フランス産ワインの生産量大幅ダウンでイギリス人に悲鳴?

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春から夏の天候の影響で、今年のフランスワインの生産量は大幅ダウンの予想。この影響をまともに受けるのがワイン好きのイギリス人です。いかにもイギリスメディアらしい話題を英語で読んでみましょう。
(英文は、”Bad weather takes toll on French wine production”, BBC News 2016/8/25)

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☆ 昨年比10%減産の予想

French wine production is likely to be 10% lower this year than in 2015 because of frosty weather in spring and a heatwave now, officials say.
 今年のフランスのワイン生産は、春の厳寒な気候と夏に入っての猛暑の影響で昨年比10%減少する見込みだと、フランス当局が発表した。

(単語チェック)
takes toll on:~に被害(損害)を与える《←take a toll on》
(例)The earthquake took a toll on people in Kumamoto.
  地震は熊本の人々に被害をもたらした。
frosty:凍るような、とても寒い
heatwave:熱波、猛暑(heat waveと分けて書くこともあります。)

今回は記事タイトルの英語にも注目しましょう。
 Bad weather takes toll on French wine production

takes toll onは単語チェックに注記したとおり普通はaがつきますが、ここでは省略されています。また、takesという現在形の意味にも要注意です。見出しの和訳としては「悪天候でフランスのワイン生産に打撃」ですが、実際の意味は「悪天候がフランスワインの生産に被害を与えた」(過去)です。

これは、新聞や雑誌の記事のタイトルや見出しには次のようなルールがあるためですので、ぜひ覚えておきましょう。
 現在形=過去のこと
 to +原形=未来のこと
 過去形=受動態のこと(be動詞の省略)
  これに限らずbe動詞は原則として省略
 冠詞は省略

A production of 42.9m hectolitres (hl) (944m gallons) is forecast for 2016, down from last year's 47.8m hl.
 2016年の生産量は4290万ヘクトリットル(9億4400万ガロン)と予想され、昨年の4780万ヘクトリットルから減少する見込みだ。

(単語チェック)
hectolitres:ヘクトリットル(100リットルを表す単位名)《複数形》
 hecto-は「100」を意味する接頭辞です。
 litreはイギリスつづりで、アメリカではliterになります。
gallons:ガロン(体積の単位)《複数形》
 英米はヤード・ポンド法が一般的なので、ガソリンスタンドでもたいていガロン表示で販売されています。
 1ガロンは、同じ呼び名でもアメリカでは3.785リットルですが、イギリスでは4.546リットルという、ややこしいことになっています。

ヘクトリットルだと比べにくいので、100倍すると4290万×100=42億9000万リットルということになりますね。これを9億4000万ガロンで割ると4.54になります。元の記事はイギリスのBBCということで納得ですね。

hecto-が使われている単位の例に、面積のヘクタール(hectare)があります。100アール(are)のことですね。小学校の時に習った通り、1ヘクタールは100m四方、1アールは10m四方なので、1ヘクタール=100アールが成り立っています(復習タイムここまで)。

The harvest is expected to be down by about a third in the Champagne region.
 シャンパーニュ地方の(ブドウの)収穫高は約3分の1減少すると見られている。

(単語チェック)
harvest:収穫(高)
Champagne:シャンパーニュ(フランス北部のワイン生産地)
 ここで生産される白の発泡ワインが、本来の「シャンパン」ですね。

ワイン全体の生産量が10%減の予想ですから、3分の1減というシャンパーニュ地方は特に天候の被害が大きかったようですね。いずれにしても、こうした生産減少の影響をまともに受けるのが、イギリスの消費者です。

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☆ イギリスではEU離脱の影響でダブルパンチ

Prices will rise, although one French wine trader said the Brexit effect would be a greater inflationary pressure for UK buyers.
 価格は上昇するだろう。しかしあるフランスのワイン業者によれば、イギリスの消費者にとっては「ブレグジット」の影響の方が大きいだろうということだ。

(単語チェック)
Brexit:ブレグジット
 イギリスが今年6月の国民投票によってEU(欧州共同体)離脱を決定したこと。あまりに有名な今年の重大事件でしたね。
inflationary:インフレ傾向の、値上げの

イギリスがEUを脱退すると、これまでEU加盟国間では免除されていた税金など、数々の取引手数料が輸出入にかかるようになります。このためワインの輸送コストなども大幅に上昇することになりますが、それ以上に大きなコスト要因が為替レートです。

After the British vote on 23 June to leave the EU, the pound slumped against the euro, falling from €1.3 in late May to €1.17 now. Imports priced in euros are therefore more expensive.
 6月23日の国民投票でイギリスのEU離脱が決定して以来、イギリスの通貨ポンドはユーロに対して下落し、5月には1ポンド1.3ユーロだったのが8月には1.17ユーロとなった。そのため、ユーロ建てで輸入する製品はポンド換算すると高くなってしまう。

(単語チェック)
slumped:(物価などが)加工する《過去形》
priced in:〜(通貨名)建てで価格が付けられた

ワインはフランスからユーロ建てで輸入します。5月には100ポンド払えば130ユーロのワインが買えたのに、ポンドが下落したので100ポンドでは117ユーロの物しか買えません。130ユーロのワインは今や約111ポンドとなり、約11%の値上げ効果です。

これがイギリス人にとって大問題な理由は、イギリスが世界有数のワイン消費国で、しかもワインをほとんど自国生産していないためです。2013年の統計ではイギリスは世界一のワイン輸入国で、国民1人あたりのワイン消費量は日本の約10倍になります。

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☆ 品質は未知数。量は確実に不足

A seller of French wines in the UK, told the BBC that the heatwave in southern France - hitting the big wine regions of Bordeaux and Languedoc - was a particular problem now.
 イギリスでフランス産ワインを取り扱うある業者はBBCに対し、南フランスの猛暑はボルドーとラングドックといったワインの大産地を襲ったため、今年特に大きな問題だと語った。

(単語チェック)
Bordeaux:ボルドー(フランス南西部のワイン生産地)
Languedoc:ラングドック(フランス南部のワイン生産地)

But he added: "Even if it's a difficult vintage they'll still produce good wines - there will be quality, just a reduced amount."
 しかし彼は「たとえブドウの収穫量が少ない年であっても、醸造者は良いワインを作る。品質は大丈夫だろうが、ただ生産量が少ないということだ」と付け加えた。

(単語チェック)
vintage:ブドウの年収穫高
quality:(品)質

フランスワインは1990年代にもブドウが不作で苦しい時期がありましたが、その時は生産量だけでなくワインの品質も良くない最悪の状況でした。当時に比べれば楽観的な予測のようですが、良いワインができるかどうかは実際には収穫してみなければわかりません。

いずれにしても、ワインの好きなイギリス人にとっては、EU離脱の影響を肌で感じる年になりそうです。

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