表現の固定化を阻止!「わかる/わからない」のバリエーション

 みなさん、こんにちは。日々の英語学習は楽しいですか? 上級者になってくるとひととおりの語彙は身につけてしまっているので、あえて辞典で何かを調べるという行為はほとんど発生しないでしょう。これは自然なことなのですが、「読んで/聞いてわかる」語彙範疇と「自分でも使いこなせる」語彙範疇には著しく大きな開きがあるため、ときどきこのギャップを埋めるために自分の語彙知識とアウトプットの癖を見直す時間を設けたほうがよいと筆者は感じます。
 本日は、日常でよく使う「〇〇がわかる/〇〇がわからない」という表現に焦点をあてて、英語訳のバリエーションとあなたの実際の使用頻度を照らし合わせてお読みになっていただけたらと思います。

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I don’t know. ばかり言っていませんか?

 この I don’t know. はどんな場面でも使える非常に便利な表現です。さまざまな話題について、もはやこれは万能と言い切ってもよいでしょう。knowという単語は日本語で「知っている」と訳されるので、I don’t know. は機械的に「知らない」というふうにとらえられがちですが、ひとたび「わかりません」の訳を見て安心するとその便利さゆえにひたすら使い倒しているなんてことはありませんか? 恥ずかしながら筆者は、英語をはじめて習ったときから30年、何千回この言葉を口に出してきたことか…。
 実はこのI don’t know. は相手に失礼に映ってしまうこともあるんです。こちらは悪気がなく「自分にはわからない」という事実を述べているだけなのに、受け手としては「さあ知らないよ」とぶっきらぼうに言われているような気がしていることだってあります。ビジネスシーンにおいて I don’t know. を連発していては、相手にやる気がないとすらとられかねません。
 こんなときI don’t know. 以外のさまざまな言い換え表現があるのですが、そういった表現は多くの英語学習者は「読めば(聞けば)わかる」のに、残念ながら自分の口から積極的に出てくることは少ないのではないでしょうか。ぜひ自分の表現として「モノ」にして、より円滑なコミュニケーションをはかれるようにしましょう。

I’m not sure. なら印象が全然違う

 たとえば、今あなたが仕事で自分のお客様になにか説明をしている場面を想像してください。お客様にひととおり説明し終えたとします。するとお客様から質問が来るのですが、残念なことにあなたはその答えがわかりません。このとき、I don’t know. では非常にまずいんです…!
代わりに I’m not sure. と言えば、相手を突き放した感じもしませんし、少なくとも仕事に対して熱意がないなんて誤解をされることはありません。sureは「確信している」という意味なので、言ってみれば I’m not sure. は「わかりません/知りません」ではなく「正確にはわかりません」「確証が持てません」「はっきりとは言いかねます」ということですね。
 いずれにしてもお客様は質問の回答が欲しいので、あなたが今の時点で答えを用意できなくとも適切な返しをして乗り切ってください。相手の気持ちに寄り添うには、ここはもう”英語力”というより”人間力”ですね。たとえば次のように言うことができます。

【例】
I’ll get back to you when I get an answer from the head office.
(本社の回答を得たらまたご連絡します)
It’ll take probably a whole week to make sure how much it costs in this new plan.
(こちらの新しいプランで金額がいくらになるかは、正確にわかるまで1週間はかかりそうです)

相手の言葉が聞き取れないときは

だれしも一度は、会話をしている相手の言葉が聞き取れなかったなんてことがありますよね。このとき英語で I don’t know what you said(say). と伝えてしまったことはありませんか? …ないことを祈ります! というのは、これも失礼なんです。まるで「あなたの言っていること、どうも理解しがたいんです」と相手の話す内容に対して非難しているようになってしまうんです。
このとき、確実に「音声が小さかったため聞き取れなかった」「会話のスピードが速すぎて聞き取れなかった」ことを伝えるために次のように表現します。

【例】
Excuse me. I didn’t catch you. Could you repeat that?
(すみません、何て言っていたかわからなかったのでもう一度お願いします)
Can you speak slowly? I couldn’t follow you guys.
(ごめん、君たちもう少しゆっくり話してくれない? 速さについていけなくって)
I’m sorry, but I could hardly keep up with everything you said.
(すみません、おっしゃることが速くてついていけないんです)

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相手に「わかる?」と尋ねるときのコツ

こちらも真っ先に思い浮かぶ表現 Do you understand? (わかった?/わかってる?)を多用するのは危険だというお話です。まるで母親が子供を諭すような威圧感を相手に与えてしまいます。英語には敬語がないと言えど、適切な言い換えをすることで相手を敬うことができます。大切なお客様や目上の人には、次のように言ってみましょう。

【例】
Did I make everything clear?
(私の説明ですべての点をクリアにできましたでしょうか?)
Did I get my point across?
(要点はうまく伝わりましたか?)
Did I make myself understood?
(私の言ったことは、ご理解いただくことができているでしょうか?)
Did it make sense?
(これでわかりますか?)

いかがでしょうか。ずいぶんと印象が違うと思いませんか? 相手の理解力のなさをやり玉にあげることなく、あくまでフォーカスは「自分の説明で大丈夫でしたか?」という点にあるのがポイントです。これは英語ならではの相手への気遣いの1つであると言えるでしょう。もしDo you understand? があなたの口癖になっているとしたら、ぜひ別のやわらかい表現を身につけてください。そうすれば「高慢だ」なんて誤解は生まれる余地もありません。

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自分が「わかる」と伝えるとき

 教科書でもおなじみの I see. や I got it. をはじめとして、ほかにも数えきれないほどの「わかる」を表す表現があります。いくつかバリエーションを記しますので、場面に応じて使い分けてくださいね。

【例】
Exactly! / Definitely!
(ええ、本当にそうよね!)
*日本語の「わかるぅ~!」のニュアンス
I feel your pain.
(あなたのつらい気持ち、わかるわ)
*この「わかる」は同調
That explains!
(そういうことか、ならわかるよ)
 *腑に落ちたときに言うフレーズ
  No wonder.
(それはそうだ)
*疑問を残す余地がないほど明快な場合
 I can tell he still loves me.
(まだ彼が私を好きだってわかっちゃうの)
*感じ取って「わかる」場合はtell

 ほかにも grasp, realize, recognize, capture などの類義語、それに句動詞ではmake outや figure out、イディオムではget the picture などのさまざまな言い換えがあるのが「わかる/わからない」の世界です。果てしない大海のようですが、そのぶんそれだけ日常的に使用される概念でもあるということです。失礼のないコミュニケーションをはかるという目的以外にも、あなたの思いを正確に伝えるためにもぜひ「わかる/わからない」の言い換えに挑戦してみてくださいね。

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