簡単な単語の使い分け~seeとlook atとwatchはどう違うのでしょうか

単語・フレーズ
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簡単な表現なのに、どの単語を使うのがふさわしいのか迷ってしまうことがあります。
日本語でも「聞く」と「聴く」は少し意味が違うように、英語でも場面に応じた正しい単語を使う必要があります。いくつか例をあげて見てみましょう。

see、look at、watch

どれも「見る」と訳せますが、どう違うのでしょうか。

seeは目を開けていれば何かが見えるということです。意図していなくても目を開けていたので見えていたという感じです。ですから非常に幅広く使えます。
見る全般を指していますから、次に説明するlook atやwatchの意味するところを含んでいるのです。さらに、知るとか会うなどの意味も持っています。

look atは意識を込めて見るという意味です。
中学校でこの単語を習うときは、look at the blackboard!なんていうふうに教わったことを覚えていますか。目を開けてしっかりと黒板に書いてあることを見なさいという意味です。
Look at you!という表現がよく使われます。いつもと違うことを賞賛する表現です。
髪を切っておもいきってヘアスタイルを変えてきたお友だちに向っていったりします。
「あら、見て見て!ステキよ。よく似合っているわ。」っていうような意味合いです。

watchは動いているものを見るという意味です。テレビや映画などの動く映像を見るときに使う単語です。

I will leave office at 6PM sharply because I want to watch a football game of Brazil versus England on my TV.
「テレビでブラジル対英国のサッカーを見るから6時ちょうどに絶対帰るよ。」

Listen to、hear、ask

聞くはどうでしょう。

listen to
人の話や歌声に耳を傾けることです。授業中に先生の話を聞くの聞くはこのlisten toです。

Boys and girls, listen to me.
「みんな、私の話を聞きなさい。」

hear
聞いて知ることを意味します。
マイクを通じた音声あるいは電波に乗って流れてくる音楽を聴くときはこの単語です。

Everybody, can you hear me?
「みんな、私の声が聴こえてるかい?」

ask
これは尋ねる、質問するあるいは依頼するという意味です。かならずしもその答えを耳で聞くとは限りません。書いたものを渡されるかもしれませんから。
非常に幅広い「訊く」という意味を持っています。

shipdeliverは、
品物を輸送するときに使う単語です。

shipは出荷です。
deliverは配送、配達です。
倉庫から出荷(ship)して、目的地に配送(deliver)するということになります。

transportは出荷も配送もすべて含んで、さらにはモノだけではなく人の移動なども含めた、輸送、運送という意味になります。

問題としての problem、issue、matter

problem
放置しておけない社会的なあるいは影響の大きいそして解決の難しい問題を意味します。
試験の問題という意味もあります。

There are many problems between two countries, Japan and USA.
「日米間には多くの問題が存在する。」

matter
個人的に懸念されていることといった意味になります。

What's the matter?
「何が問題なの?(どうしたの?)」
It doesn't matter which girl you love.
「君がどの子を好きでもかまわないよ。」

この場合は動詞としての例を挙げました。

issue
議論して解決するべき問題のことです。議題ということばもあてはあまります。

Inflation is still a large issue in current Japanese economy.
「インフレはいまだに現在日本経済の大きな問題だ。」

speak、 talk、 tell

どれも話すなのですが、どう使い分けたらいいでしょう。
speakは口から言葉を発することです。一方的に話しているときのことを指します。
演説などが当てはまります。

I can speak English.
「私は英語を話せます。」

名詞になるとspeechです。

talkは会話です。
二人以上の人がお互いに話し、そして聞くという状態です。

We talked about our favorite restaurants.
「私たちはお気に入りのレストランについて話した。」

tellは語る、教える、伝えるという意味です。

Please tell me what you heard from your mother.
「お母さんになんて聞いたのかいってごらん。」

than

thanそのものではなく、thanの後にはどういう単語がくるべきかということについてです。
「彼は私よりも背が高い」の英文としては、次のセンテンスのどちらが正しいでしょうか。

A) He is taller than I.
B) He is taller than me.

どちらが正しいかといえばA)です。しかしネイティブの会話においては、90%以上B)の表現がされています。どのように覚えておけばいいのでしょうか。

そのとおり覚えてください。
「文法的にはA)が正しいのですが、アメリカ人の友人との会話ではB)の表現を使ってもいいのです。」と。
日本人にとっては少々ややこしいことですが、そのとおりなのでしょうがないのです。
文法的に正しいのはA)だということはアメリカ人でも、つまりネイティブの人々も理解しています。なぜならば、thanは接続詞ですから。

このセンテンスでは主節と接続詞than以下の副詞節において何かを比較しているわけです。
A)、B)それぞれにおいては彼と私の背丈を比較しています。
He is tallとI am tallを比較しているわけです。
A)をthan以下を省略することなく表現しますと、He is taller than I am tallとなります。
直訳しますと、「私が背が高いよりも彼はより背が高い」となります。
実際は後半のbe動詞とtallは省略されてしまいます。
ではなぜB)の表現がありうるのでしょうか。

それは、いかに文法的に正しいこととはいえ、主格のIがセンテンスの終わりにあるのはなんとも違和感があり、そこでここでは目的格であるmeとしたほうが自然じゃないかという考えによるものです。私たちは中学校のときに教科書で、A)の表現を習います。当然それが正しいものとして覚えます。試験に出たとしたら、そう書かなければ間違いとなります。違和感のあるなしまでは考え付きません。ですからA)が正しいのだと覚えておいていいのです。
仮に、アメリカ人のJimとの会話でA)の表現を使い、JimからそれはおかしいよB)だよ、といわれたときは、「ああそうなんだ、これからはそういうよ。」といっておきましょう。
日本の学校でB)の表現は習わなかったとしても、それは実際の英語の世界では使われる表現なのだと認識しておけばいいことだと思います。

もうひとつ、thanは前置詞であるという考え方もあります。
前置詞であればそのあとに名詞の目的格、この場合はmeがきても問題ありません。Web上の辞書としてよく使われる「weblio」においてもthanの説明として、接続詞であるだけではなく前置詞であるともされています。そうであるならばますますB)の表現もありえることになります。
英米の文法書においても、B)でも間違いではないが、フォーマルな文章においてはA)とすべきであるという記述が一般的なようです。
場面によって使い分けるようにしましょう。
つまり、Jimとの会話ではB)を、特にフォーマルな記述を要求される文章を書く場合はA)を使用するのです。
少々ややこしいthanのお話しでした。

終わりに

簡単な表現なのに、どの単語を使うべきか迷ってしまうことがあります。
それぞれの単語の意味をよく理解して、正しく使えるようになるといいと思います。

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