経験や見聞に無駄なことはない!「How You Know」から学ぶ

映画・本のフレーズ
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本を読んでも、なにかを経験しても、すぐに忘れてしまう。しかし、今まで学んできたことは記憶では忘れていても、行動ではかならず生きてくるものなのです。そう考えると、無駄なことなんてないんだということを、つくづく気付かさせてくれるものです。

今回、紹介するポールグラハムのエッセイ「How You Know」では、そんな、これで大丈夫なのかという不安を消し去ってくれるような勇気がでてくる内容になっています。
(原文:http://paulgraham.com/know.html

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:数学者Hilbertの引用

Hilbert had no patience with mathematical lectures which filled the students with facts but did not teach them how to frame a problem and solve it. He often used to tell them that "a perfect formulation of a problem is already half its solution."

Hilbertは学生たちに事実を詰め込むような数学の講義に我慢がならなくなり、問題を枠組みに落としたり、その解答法を教えるようなことはしませんでした。彼はしばしば学生たちに向けて「問題の完璧な定式化を行うことは、既に半分も解答ができたも同然だ。」と話しました。

・have no patience with:〜に我慢ならない
・fill A with 〜:Aに〜を詰め込む

Hilbertは、ドイツの数学者であるDavid Hilbertを指します。彼は抽象代数学、積分、幾何学など多岐にわたる分野で業績を残しました。事実を覚えることは既に忘れてしまうがために意味はありません。Hilbertとポールは、学んだことを忘れてしまっても、学んだものは残ると続けます。

:読むことや経験することは、どこに行ってしまうものなのか

Reading and experience train your model of the world. And even if you forget the experience or what you read, its effect on your model of the world persists. Your mind is like a compiled program you've lost the source of. It works, but you don't know why.

読むことと経験は、その人自身の世界観を形成します。そして、経験や何を飛んだかを忘れてしまったとしても、それらはあなたの人間形成に影響を与え続けるのです。あなたの精神はソースをなくしたまま、コンパイルされたプログラムのようなものです。動作はするのですが、なぜ動作するのかが分からないのです。

・even if 〜:たとえ〜したとしても
・what you read:あなたが読んだもの

「ソースをなくしたままコンパイルされたプログラム」という表現は、極めてプログラマー向きの言葉ではありますが、経験したことを忘れてしまっても、本能的に身についていることはよくありますよね。上司に怒られて直した癖も、今ではちゃんとできているものの、それがなぜ出来ているかといえば、怒られたことを思い出せないこともよくあります。

:追体験する技術はどんどん進んでいく

Intriguingly, this implication isn't limited to books. Technology will increasingly make it possible to relive our experiences. When people do that today it's usually to enjoy them again (e.g. when looking at pictures of a trip) or to find the origin of some bug in their compiled code (e.g. when Stephen Fry succeeded in remembering the childhood trauma that prevented him from singing). 

But as technologies for recording and playing back your life improve, it may become common for people to relive experiences without any goal in mind, simply to learn from them again as one might when rereading a book.

面白いことに、この意味するところは本に限ったことではありません。科学技術の発展によって、自らの経験を追体験することがより可能になってくることでしょう。今日、人々がそれを行うためには、再び思い出してみる(旅行の写真を眺めるなど)、もしくはコンパイル済みのコードに潜んでいるバグの原因を探すこと(Stephen Fryは歌えない原因となっていた子供のころのトラウマを思い出すのに成功したように)です。

しかし、人生を記録したり再生したりする技術が進むにつれて、本をひたすら読むように、心に目標を持つことなく、経験から学ぶために過去の経験を追体験することがが日常的になってくるのかもしれません。

・intriguingly:好奇心そそる、面白い
・implication:包含、意味の含み
・relieve:痛みを和らげる

スマートフォンの機能や、ソーシャルメディアの発展により、現在の出来事をすぐに残す習慣ができましたよね。友達と1年前に旅行したことから、カフェでお茶をしたことまであらゆることが記録されています。これをいつでも思い起こすことができるようになっています。

:学ぶことでもっとも大切なことは何なのか

Eventually we may be able not just to play back experiences but also to index and even edit them. So although not knowing how you know things may seem part of being human, it may not be.

ついには、経験を再生することだけではなく、索引をつけたり編集することなんかもできるようになるかもしれません。どのように人々が人間であることの部分を自覚しているかどうかは分かりませんが、本当はそうではないかもしれないのです。

eventually:最終的には

過去を編集したり、索引するような未来は想像がつき難いものではありますが、あながち近い将来やってくるものなのかもしれません。ソーシャルメディアも然り、これから出てくる科学技術には良いことばかりではなく、たくさんの危険や反論も出てくるかもしれません。

そんな時に、自分にとってなにが優先順位の高いものかを経験からきちんと読み取って、選んでいくことが大切ですね。このエッセイが意味しているように、学んだものは必ず生きてきます。無理矢理詰めこむのではなく、柔軟に取り組んでいきましょう。

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