センター試験は英語学習にしっかり役立つ学習ツール!

みなさん、「センター試験」の英語を受けたことはありますか? そうです、独立行政法人 大学入試センターの主催する、あの「センター試験」です。毎年成人式の翌週は、ニュースで必ず扱われるネタですよね。このセンター試験は国公立大学を受験する場合のみならず、私立大でもセンター試験利用型入試があるので、センター試験を受けたことがある読者のみなさんもきっと少なくはないでしょう。
さて筆者はかつて出版社で英語参考書チームの編集者として働いていたので、大学入試問題やセンター試験問題には10年以上にわたりじっくり目を通してきました。いまだ英語の一学習者として、「へぇ、この文法問題スゴくいい!」と感激したり、見事な論理展開の長文問題に思わずうなってしまったり、多くの英語学習者にシェアしたい小ネタがとにかく心の中にガッツリと蓄積されているわけです。
そこで、英語学習歴の長い読者のみなさんに提案です。学生時代に戻ったつもりで、センター試験問題を解き直してみませんか? 例えばこれまでTOEIC一辺倒だった学習も、いま一度基礎に立ち返ることで新たな気付きを得て、さらに学習が加速することと思います。社会人になってからは英会話重視!という方にも、今あらためてセンター試験を解いてみるというのはおもしろい体験になると思いますよ。
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あれ、どんな問題が出るんだったっけ?

はい、もうお忘れですね。実は、読者の方の年代によってセンター試験は設問形式が微妙に異なりますので、直近の問題形式はあなたがこれまで見たこともないようなものかもしれません。センター試験はこれまで、少しずつ時代の要望に合わせて設問形式のリニューアルがありました。2005年試験からリスニング問題が導入されたのが、一番大きな変更点となります。いわゆる「リスニング元年」です。
2018年試験に焦点を絞ってお話ししますと、試験時間は筆記が80分、リスニングが約30分です。すべてマークシートで答えるようになっています。一度にあれだけ大量の受験者答案をさばくのですから、採点に手間がかかってはいけないということで全設問がマークシート方式なのは納得できます。つまり、センター試験には記述式がない、これすなわち英作文問題や和訳問題がないということです。その意味では、国公立大の二次試験に比べていくらか受けやすい試験と言ってもよいでしょう。

来たる2020年の大学入試改革でセンター試験も大きな変換点を迎えるため、近い将来は記述式問題の導入もおおいに検討されているのですが、これを語り出すとかなりディープな話になるので、本記事では悪しからず割愛させていただきますね。

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「スタンダード」な英語の試験って、実は探してもあまりない

ここで、センター試験の素晴らしい点を確認したいと思います。
良問・悪問という話の前にまず、その存在意義です。文部科学省の定めた学習指導要領にしたがって”高3までに身に付けているべき英語力”はざっくりと決まっているものの、どのような文章でどうやって学ばさせるかは実は教科書によって異なります。実際にはライバル関係にある各教科書系出版社が、学習指導要領という大きなルールを基軸にそれぞれの教科書を発行しているわけです。

A校で採択しているA教科書とB校で採択しているB教科書では、例えば同じ「仮定法」という文法項目を学ぶ章においても、異なる英文素材で学ぶことがほとんどです。誰かの有名な演説文などであれば、他社の教科書にも載っている可能性はありますが、教科書に載っている英文素材のほとんどは教科書用に書き下ろされたオリジナル英文となります。ですから、そこに出てくる英単語も当然違います。共通するのは押さえておくべき構文や文法などの骨組みです。
そこに英単語や文化背景知識、ほかにグローバル視点での常識など一様ではない肉付けをしてあります。さすがに各教科書がバラバラすぎては統一がとれませんから、文部科学省もあらかじめ「この単語は必須である」というような縛りを入れておきます。それぞれの教科書は文部科学省の教科書検定を無事にパスして晴れて学校に供給されます。

 ここで問題となるのは、「高校卒業時の英語力があるか、ないか」をどうやってはかるか、です。はっきり言って、信頼のおけるテスティングツールは世の中にセンター試験ぐらいしかないでしょう。各大学の入試問題ももちろん「高校卒業時の英語力」を問わなくてはなりませんが、出題形式とレベルがピンキリすぎて実情はこの目的は達成されていないようなものです。
偏差値があまり高くない大学では中3レベルに毛の生えたような問題が出ますし、かたや上智大学では高校レベルをとうに超えた難単語&超長文が出るとの悪評もあります。一方で東大では、一見基礎的かと思われる英単語でディープな英文和訳をさせるなど「精読」重視の問題も出てくるわけですから、この入試英語の多様っぷりに受験者も何に照準を合わせて学習してよいのか困っていることでしょう。唯一センター試験が、「ザ・標準」と言っても差し支えないでしょう。(強いて言うなら英検2級がこれとレベルが近いですね。)

 もしあなたが「自分ってどのくらい文法力があるの?」、「どのくらい英文が読めるの?」と素朴な疑問を感じたときには、素直にセンター試験の過去問にあたってみてください。解けない問題があれば、高校学参に立ち返ればよいのです。
TOEICの問題をごりごりやり込んでも、TOEICはビジネス英語の特化試験なので、その学習にはやはり偏りがあります。基礎に立ち返るのには高校の復習がベストです。そのために、センター試験を確認行為として解いてみるわけです。大学入試センターのウェブサイトで過去問題が公開されていますから、学習者として自分の立ち位置を確認するためにもぜひ1度トライしてみてください。
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こんな文法問題が出ます

