応用がきく!outを使った動詞フレーズ

こんな時にこんなフレーズ
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英語には「動詞 + 前置詞」「動詞 + 副詞」でできている慣用表現(「熟語」または「句動詞」と呼ばれますが、ここでは「句動詞」に統一します)がたくさんあります。

句動詞を作る前置詞、副詞でよく使われるのは、すぐ思いつくだけでも

 in、on、up、down、out、at、with、for、about、from、through

など、中学校で習うようなものがたくさんありますね。動詞とこのような基本語が結び付くと、元の動詞の意味がさまざまに広がります。またそうした言い回しは実際の英会話や文章で頻繁に使われています。

中でも up と out は句動詞で特によく使われ大活躍する、いわば両横綱とも言える存在ですが、今回は “out” の付く表現をまとめてとり上げます。

outの基本的な2つの意味

out の基本的な意味は、(1)外に出る/出す(離す)、(2)外にある、の2つです。どちらにしても、ある空間(範囲)の「中にない」という点では共通していますが、この2つを分けて考えると、out の使い方がすっきりとわかります。

「外に出る・分離する」の意味のグループ

・come out of

He came out of his bedroom when we were having lunch.
彼が寝室から出てきたのは私達が昼食を取っている時だった。

この意味の out では「外へ」という動作があるので、どこから外に出るのかを示すために、多くの場合「〜から」という意味の前置詞(of、from など)と一緒に使われます。

次も come out の例を見て下さい。

Sales of computers finally came out of a slump.
コンピューターの販売がようやく持ち直した。

これは、コンピューターが売れていない期間(状態)を脱したということですね。最初に「空間(範囲)の中にない」と言いましたが、このようにベースとなるのは必ずしも物理的な空間(範囲)に限らず、まとまった時間や状態・状況のこともあります。

A car came out of nowhere and swerved into our lane.
車が突然現れて、私の車線に入って来た。
This rain came out of nowhere.
突然雨になった。

この2つの文では、空間(範囲)と言ってもそれが nowhere(どこでもない)という場所になっていますが、この come out of nowhere は「突然現れる」という意味になります。

・pull out of

The train pulled out of the station.
列車は駅を出た。

列車が駅の構内から出て行くということです。これと似た言い方に pull away from がありますが、away from だとずっと先に遠ざかっているのを見ている感じですが、out of は駅の構内から出て行く感じです。

It is the sign that the country may be pulling out of the recession.
それは国が不況を脱しつつあるかもしれないというきざしである。
The government is pulling the country out of the recession.
政府は国を不況から立ち直らせつつある。

この2つの例は同じような意味ですが、pull が自動詞でも他動詞でも使えることがわかります。上の文は列車の例と同じで、主語(国)が不況「から離れていく」という文で、下の文は目的語(国)を不況「から離す」という文になっています。

・hand out

They handed out flyers all day.
彼らは終日ビラ配りをした。</pre

この out は「外に出す」から「配る」の意味になっています。もともと用意して(貯えて、腕に抱えて)いたものを外に出して配る(配分する)ことを表します。同じように out を使っている例を2つ見てみましょう。
The waiter carefully laid out the cutlery on the table.
ウェイターはナイフやフォークをていねいにテーブルの上に並べた。
He spread out repayments over twenty years.
彼は20年に渡って返済を続けた。

2番目の例は、決まった金額を決められた回数に「配分して」返済するという意味合いです。

・turn out

We turn out energy-efficient products at a smallest cost.
当社はエネルギー効率の良い製品を最小のコストで生産します。

今度は、out が「生産する」の意味になる使い方です。これも基本の意味は「外に出す」なので、out の持つ「配る」と「生産する」の意味は同じ発想です。別の動詞と結びつく例もあげてみます。

The company plans to bring out a new model.
その会社は新しいモデルを出すことを計画している。
Her new book has just come out.
彼女の新著は出版されたばかりだ。

2つ目の come out では、 out が「生産された」の意味を与えています。

「外にある」の意味のグループ

・eat out

They made it a rule to eat out once a month.
彼らは月に1度外食することにした。

朝ドラ「とと姉ちゃん」の家族のような話ですが、「外で」食べるという使い方です。eat の代わりに dine(外食する)を使って

We dined out at a restaurant in Harajuku.
原宿のレストランで外食した。

違った種類の動詞と結びつく例は、

Let's camp out this weekend.
週末にキャンプをしよう。

これら3つの例はどれも、ふだん暮らしている家という空間を出て「外で」食べたりキャンプをしたりするという意味を out で表しています。

・make out

I can't make out what the words on that sign say. 
その看板に何と書いてあるか判読できない。

「外にある」という意味から、そこにあるものが「見える」、それが「気づかれる」というように out の意味が広がった使い方の例が、この make out です。

His silhouette stood out against the curtain.
カーテンに彼の影が浮かび上がった。

これも、影がくっきりと見えるのは周りから外見的「離れて」いるということで、それを out が表している例です。

では、次の2つの文を比べてみてください。

Where did you find him?
どこで彼を見つけたのですか?
How did you find out my password?
 僕の(使っている)パスワードがどうしてわかったの?

1番目の文の find は、単に何か(物や人)があるのを「見つける」という意味ですが、2番めの文の find out は、数限りなく可能性がある文字列全体の中から、特定のパスワードを「判別する」「認識する」という意味で、out があることによってこの意味になっています。

仮に2番めの文から out を外して

How did you find my password?

とした場合、あえて言えば、どこかにメモしてあったパスワードを見つけたという状況になるでしょう。

今回は、out の2つの基本的な意味と、それが動詞と結びついてどういう働きをするかをご紹介しました。

個々の句動詞と例文は身につけてほしいと思いますが、同時に out のイメージを理解していただければ、他の動詞に付いた時にも応用できます。英語の理解と運用力のアップにぜひ役立ててください。

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