EU離脱したら辞任!「イギリス独立党」ファラージ党首とは何だったのか

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イギリスのEU離脱を強力に推進したイギリス独立党のファラージ党首が、EU離脱の決定直後に辞任しました。彼の経歴や考え方について、英語で詳しく見てみましょう。
(英文は、”The Nigel Farage story”, BBC News 2016/7/4)

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☆ 人生を取り戻したい

Nigel Farage's slogan during his 20-year campaign to take the UK out of the European Union was "I want my country back".
 ナイジェル・ファラージ氏の、20年にわたるイギリスのEU離脱運動におけるスローガンは「私の国を取り戻したい」だった。

ファラージ氏は、1999年に欧州議会の議員に初めて当選しました。その後2006年に「イギリス独立党」の党首に就任し、イギリスのEUからの離脱、移民受け入れの制限などを訴え続けてきました。

Now the UKIP leader has achieved his ultimate political ambition, seemingly against all the odds. And he has turned that epithet on himself - telling reporters that he "wants his life back" and is now standing down.
 今やイギリス独立党の指導者は、大方の予想を覆して自分の最終的な政治的野心を達成した。そしてあのスローガンを自分に向け、「私の人生を取り戻したい」という記者会見をもって身を引こうとしている。

(単語チェック)
UKIP:イギリス独立党(UK Independence Partyの略)
ultimate:最終的な
ambition:野望、大望
seemingly:外見的には、見たところ
against all the odds:あらゆる予想を覆して
 the なしのagainst all oddsがよく使われます。
epithet:通り名
standing down:身を引きつつある
 stand down(身を引く、役目から外れる)の現在分詞形

ファラージ氏は、「国民投票で離脱派が勝利したことで、私の政治的な目的は達成された」と宣言しました。さらに「私はビジネスの世界から、イギリスは独立すべきだと考えて政治の道に入った。政治家として大成したいと思ったことはない」とも語り、自分以外の人が新しいイギリスを作るべきだという考えを明らかにしました。

☆ ユーロ懐疑派

The face of Euroscepticism in the UK for getting on for two decades, Mr. Farage helped turn UKIP from a fringe force to the third biggest party in UK politics in terms of votes at the 2015 general election, and he helped persuade more than 17 million people to vote to leave the EU.
 この20年間にわたり欧州(統合)懐疑主義派の「顔」として運動を進めてきたファラージ氏は、市民運動に過ぎなかったUKIPが、2015年の総選挙の得票数において英国で3位の政党に成長するのに大きな役割を果たした。そして彼は1700万人以上がEU離脱に投票する原動力となった。

(単語チェック)
Euroscepticism:欧州統合懐疑主義
 Eurosceptic(欧州統合懐疑派)の考え方
getting on:進むこと
 get on(進む、進める)の動名詞形
fringe:非主流派(の)
 fringe forceは市民(大衆)勢力
general election:総選挙
persuade:説得する

英国内だけではありません。EU各国から議員が選出される欧州議会は日本人にはあまりなじみがありませんが、2014年の欧州議会選挙でUKIPはファラージ氏を含む24議席を獲得しました。これは保守党と労働党を上回り、欧州議会ではUKIPがイギリスの第1党になっています。

☆ 欧州議会の比例代表制が突破口

証券会社で商品取引のトレーダーとして成功したファラージ氏は、まず保守党で政治の道を志しました。しかし当時のメージャー首相が欧州統合を目指すマーストリヒト条約に調印したことに失望して離党、1993年に仲間とともにUKIPを創設しました。

しかし当初の道のりは険しいものでした。1997年の総選挙では同じユーロ懐疑派の「国民投票党(Referendum Party)」の躍進の陰でぱっとしませんでした。
しかし地道な活動を続けた結果、その後国民投票党は衰退し、UKIPの前に道が開け始めました。

In 1999, it saw its first electoral breakthrough - thanks to the introduction of proportional representation for European elections, which made it easier for smaller parties to gain seats.
 1999年にUKIPに選挙で初めて壁を破った。それは欧州議会に比例代表制が導入されたためだ。この制度は小政党でも議席を得やすい仕組みだ。

(単語チェック)
breakthrough:突破口、ブレイクスルー
proportional representation:比例代表制
gain seats:議席を獲得する

イギリスは小選挙区制の国で、大政党に有利なこの制度のもとではUKIPが議席を獲得するのは困難でした。しかし小政党でも合計得票数に応じて議席が割り当てられる比例代表制の欧州議会は、UKIPに政治の表舞台への足がかりを与えました。

☆ EU離脱を見届ける

欧州議会で議席を得たとは言え、国政選挙で苦しんでいたUKIPの転換点となったのが移民問題でした。東欧を含むヨーロッパ大陸からの移民の増加が国内の社会問題になるにつれ、UKIPへの支持が拡大していきました。

2013年と2015年の地方選挙で着実に議席を伸ばし、2015年には欧州議会選挙でイギリスの第1党となるなど、党の勢いは止まりませんでしたが、ファラージ党首自身は国内の選挙に立候補しても結局当選できませんでした。

このことと健康不安を理由に、ファラージ氏はいったん代表辞任を決意しました。ところが支持者の強い要望もあって「国民投票で勝利を勝ち取るために」留任してEU離脱キャンペーンを続け、国民投票で離脱派の勝利を勝ち取りました。

今回の辞任には誰もが驚き、「無責任」という反応も多くありましたが、ファラージ氏は党内での影響力を持ち続けています。

However, he will remain a big figure in the party and has pledged during his remaining time in Brussels to follow the UK's Brexit's negotiations "like a hawk" to ensure there is in his words "no backsliding or weakness".
 しかし彼は党内で依然として有力者だ。彼は欧州議会の議員としての残りの期間にイギリスのEU離脱交渉から目を離さず、「後戻りや弱腰が決して起こらないように」強硬な姿勢で臨むことを支持者に約束した。

(単語チェック)
big figure:大物、有力者
pledged:誓う、保証する
Brussels:ブリュッセル(欧州議会がある)
Brexit:イギリスのEU離脱
hawk:タカ派、強硬派
backsliding:後戻り、退歩
 backslide(後戻りする、堕落する)の動名詞形

イギリスは、EUからの離脱手続きを2年間で進めなければならず、それに伴ってEU以外の国々との貿易協定も結び直す必要があります。2020年に行われる次のイギリス総選挙では、国民投票の後始末をきちんとできたのかが争点になる可能性があります。

「人生を取り戻したい」と言って党首を辞任したファラージ氏ですが、まだ当分政治の世界から離れることはなさそうです。総選挙では再び表舞台に登場するかもしれません。

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