よくある設問形式の「短文の穴埋め4択問題」は、全部で10問出ます。さらに「並べ替えの英文完成問題」が3問出ます。これによって受験者の英文法力を問うているのですが、こういった基礎的なものを全問正解できないことには生涯を通して英文ライティングに苦労することと思います。例えば2018年試験にはこんなものが出ました。

Brenda went (      ) to get something to drink.
at downstairs  2. downstairs  3. the downstairs  4. to downstairs

正解は2ですが、これはdownstairsが副詞であると理解していれば、冠詞や前置詞がついていない2であると瞬時にわかります。日常的にもよく会話で使われる upstairs / downstairs ですが、いざ自分でスペルアウトしてみるとうっかりup+stairs や down+stairs のように分割してしまっていませんか? きちんとs はつけていますか? まして at や to などの前置詞は不要です。

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発音アクセント問題が役に立たないって、本気で言っていますか?

センター試験にも、一応は会話を意識した問題も出ます。苦しい理解かもしれませんが、マークシート方式で少しでもスピーキング要素を混ぜ込もうと思ったら、やはり発音アクセント問題は出題必須となります。
しかし、どうもこれが受験者に不評な問題形式のようで、「ただただアクセントを暗記させられている」、「実際の英語運用と乖離している(=こんなことをやるなら英会話に時間を割きたい)」などと学習意欲がおおむね停滞してしまいがちです。実際に、日本人特有の発音で英語を話しても、ネイティブがよほど短気でない限りはおおむね辛抱強く聞き取ってもらえますから、それなりに通じてしまうんですよね。

ただし、です。これからはグローバル化が加速し、英語でのやり取りはノンネイティブどうしでおこなわれることが増えてきます。ノンネイティブには、第一アクセントを間違えてしまうと通じません! 相手はそこまで想像力をはたらかせて聞くことができないのです。それはこちらも同じです。各国の発音のなまりも強いので、せめて最大公約数的に「第一アクセントは間違えない」と各スピーカーが強く意識すれば、コミュニケーションが格段にとりやすくなります。

例えば2018年試験では、次のような問題が出ました。

第一アクセントがほかと異なる語を1つ選べ。
1. deposit  2. foundation  3. opinion  4. register

正解は4です。registerは前アクセントで「レジスター」と発音します。英語で仕事をするうえでは必須の単語なので、デキるビジネスパーソンとしてはぜひ間違えないでほしいものの1つです。うっかり1のdepositを「デポジット」と思われた方も注意です。これは中央にアクセントが来ますので正しくは「ディポジット」と発音します。
ホテルのチェックインなどで頻繁に使われる語ですから、こちらも実際の英語運用に則した適確な出題と言えます。
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長文問題は、本当に秀逸

 センター試験には、全部で3つの長文問題が出ます。「長文ばっかり読んで、ちっとも会話ができない日本人」を嫌悪する世の中のムードがありますが、やはり長文問題はとても大切です。正しく読めないのに会話力は向上させたいなど、ないものねだりをしているようなものです。先に簡単な英会話を身につけたとしても、話者自身のレベルが上がっていくにしたがい長めの会話構成力も必要になりますし、そののちには英語で何かを読んだり書いたりして用を足すステージに突入するわけです。結局、読解は避けて通れない壁と言ってもよいでしょう。

センター試験は高校生向けにきちんと語彙コントロールがされながらも、しっかりと論理力を問うてきます。英語の専門家からも、本当によくできている試験だと評判がよいのです。作成した問題がGoサインをもらえるまでいくつもの精査のステップを踏みますから、まさにその問題は珠玉と言えます。
とにかく、センター試験の長文が読めずして英字新聞に挑戦するなど、筆者はおすすめしません!まずはセンター試験で構文の確認と、パラフレーズ(英文中の言い換え)発見能力の向上に努めるのがよいと思います。

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リスニング問題は?

最後にリスニング問題ですが、TOEICと違ってナレーターは英国人と米国人に限られています。その点においては、「くっきりはっきり」と発音されすぎていて、実際に英語圏で話されているものより格段に聞き取りやすいと言えます。逆に言うと、これを全問制覇するぐらいの気概がないと、海外暮らしは高い壁となります。

 センター試験の問題形式ですが、こちらも実用に則していますのでご安心ください。「男女の短い会話を追って結論を整理する」という各種英語試験のお決まりパターンだけでなく、2分を超える長いモノローグタイプもあります。高校生向けの出題でありながら、かなり骨のある問題と言ってよいでしょう。誰かのプレゼンを聞いたり、大学で英語の講義を受けたり、今後さまざまなシチュエーションで役立つ”耳のスタミナ”を鍛えることができます。大人にもなかなか解きごたえのあるリスニング問題、それがセンター試験なのです。

 いかがですか? お時間のあるときに解いてみたくなりませんか? 受験英語は役に立たないという先入観にとらわれず、ぜひ「センター試験」をあなたの実力確認として積極的にご活用ください。

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