アメリカ合衆国憲法を読んでみよう~8

アメリカ合衆国憲法のひとつの特徴ともいえます修正条項を読んでいきたいと思います。

今回は権利章典(人権保障規定)、Bill of Rightsと呼ばれています修正第一条から修正第十条までです。これまで読み進めました第一章から第七章までは連邦議会、大統領、裁判所、連邦、といった統治の機構に関する規定がほとんどでした。市民の権利についての規定がないということで、実はこの憲法の制定や批准に反対する意見も非常に多かったのです。

しかし議論の中で、できる限り速やかに、第五章に規定された「改正」により、市民の権利についての規定を追加するという了解が得られたことで、1787年の制定、そして翌1788年の成立しました。憲法の規定に基づく第一回目の連邦議会が1789年に開かれ、憲法修正条項としてこの権利章典が審議され可決し、1791年に成立に必要な批准が得られました。

そうであるにもかかわらず、現在においてはあまりに当然な市民の権利、基本的人権の規定ですが、18世紀においては、まだ不要であるとする考えも根深かったようです。ですから、この規定は各州には適用されないという解釈もなされ、この権利規定は全州に適用されると認識されるには1868年の修正第十四条の成立を待たなければなりませんでした。
それでは修正条項を読んでいきましょう。

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First Amendment 

Congress shall make no law respecting an establishment of religion, or prohibiting the free exercise thereof; or abridging the freedom of speech, or of the press; or the right of the people peaceably to assemble, and to petition the government for a redress of grievances.

修正第一条
連邦議会は以下の立法をなし得ない。国教を規定すること。信教の自由を禁止すること。言論あるいは出版の自由を制限すること。国民が平穏に集会する権利や苦痛の救済を政府に請願することを制限すること。

– establishment of religion :国教を定める。

– abridge :弱める。

– assemble :集合させる。

– petition :請願する。

– redress :原因を取り除く。

– grievances:不満、苦情、憤り。

Second Amendment

A well regulated militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear arms, shall not be infringed.

修正第二条
十分に訓練された民兵は、自由な国家の安全に必要であり、国民が武装する権利は侵されることがない。

– infringe:侵害する。

– このセンテンス:アメリカにおける銃器による事件の発生のたびに注目されている条項です。

Third Amendment

No soldier shall, in time of peace be quartered in any house, without the consent of the owner, nor in time of war, but in a manner to be prescribed by law.

修正第三条
平時において所有者の承諾なしにいずれの家屋にも兵士を宿泊させることはできない。戦時においても法による規定によらない限り同様である。

– quarter :宿営する。

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Fourth Amendment

The right of the people to be secure in their persons, houses, papers, and effects, against unreasonable searches and seizures, shall not be violated, and no warrants shall issue, but upon probable cause, supported by Oath or affirmation, and particularly describing the place to be searched, and the persons or things to be seized.

修正第四条
身体、家屋、書類、動産に対する不合理な捜索、押収から守られる権利は侵してはならない。宣誓あるいは確約に基づく適正な理由、捜索される特定された場所、抑留、押収される人物やものが明確にされない令状は発行できない。

– effect:動産、私財、個人資産。

– searches :捜索。

– seizures :差し押さえ、押収、没収。

– warrant :令状。

– probable :確からしい。

– seize:差し押さえる、押収する。

Fifth Amendment

No person shall be held to answer for a capital, or otherwise infamous crime, unless on a presentment or indictment of a Grand Jury, except in cases arising in the land or naval forces, or in the militia, when in actual service in time of war or public danger; nor shall any person be subject for the same offence to be twice put in jeopardy of life or limb; nor shall be compelled in any criminal case to be a witness against himself, nor be deprived of life, liberty, or property, without due process of law; nor shall private property be taken for public use, without just compensation.

