日本の食文化を外国人に説明してみよう(牛丼編)

こんな時にこんなフレーズ
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日本の低価格グルメの代表格はさまざまありますが、そのなかでも筆頭は「牛丼」です。吉野家、すき家、松屋…etc、街を歩けばここもかしこも牛丼屋。昨今は24時間営業の店も増え、クイックミールである牛丼は常にスタンバイ状態と言えます。
外国からのお知り合いに日本食をおすすめするときには寿司や天ぷらがまず間違いなく挙がってくるでしょうけれど、変化球で牛丼屋に連れて行ってあげるのもおもしろいでしょう。

その①一人飯(ひとりめし)には定番

 外食はだれかと一緒ではないとどうしても店に入りにくい…という人もまれにいますが、男性のほとんどは牛丼屋チェーンで日常的に、しかも一人で食事をします。だれかと語らいながら食べるというよりも「空腹を満たす」という目的をシンプルに果たすとき、牛丼屋はまさにベストチョイスです。注文は即決10秒、10分でパパっと食べて、さっと店を出る…男の流儀と言っていいのでしょうか、まさにそんな風景が一日中見られるのが牛丼屋です。

・Gyudon is a Japanese style beef bowl. It’s always one of the best choices for quick meal.
(牛丼は日本流のビーフ丼で、クイックミールとしていつも選択肢の1つになります。)
・Majority of the customers at Gyudon restaurants are men ― business persons, college students, and the elderly...  Recently more female customers come to eat at Gyudon restaurants.
(牛丼屋のお客のほとんどは、サラリーマンや学生、お年寄りなど、男性です。最近は女性のお客も増えました。)
・Gyudon costs only 350 yen or so for regular size but its portion is big enough, which is the most amazing part of Gyudon. That’s why Gyudon is popular with many people.
(牛丼はレギュラーサイズで350円ほどしかしないのに、一人前の量がしっかりあります。これが牛丼の特筆すべき点です。だから多くの人に愛されているんです。)
・Major Gyudon restaurant chains have a ticket vending machine inside, which contributes to quick operation.
(大きな牛丼屋チェーンだと店内に券売機が置いてあり、営業上の時短につながっています。)
・Gyudon is often served within 3 mins after the order is taken. And customers eat their Gyudon quickly, such as in 10 mins, even 5 mins. This is the typical quick lunch for business persons in Japan.
(牛丼は注文して3分以内に提供されることが常です。またお客は10分で、ときには5分で早々と食べ終えてしまいます。これが日本におけるサラリーマンのクイックランチの典型的なものです。)

その②「早い・安い・うまい」の三拍子そろった秀逸な食事

 さて「クイックミール」ということだけに注目しますと、実際にはマクドナルドやKFCなどの選択肢もありますよね。日本食に寄せてくるなら立ち食いそばや立ち食いうどん、それに回転寿司だってそうです。そんななかで「牛丼」が特に好まれるのはいったいなぜでしょうか?

・Gyudon is just perfect! Quick! Cheap! Tasty! Nothing compares, I bet.
(牛丼は本当にパーフェクトですよ!早い、安い、うまいですから!これに匹敵するものなんてないんじゃないでしょうか。)
・Gyudon restaurants offer several choices for side dish, such as miso soup, salad, pickles. Nutrition can be covered if you order some other items with Gyudon.
(牛丼屋では、味噌汁にサラダに漬物に、サイドメニューもあります。牛丼にプラスしてなにか頼めば栄養面もカバーできますよ。)
・You can customize your Gyudon. If you add one word, “Tsuyudaku”, your order will be taken as an extra-sauce Gyudon. 
(ご自分の牛丼を好みに合わせて作ってもらうことができます。「つゆだく」と一言足せば、つゆがたくさんかかった牛丼を頼んだということになります。)
・There are many choices for Gyudon size at the biggest chain restaurants — extra small, small, regular, large, extra large, and mega size at several times of a year when they have a promotion. 
(トップチェーンだと牛丼のサイズが豊富にあります。XS, S, M, L, XL、それからプロモーション中だと年に何回かメガがあるときもありますね。)

その③かつてはワンオペ営業が問題に

 読者様のなかにも覚えている方がいらっしゃるかもしれませんね。とある牛丼チェーンで起こった深夜営業時間帯におけるワンマン・オペレーションの問題です。10時間以上もたった1人の従業員で営業を続けたという労働実態は、一部で「ブラックシフト」なんて呼ばれたりもしました。キッチンでの調理や洗い物、それにホールでの接客を、休憩なしでおこなうという、まさに悲鳴ものの労働です。さすがに毎日毎日こういうわけではないにしても、「たまにある」のが実態のようで、本社としても「たまには勘弁してよ」というスタンスで長年貫いていたそうです。低価格で食事を提供できる陰には、従業員たちのこんなハードな働きがあったのです。これは今後世の中で広く議論されることになった「働き方改革」のきっかけとなった問題の1つです。

・Gyudon is cheap all thanks to hardworking of restaurant staff, having no assistant around at night time shift. It became quite a big issue among Japanese workers.
(牛丼が安いのはひとえにお店の従業員の懸命な働きによるものです。夜間シフトだとたった一人でこなしているんです。日本人労働者のあいだで関心の的になりました。)
・These days more and more foreign people are working at Gyudon chain restaurants because the language skill is not required that much as they have a perfect operation flow. Hourly payment is not big.
(最近はチェーンの牛丼屋で働く外国人が増えました。完璧なオペレーションのフローがあるので語学力はそこまで求められないんです。時給は高くありません。)

われわれ日本人にとっては日常食である牛丼だからこそ、日本の物価の指標にもなりますし、労働問題として見た場合も一消費者として身近に感じますね。またインターナショナルな視点からすると、肉食を禁じていない日本の食文化だからこそおいしく牛肉をいただけるというのも、ぜひ心に留めておいていただきたい点です。今後は心から味わって牛丼をいただきましょうね!

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