アメリカでの住居契約までの3つのプロセス

アメリカ
スポンサーリンク

前回の記事では不動産を選定するにあたり,必要となる表現をご紹介しました.今回はいよいよ不動産の契約にいたるまでのプロセスをご紹介したいと思います.私はアメリカ滞在2年目で,賃貸住宅は2件目です.1件目は家族が一緒で,かつ,初めてのアメリカ生活でしたので,私の町ではやや高めのTownhomesを1年契約し,その後,家族の帰国に合わせて単身用のApartmentを借りています.車の購入と同様,少し日本とはそのプロセスが異なるのでそのポイントを中心にご紹介したいと思います.

プロセス1.物件の探し方とProperty agentへの連絡

 一番メジャーな物件の探し方はやはりインターネットを利用する方法です.代表的なサイトはZillowRent.comなどです.州と町の名前,もしくはZip code(郵便番号)を指定すると物件の一覧を見ることができます.また,物件の紹介サイトとは別に,自社のwebサイトのみで物件を公開している場合がありますので, Rent house/Rent home/Rent apartmentなどのキーワードと合わせてお住まいになる地域の名前で検索すると良いと思います.インターネットを利用しないで不動産屋に乗り込む方法もありますが,インターネットの情報を見ながら決めることになりますので,やはり事前に情報収集としてサイトを活用するのがオススメです.

 前回の記事でご紹介した,部屋の間取り,住居のタイプ,冷暖房などの条件が決まったら早速不動産屋の担当者に連絡を取り内覧の予約をとりましょう.方法としてはメールか電話でとなりますが,時差などがある場合や,待ち合わせの時間を相談する場合など,記録を残しておきたい場合はやはりメールがオススメです.上記の物件紹介サイトでは,不動産屋への連絡ツールがあり,定型文がありユーザ登録をするとすぐに連絡することができます.この登録時には,渡米の詳細,給与の有無,Credit score,勤務先,月収または年収,勤務先の連絡先などの情報を登録します.
また,これらのツールには内覧の予約だけではなく,物件に関する質問などもできる仕組みがあります.だた,私の経験ですと,すぐに返信がない場合があります.そういった場合は,興味のある物件を見つけたら,不動産を管理している不動産会社のホームページを探して直接そこのメールアドレスから連絡すると少しは早いかもしれません.自動車の購入の時もそうだったのですが,今すぐ借りたい!といった雰囲気が感じられないと返信が悪くなるような気がします(値段にもよるかもしれません…).私の経験ですが,日本のようにお店出向いた時にじっくりと検討するというよりは,だいたい決まった段階で連絡をとり進める,といった方が一般的だと思います.日本でよくありがちな,「どっちがいいでしょうかね?」なんて曖昧な質問はあまり好まれないと思います.

それでは,実際のProperty agentとのやり取りの例を見てみましょう.

Hi ****,
Let me know when you have availability to view the apartment?
I also let everyone know that we do not allow pets or smoking at this apartment. 
Please let me know if there will be any issues with this.
Thanks,
****</pre.

Let me know if 〜は「もし〜なら連絡をください」という意味で,日常生活でもビジネスシーンでも非常に良く見かける表現です.つまり,”Let me know when you have availability to view the apartment?“で,「いつ内覧できるか」を聞いていますので希望の日時を伝えます.
Hi, ****,
I want to meet you at 9:30 AM tomorrow.
Let me know if you are inconvenient.
Thank you,
****

私の場合,条件に合う物件を2件まで絞り込み,月のランニングコストを比較して最終的に1件に絞りました.いわゆる内覧なしでポチったということになりますね.ですので,入居当日に内覧して,必要経費を現金で支払いました.やり取りの日数は,なんと4日でした.では,次にBackground checkについてご紹介します.