修正第五条
大陪審の告発または起訴手続きによらなければ、何人も死刑を科しうる罪、あるいは風紀を乱す罪、を負わされることはない。戦時あるいは公共の危機における実際の軍務に従事しているときに陸海軍、民兵団内にて発生した犯罪は除く。何人も同一の犯罪について二度生命、身体を危険にさらすことはない。何人も刑事事件において自己に不利益となる証言を強要されない。何人も適正な法手続によらずに生命、自由、財産を奪われない。何人も正当な補償なく私有財産を徴用されない。

– answer for:罪を負う。

– a capital crime:死罪。

– an infamous crime:破廉恥罪。

– presentment:大陪審の告発。

– indictment:起訴、告発、起訴状。

– offence :犯罪。

– jeopardy :危険。

– limb :手足、四肢、身体。

– compel :強いる、強要する、強制する。

– deprive :奪う、拒む。

– compensation :代償、補償、報酬。

Sixth Amendment

In all criminal prosecutions, the accused shall enjoy the right to a speedy and public trial, by an impartial jury of the State and district wherein the crime shall have been committed, which district shall have been previously ascertained by law, and to be informed of the nature and cause of the accusation; to be confronted with the witnesses against him; to have compulsory process for obtaining witnesses in his favor, and to have the assistance of counsel for his defence.

修正第六条
すべての刑事上の訴追においては、被告人は迅速かつ公開の裁判を受けることができ、それは法により定められるその州の公平な陪審によるものでなおかつ犯罪がおこなわれたとされる地区にて行われる。
被告人は訴追の性質と理由を告知される。不利な証言をする証人と対峙できる。有利な証人を強制的に出頭させることができる。防御のために弁護人を依頼できる。

– prosecution:公訴。

– accused :被告人、被疑者、告発された人。

– enjoy :享受する、利益を持つ。

– impartial :公平な、偏らない、公明正大な。

– ascertain :確かめる。

– accusation :告発、告訴、罪状。

– confront :向かい合う、対決する。

– compulsory process :強制的喚問手続き、強制召還手続き。

– assistance of counsel :弁護士の補佐。

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Seventh Amendment

In suits at common law, where the value in controversy shall exceed twenty dollars, the right of trial by jury shall be preserved, and no fact tried by a jury, shall be otherwise re- examined in any court of the United States, than according to the rules of the common law.

修正第七条
判例法による訴訟において、訟額が20ドルを越える場合は陪審員による裁判の権利は維持される。陪審により認定された事実は判例法の準則によらない限り合衆国内のいかなる法廷においても再度審議されることはない。

– suit:訴訟

– contsoversy:議論、論争、討議。

– preserved :保持、維持。

Eighth Amendment

Excessive bail shall not lie required, nor excessive fines imposed, nor cruel and unusual punishments inflicted.

修正第八条
過大な保釈金、過大な罰金、残酷:で異常な刑罰は科されない。

– excessive :過度の、過大な、極端な。

– bail:保釈金。

– cruel :残酷な、冷酷な、無慈悲な。

– impose :負わせる、課する。

– inflict :負わせる、課する。

Ninth Amendment

The enumeration in the Constitution, of certain rights, shall not be construed to deny or disparage others retained by the people.

修正第九条
憲法上に列記した特定の権利は国民の保有する他の権利を否定あるいは軽視するものではない。

– enumeration:列挙、目録、一覧。

– construe :解釈する。

– disparage:軽蔑する、見くびる。

– retain :保つ、保持する、維持する。

Tenth Amendment

The powers not delegated to the United States by the Constitution, nor prohibited by it to the States, are reserved to the States respectively, or to the people.

修正第十条
憲法によって合衆国に委任されていない権力、州に対して禁止していない権力はそれぞれの州または国民に留保される。

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まとめ

アメリカの刑事ドラマによく出てくる、警察官が逮捕するときに犯人に向っているせりふ、「お前には黙秘権がある・・・・」という警告はこの修正第五条に基づくものです。

適正な法の手続きによらなければ自由を奪われることがない、自己に不利益な証言を強要されない、というところに該当します。ミランダ警告と呼ばれ、被疑者を逮捕する際には、次の4項目を告げる必要があるとされています。

1.お前には黙秘権がある You have the right to remain silent.
2.供述は法廷で不利な証拠となりうる
 Anything you say can and will be used against you in a court of law.
3.弁護士を依頼する権利がある 
 You have the right to have an attorney present during questioning.
4.公選弁護人を依頼できる 
 If you cannot afford an attorney, one will be provided for you.

さて、次回は大統領、副大統領選出に関する修正条項を読んでいきたいと思います。

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