヘプバーンの代表作の一つ「ティファニーで朝食を」(Breakfast at Tiffany’s)でも知られるニューヨーク5番街の宝石店「ティファニー」のsignature color(イメージを喚起させる色)には青色が使われています。Tiffany Blueとも呼ばれるその優しく上品な青は、コマドリの卵の色(robin egg blue)でもあります。コマドリ(European robin)はイギリスの国鳥(national bird)になっています。

そして、青といえばもちろん空。空は「無限」の象徴ですよね。

「Sky’s the limit」という表現があります。空に限りがないように、何の制限も制約もないという意味です。同じような発想になりましょう、常識の枠にとらわれない考え方を「blue-sky thinking」と呼びます。

・Their blue-sky thinking is what makes them call innovators.
(常識を超越する彼らの考え方こそが、彼らがイノベーターと呼ばれる所以(ゆえん)です。)

そんな空から突然何かが飛び出て来れば、びっくりする訳です。out of the blueまたは(come) out of a clear blue skyで「まったく突然に」という意味になります。
夜空に「青い月」を見ることが出来るとすれば、それはかなり稀なこと。once in the blue moonで「すごく稀、滅多にない」という意味になるというのは、聞いたことがある方も多いのでは。

最後にご紹介するのは「caught between the devil and the deep blue sea」。
「悪魔と、青く深い海の間に挟まった」というちょっと詩的なこの表現の意味するところは、「身動き出来ない、マズい状態」を表しています。

・I don’t want to get caught between the devil and the deep blue sea!!!
(苦境に立たされるなんてゴメンです!!!)

まとめ

色を使った表現はたくさんありすぎて、今回4色しかご紹介出来ませんでした・・・。が、どれも理由を知ると、ナルホドと頷けるものばかりで面白いですよね。続きは是非、またの機会に!

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