「バフェット氏、アップル株に投資」にとまどう投資家

 アメリカの投資家ウォーレン・バフェット氏の投資会社バークシャー・ハサウェイがアップルの株式に初めて投資したことがわかりました。IBM以外のハイテク株にはほとんど投資しなかったバフェット氏がアップル株を購入したことは、マーケットを驚かせました。

 投資関連の用語を中心に、英語力をアップしましょう。(英文は、”Who’s right on Apple: Buffett or Icahn?” USA Today 2016/5/16)

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☆アイカーン氏は売ったのに・・・

Billionaire investors Warren Buffett and Carl Icahn are squaring off over Apple, making it hard for copycats to know who to follow.
 大富豪の投資家ウォーレン・バフェット氏とカール・アイカーン氏が、アップル株に対して正反対の投資行動に出たため、市場のコピーキャット(模倣者・追随者)たちはどちらに乗るべきかわからなくなっている。

(単語チェック)
・square off:攻撃の構えをする、にらみ合う
・copycat:模倣者、サル真似投資家
 投資は自分の判断でするもの、とは言っても実際には専門家と個人では情報量も違います。そこで、有力な投資家や著名アナリストの売買についていけば大怪我はしないだろうという投資家(個人には限りませんが)が「コピーキャット」。
 もっとも、海外の先物市場の参加者はほとんどチャート分析の「権威」が推奨する売買タイミングにそのまま従うので、結果的にコピーキャットの存在が市場を大きく動かすことがよくあります。

Buffett’s Berkshire Hathaway disclosed Monday it took a roughly $1 billion stake in beaten-down shares of the gadget maker.
 バフェット氏のバークシャー・ハサウェイは月曜日(5月16日)に、このところ売られ続けていた(アップルの)株式を約10億ドル(約1080億円)相当購入したことを公表した。

(単語チェック)
・take a stake in:~に出資する、〜の株を取得する
・beaten-down:疲れ果てた

 stakeは「賭ける(動詞)/賭け金(名詞)」から株式関連で「出資する/出資金」という用語として重要です。
 日本語としても使われる「ステークホルダー(stakeholder)」は、企業・行政・NPOなどの利害と行動に利害関係を持つ人(利害関係者)のこと。具体的には、消費者(顧客)、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関など、幅広い主体が該当します。

 アップルはiPhoneの売上が伸び悩んで16年1~3月期は減収となり、株価も下がっていました。アップル株と言えば、やはり大物投資家で「乗っ取り屋」としても知られたカール・アイカーン氏が、自社株買い要求に応じないアップル社への不満もあって売却したばかりだったため、「どちらの判断が正しいのか?」ということも話題になりました。

The news came just days after Carl Icahn and a litany of other well-known hedge fund managers said they have been dumping the stock.
 そのニュースが出るほんの数日前まで、カール・アイカーン氏や、うんざりするほど多くの著名なヘッジファンド運用者がアップル株を投げ売りしていたことを明らかにしていた。

(単語チェック)
・a litany of:嫌になるほどたくさんの
 litanyはキリスト教の祈りの形の一つである「連祷(リタニ)」のこと。(よほど長く繰り返されるのでしょう。)
・dump:投げ売りする
 国の間の貿易でよく問題となる「ダンピング」(不当に安く売ること)のdumpです。

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☆投資スタンスの違い

 そもそも、バフェット氏がアップル株に投資したことは彼の投資行動としては異例だったので、マーケットでは驚きの声が上がりました。バフェット氏はハイテク株にはあまり興味がないことで知られています。

Buffett holds stocks for a long time and is tolerant of short-term volatility if he sees long-term value.
 バフェット氏は株を長期保有し、長期的に投資価値があると認めた株が短期的に乱高下しても動じることはない。

(単語チェック)
・tolerant:耐える、寛大な
・volatility:乱高下
 
 volatilityはここでは「乱高下、変動」で、形容詞volatile(変動しやすい)の名詞形ですが、投資・運用ではこれも重要単語です。
 運用用語としては証券などの価格の「変動性、変動率」のことで、ボラティリティが高い=リスクが大きいという意味になります。(通貨オプションの取引をされている方には必須ですね。)

 一方、アップル株を売った側のアイカーン氏について、記事では次のように紹介しています。

Icahn, on the other hand, is known for finding short-to intermediate-term opportunities in stocks he thinks should be worth more by putting cash to best use.
 一方、アイカーン氏は短期的・中期的な収益機会を狙った投資をすることで知られており、企業が手持ち資金を最大限有効活用すればさらに価値が上昇すると見込んだ場合、その銘柄に投資する。

 これは、アイカーン氏がいわゆる「物言う株主」だということを表しています。「企業が手持ち資金を最大限有効活用すれば」というのは、たとえばもっと研究開発費を増やせとか、大幅な人員カットをしろとか、大株主として会社の経営者に迫るのです。

 株式会社の最大の使命は、社会貢献や人々の利便性ではなく、株主の利益の最大化です。そして株主というのは、株を保有している間は配当を確実に受け取り、必要な時に高く売れればいいので、その可能性がある会社に出資しています。その目的を達成するために、会社の経営に対して意見するのが「物言う株主」です。

 アップル株についても、アイカーン氏は2013年に「アップルは過少評価されているので、自社株買いをするべきだ」とティム・クック会長に提案しました。(アップルが市場の株式の一部を買い取れば1株あたりの価格が上がります。)この時アイカーン氏が自分のツイッターでこのことを明らかにしたため、市場では思惑だけで株価が5%(時価総額2兆円以上)上昇しました。

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☆ 最後に笑うのは?

 世界中の投資家は、多かれ少なかれこの2人に代表されるどちらかの運用姿勢にもとづいて投資しています。ではアップル株の今後について、双方はどのように見ているのでしょうか?

Short-term investors have good reason to be concerned, clearly given the direction of Apple’s stock and profit.
 短期目線の投資家にとって、アップルの株価と業績の動向を見れば懸念材料が多いと考えるのはもっともだ。

(単語チェック)
・given:~を考えると、~を前提として

But longer-term investors can make a case Apple’s slowdown is now priced into the stock and setting it up well for future gains.
 しかし長期的な投資家から見れば、アップルの業績の鈍化は現在の株価に織り込まれており、株価は将来の上昇を待っている状態だと分析することができる。

(単語チェック)
・make a case:証拠を挙げて自分の主張の正しさを説明する
・priced into:価格に織り込まれて

 この2つの見方について、記事の筆者はバフェット支持で、「長期的にはバフェット氏は利益を上げるだろう」と書いています。彼がこの方法で富を築いてきたという事実は否定できないようです。あなたは、どちらが正しいと思いますか?

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