推測・確信・疑い —「思う」はthinkだけじゃない

単語・フレーズ
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 日本語を話す時にとても便利に使われる言い方の1つが「〜と思います」です。これを英語にする時に、まず思い浮かべるのがthinkやbelieveですが、他にもsupposeやconsiderなど「思う」にあたる動詞がいくつもあります。これらを意識して使い分けていますか?ほとんどの場合にthinkを使っているのではないでしょうか。今回は「思う」を表す動詞の意味の違いを見ていきましょう。

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■(1)thinkとbelieve

1.thinkは頭を使うこと。確信度はさまざま
 英英辞典を見ると、supposeやconsiderの意味がthinkを使って書かれています。一方、thinkの意味はto have a particular ideaのように、「頭を使うこと」全般で、日本語の「思う」を表す動詞の中で一番幅の広い基本的なものです。たとえば次の2つの文を比べてみてください。

・I thought I heard something.
  何か聞こえたような気がした。
・I think he is unfair.
  彼はフェアではないと思う。

 最初の文では、本当に聞いたのかどうか、どの程度確かなのかがわからない感じですが、2番目の文は言い切っているような印象も受けます。このようにthinkは後に続く内容によっても、また会話ならば言い方によっても意味が違ってきます。不安そうに言えば「どうでしょうか?」、キッパリ言えば「絶対〜だと思います」という気持ちを表すことができます。

2.believeはthinkより主観的
 同じように、believeの意味も「~かな?」から「絶対~だと思う」までありますが、believeは「事実には基づいていないけれど自分はそう思う」という意味で、より主観的です。服のサイズを聞かれて「8だと思います」という時、”I think it’s 8.”と答えると思いますが、この場合の「思う」は本当かどうかわからずに話しているので、”I believe it’s 8.”の方が良いケースです。

 こうした違いはありますが、この2つの動詞は意味の幅が広いので思わぬ誤解を生む恐れがあります。そこで、ここからは意味のはっきりした「思う」を表す英単語の使い分けを見てみましょう。

■(2)推測する時の「思う」

1.guess:「どうも〜だろう」
 guessには「~かな」といった意味合いがあり、thinkより推測のニュアンスが強くなります。

・I guess Helen won't be able to come to the meeting.
  ヘレンは打ち合わせに来られないのではないでしょうか。

2.suppose:「〜という気がします」
 supposeも推測を表し、会話ではguessとほぼ同じ意味で使いますが、guessはイギリス英語、supposeはアメリカ英語で使われる頻度が高い単語です。

・I suppose he was right to say so.
  彼がそう言ったのは正しかった気がします。

 ところで日本語の「ゲス」はguessと全く関係ありませんが、英語のguessとsupposeとでは、supposeの方が品の良い印象があります。やはり音の響きが何となく影響しているのかもしれません。

*be supposed to〜
 supposeの使い方でよく出てくるのが「be supposed to+動詞」の形です。これには次のような場合があり、必ずしも推測とは限りません。

〜しなければならない(shouldに近い意味)

・We are supposed to check out of the hotel by 11 o'clock.
  11時までにホテルをチェックアウトしなければなりません。

〜を期待する、目指す

・The new rule is supposed to prevent mistakes.
  新しいルールによってミスを防げると期待されています。

〜だろう、〜と思われている

・Donald is supposed to have a lot of money.
  ドナルドはお金持ちだろう。

これは推測の意味を表す使い方ですね。

3.seem:「〜のように見える(思える)」
 It seems (to me) that〜 も推測を表します。

・It seems that we have no choice.
  どうも選択の余地はなさそうです。

 これらを使った場合には、断定したり強い確信を持っていたりすると思われることはありません。後で逃げる余地を残しているとも言えます。

■(3)確信がある時の「思う」

1.be convinced:「〜という確信がある」
 何かの根拠があって「〜と確信している」という時にはbe convinced that〜を使います。

・I'm convinced that we can avoid a serious problem if we act now.
  今行動すれば深刻な問題にはならないと確信しています。

2.be sure:「絶対に〜と思う」
 これも強い確信がある時ですが、be convincedよりも主観的な見方として「絶対に〜と思います」という時に使います。

・I'm sure that this is the best alternative.
  代案としては絶対にこれが最高です。

■(4)疑う時の「思う」:suspectとdoubt

 どちらも疑わしいと思う気持ちを表すsuspectとdoubtですが、次の2つの文で、「彼がお金を持ち逃げした」と思って(疑って)いるのはどちらでしょうか?

・I suspect he made away with the money.
・I doubt he made away with the money.

 正解はsuspectです。suspectの意味はto think that something is probably trueなので、「彼がお金を持ち逃げした」ということが恐らく本当だろうと思う、つまり「私は彼がお金を持ち逃げしたと疑っている」ということです。また、この例のようにsuspectは悪いイメージを持っている時(否定的な意味合いで疑う時)に主に使います。

 一方、doubtの意味はto think that something may not be true or that it is unlikelyなので、「彼がお金を持ち逃げした」というのは本当ではないだろうと思う、つまり「彼がお金を持ち逃げしたかどうかは疑わしいと思う」になります。

■(5)よく考える時の「思う」:consider

 considerは「熟考する」「よく考える」という内容の時に使います。

・I seriously considered working in Osaka.
  私は大阪で働こうと本気で思った。

 「〜を考慮にいれる、考慮する」という日本語を表す英語の表現にtake 〜 into considerationがあります。これと一緒に覚えるとconsiderの意味がさらにはっきりすると思います。

・We need to take inflation into consideration.
  インフレを考慮する必要がある。

 なお、この表現で考慮する内容にあたる部分が長い場合は、takeのすぐ後に置くよりも次のようにtake into considerationを先に言ってしまう方がわかりやすくなります。

・We took into consideration the specific circumstances of the people who had to move from their home country.
  母国から移住しなければならなかった人々の事情を考慮した

 たしかにthinkは便利なのでつい使ってしまいがちですが、状況に応じた「思う」の動詞はこのようにいろいろあります。個人的な会話に限らず、特にビジネスの場合での会話ではthink以外の「思う」を適切に使えることが大切です。

 上手に使い分けて、正確なコミュニケーションに役立ててくださいね!

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