難関大学の入試問題~長文の要約(2018年東京大学入学試験問題)

今回ご紹介するのは、2018年東京大学入学試験問題です。
提示された英文を読んで、要旨を70字から80字の日本語にまとめよ、という問題です。

英文自体はそれほど難しくはないのですが、抽象的な表現が多く、その主旨を把握するのは容易ではありません。
そして実際には「表現の自由」とか「人間の心理」などにかかわるとても難しい問題を提議しています。要旨をまとめるにも、細かなところまで内容を読み取る必要があるようです。
まずは、問題の英文を和訳することからはじめて見ましょう。

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Rumours 噂

Rumours spread by two different but overlapping processes : popular confirmation and in-group momentum. 
The first occurs because each of us tends to rely on what others think and do. 
Once a certain number of people appear to believe a rumour, others will believe it too, unless they have good reason to think it is false. 
Most rumours involve topics on which people lack direct or personal knowledge, and so most of us often simply trust the crowd. 
As more people accept the crowd view, the crowd grows larger, creating a real risk that large groups of people will believe rumours even though they are completely false. 

噂は二つの異なるが重なりあう過程により広がる。
その二つとは、「大勢が認めあうこと」と「特定の集団の推進力」である。
最初のもの「大勢が認めあうこと」は我々一人ひとりは他人が考えることやなすことを信じがちだということから発生する。
一旦何人かの人々がある噂を信じはじめると、他の人たちもまた、それが真実ではないと考えるに足る理由がない限り、それを信じるであろう。
ほとんどの噂は人々が直接的また個人的に知識を持ち合わせない話題にかかわっていて、そして我々のほとんどは単純にその大勢を信頼する。
より多くの人々がその大勢の見解に同意するとき、それらの噂が完全に偽りであるとしても、大きな集団が噂を信じるようになるという本当の危険を生じながら、その大勢というものははさらに巨大化する。

– popular confirmation:多くの人々による確認、大勢がそうだと認めること。

– in-group momentum:特定の集団によるはずみ、勢い、推進力。

– rely:受容する、信じる、依存する。

DMEメソッド

In-group 特定の集団

In-group momentum refers to the fact that when like-minded people get together, they often end up believing a more extreme version of what they thought before.
Suppose that members of a certain group are inclined to accept a rumour about, say, the evil intentions of a certain nation.  
In all likelihood, they will become more committed to that rumour after they have spoken to each other.
Indeed, they may move from being tentative believers to being absolutely certain, even though their only new evidence is what other members of the group believe. 
Consider the role of the internet here: when people see many tweets or posts from like-minded people, they are strongly inclined to accept a rumour as true.
What can be done to reduce the risk that these two processes will lead us to accept false rumours?
The most obvious answer, and the standard one, involves the system of free expression: people should be exposed to balanced information and to corrections from those who know the truth.
Freedom usually works, but in some contexts it is an incomplete remedy.
People do not process information in a neutral way, and emotions often get in the way of truth.
People take in new information in a very uneven way, and those who have accepted false rumours do not easily give up their beliefs, especially when there are strong emotional commitments involved.
it can be extremely hard to change what people think, even by presenting them with facts.

特定の集団による推進力とは、同じような考えを持つ人たちが集まると、その人たちが従来考えていた以上に極端な考え方をするようになりがちであるという事実を指している。
ある集団の人々が、たとえば、ある国の邪悪なたくらみについての噂を受け入れようとすると考えてみよう。
たぶん、彼らはおたがいに話し合った後に、その噂をさらに現実問題と考えるようになるのだ。
なにか新たな証拠はそのグループのメンバーが信じている何かというだけでも、実際に、彼らはちょっとそう思っていたという程度から絶対確信的に信じるようになるようだ。
今日のインターネットの役割を考えてみよう。
同じような考えを持つ人の多くのツイートや投稿を目にするとき、彼らは噂を真実であると強くみなすようになる。
このような二つの過程がわれわれに偽りの噂を受け入れさせてしまうという危険を低減するにはどうすればいいのか?
もっとも明解な答えはそして標準的な答えは表現の自由という制度にかかわってくる。
人々は偏りのない情報や事実を知る人による訂正を与えられるべきなのだ。
自由というものははたいていいきわたっているがしかしある状況の中ではかならずしも完全に正しい役割を果しているとはとはいいがたい。
人々は情報を偏りなく見ようとしないし、そして感情は真実を妨げてしまう。
人々は偏ったかたちで情報に接するし、そして偽りの噂を信じた人は簡単にはその噂を信じることをやめない、特に感情的にかかわっているようなときは。
人々の考えを変えるのは困難だ、仮に事実を示してあげたとしても。

– In-group:特定の集団。

– like-minded:同じような考えを持つ。

– inclined:傾倒する、~したくなる。

– In all likelihood:たぶん、十中八九。

– the system of free expression:表現の自由という制度。

– remedy:治療薬。

– emotion:感情。

– get in the way:邪魔する、妨害する、阻止する。

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解答例

設問に対する解答を考えてみますが、70から80字の日本語とはほんのわずかな文字数です。問題文の本当のエッセンスを抽出しなければなりません。

いくつかの解答例を作ってみました。

「人は大勢に影響されやすく、特に情報化がすすんだ現在ではそれが顕著であり、一旦何かを信じてしまうと容易にはそれについての考えを変えることはできなくなるものだ。」
(78文字)

「人は必ずしも偏りなく情報に接するものではないのであり、いかに表現の自由が重要だとはいえ、偏見のない情報、偽りのない正しい情報が発信される必要がある。」
(74文字)

「人の考え方は偏っているものであり、それを修正するのは非常に難しい。表現の自由のもとにあっても偏見なく正しく修正された情報を与えられなければならない。」
(74文字)

「表現の自由が侵されることになったとしても正しい情報を伝えなければならない。それほど人が一旦信じた誤りを訂正するのはとても難しいことなのである。」
(71文字)

まとめ

今回紹介した入試問題は、読み取った内容を、わずかな文字数に要約するという問題でした。

最初の文が、噂を広める二つの方法は・・・となっていますので、その二つのことを理解するのが重要なのかと考えながら読んでしまいますが、読み進むにつれて、指摘されているのは、人間がいかに誤った情報を受容しがちであるかといったことや、そうならないためにどうすべきなのかということなのだと分かってきます。
表現の自由を否定するとはいっていませんが、誤った情報が広まる一因となっているということをいっているようでもありますね。

単純に英文の長文を和訳することを超えて、論旨を汲み取り、わずかな日本語の文字数で、表現しなおすということを要求される問題は、とても難易度の高い問題ですが、いずれにしても与えられた英文をしっかりと読みこなすことが大事です。どんな問題であっても、正確な英文解釈を心がけましょう。

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