プロセス2.Background checkを受ける

 日本では住居を賃貸する時,連帯保証人をたてる必要があるかと思いますが,アメリカではBackground checkで個人の経済的な背景と犯罪歴に関する背景をまず確認します.アメリカの賃貸契約で時間を要するのは概ねここの部分だと思います.私が1年目で住居を契約した時は,photo ID (Passport),VISA,受け入れ研究機関のレター,銀行残高証明書,日本の職場の給与の見込み証明書を提出しました.さらに日本の保証人のようなReferencesという,身元を証明する人物の名前と連絡先を書きました.私は受け入れ研究機関のボスとイリノイ州に住んでいる叔母にお願いしました.通常,Background checkにはアメリカ国内での犯罪歴や経済的な背景をチェックするのですが,初めての場合は記録がないので,このような手続きになります.
 アメリカで2年目以降住宅を契約する場合,アメリカでの刑事犯罪の記録や薬物関連,性犯罪の記録があるかを聞かれます.そして,経済的な背景については,Credit scoreが600以上か(留学1年目では0),債権回収状況(Debit collection),ローンなどの支払い遅延記録,過去2年以内の破産や差し押さえ(Bankruptcy or foreclosures)の記録,過去の賃貸の支払い記録,住宅ローンの支払い記録などを聞かれます.留学で渡米される方々はこの辺の記録は問題ないと思います.そして,これらの項目を確認した後に,Background checkを行うための同意書にサインし,Background checkを行う専門の会社でアカウントを作成します.
私の場合,TransUnionという会社で審査を受けました.アカウントの作成後,必要情報を入力します.審査は土日行われないので,入居希望日まで余裕を持って進めることをオススメします.私が受けた審査では,途中までWebで手続きを行い,途中一度電話をかけて本人確認を行いました.途中,このプロセスが分からず,時間を要してしましました.管理会社の担当者曰く,Credit scoreがない場合このような手続きになるそうです.電話で本人確認を行なった後に,前の住所での光熱費の領収書とphoto ID (Passport)を提出して無事手続きを終えることが出来ました.その後,管理会社から追加でDS-2019,Passport,VISAを提出しました.Background checkのプロセスをおさえておくことで,スムーズに契約までたどり着けると思います.

プロセス3.必要経費の支払い,入居

 無事Background checkをパスしたら,いよいよ部屋の引き渡しです.契約に必要な諸経費(Security deposit, damage deposit, prorated fee)などを支払います.管理事務所で支払う場合や,引き渡しの際に支払う場合があります.また,支払い方法にはいくつかあります.カード払い(アメリカまたは日本のクレジットカード),現金払い(Cash),小切手(Check) 等です.一部の管理会社では,日本のクレジットカードが使えない場合がありますので,日本から契約する場合は最初に確認しておくことがオススメです.また,アメリカのCreditとカードは渡米後すぐに手に入らないので,現金か小切手になります.小切手の場合は,”Personal check” や“Certified check”があり,Personal checkは受け付けられない場合があります.また,Certified checkは支払いまでに数日がかかるため,すぐに入居を希望する場合は,現金がオススメです.
私の場合,諸経費$1,800を部屋の引き渡しの際に支払いました.Property agentと会ったのはこの時が初めてでした.およそ15分の部屋の取説の後,すぐに部屋の引き渡しでした.日本と違い手続きはとてもシンプルですね.

以下に費用の支払いについてのやり取りの例をご紹介します.

Hi, ****,
I will take you $1,784 by a check.
Thank you for your great work.
Thanks,
****
Hi ****,
The check will have to be certified from a bank NOT A PERSONAL CHECK. 
If I am taking a personal check, we will have to wait 3 days for it to clear at the bank.
Thanks,
****

 私は当初checkで支払いたいと伝えたところ,Personal checkは受け入れられない,Certified checkは入金まで3日かかるので,すぐに入居できないとのことでした.Certified checkは銀行が個人の口座の小切手を発行するものです.私が$10,000の車を購入した際には普通のPersonal checkで支払うことができました.住居の契約の場合はCashかCertified checkしか受け入れられない場合があるので事前に管理会社に確認が必要です.

まとめ

いかがでしたでしょうか?「アメリカでの住居契約までの3つのプロセス」と題して,住居の契約から入室までの3つのプロセスをご紹介しました.
・物件の選定とProperty agentへの連絡:希望条件を明確に,ある程度絞り込んで臨む.
・Background checkを受ける:留学初年度と2年目では確認項目・提出物が異なる.
・必要経費の支払い:銀行座があれば小切手で支払いできるが時間がかかるので,急いでいれば現金で.
今回ご紹介した,それぞれの契約プロセスのポイントをおさえて,スムーズに契約ができるといいですね.

タイトルとURLをコピーしました