若すぎた?「留学」。ある女子生徒の挫折

大学時代、長期休暇を利用してアイルランド共和国への語学留学を繰り返していました。
その後大学留学をするための布石だったのですが、資金調達のためにアルバイトにいそしむ中、私の経験談を聞きつけて、同僚を通して相談を持ち掛けられたことがあります。
「15歳の娘が、不登校に悩んでいる。日本ではやる気も全く起きないので、オーストラリアの高校へ行きたいと言っている。」
じきに中学校を卒業後、すぐに向こうへ行き、高校生でも受け付けてくれる語学学校へ通いたい、ということなのです。

日本の学校に何か理由があってなじめないにせよ、例えば英語環境で勉強することにものすごく熱意と興味があるんだったら大丈夫なんじゃないかな、と思い、「それで英語はけっこう話せるんですよね?」とたずねました。

すると、
「学校の成績はかなり下。でも日本の英語教育での推し量り方なんて、あてにならないから…」という答えが返ってきて仰天しました。
ちなみにオーストラリアという行き先も、単に好きな俳優の出身地だからと選んでいるらしいのです。

誰も歯止めをかける人がいないまま、このお嬢さんは単身飛び立ち、6か月後に帰国しました。
私はそのあたりでバイトを辞めてしまったので、詳しいことはわからないのですが、概要は「それなりに楽しかったらしいけど、結局これからどうしたらいいのかもわからないまま」。
当初の計画では現地の高校に進学する予定でしたが、それもまたなくなってしまったそうです。

本当に残念としか言いようがありません。
「現在の状況が嫌だから」と、外国をパラダイスと錯覚し、語学留学に出るのはよくあることです。
ですが「何故ここに行くのか」「何のために英語を学び、いかに生かしていくのか」「その先に何がしたいのか」という、明確なテーマが自分の中に出来上がっていなければ、ただ「異郷でその場その場をやりすごすために順応する」という、単なるサバイバル生活の状況で滞在は終了してしまいます。

私が親御さんだったら、その点をよく言い聞かせ、まずは日本の「ホーム」においてきちんと学業を修了させ、ある程度のレベルの英語を身に着けてから送り出すべきだったと思います。
もちろんご家庭によりケースはさまざまですが、あまりに若年においての語学留学は、色々な意味での危険もはらんでいますので、どうか親子で十分に検討してから、実行に移してもらいたい、と思います。

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