ビジネスの表現力をアップする動詞表現7選

ビジネス基本表現
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学校で教わったり日常英会話で覚えたりする単語や表現の中には、ビジネスの場面では少し違う意味の方が頻繁に使われるものがあります。特に基本的な動詞の表現の場合は、それを知らないととまどってしまうことがあります。

今回はそうした重要な動詞表現をご紹介します。

cut back

cut1語だと「切りつける」という意味から「欠席する」、経費などを「カット(削減)する」までさまざま意味がありますが、cut backはビジネスでは「人員を削減する」「経費を削減する」の意味が重要です。

We had to cut back 300 jobs last year.
 昨年は300人の雇用をカットしなければならなかった。
We cut back costs, so we didn't have to cut back jobs.
 経費を削減したので人員削減はしなくて済んだ。

人員削減を日本で「リストラ」と言いますね。これは英語の「再編成、再構成」を表すrestructuringを縮めたものですが、英語でrestructureと言っても人員削減の意味はありません。「リストラ」を英語で言うなら名詞cutbacks(複数形になります)だと覚えましょう。

余談ですが、和製英語やいわゆるカタカナ語の中には、本当の英語の表現の手がかりになるものも少なくありませんが、略語はそのまま使ったらまずダメです。ニューヨーク駐在の日本人はGeorge Washington Bridgeを「ジョーワシ」、マンハッタンにある鉄道の駅Grand Central Stationを「グラセン」などと言いますが、これは日本人以外には通じない、あくまで「日本語」です。

look for

look forの「〜を探す」という意味は句動詞の基本中の基本ですが、ビジネスでこの「探す」は「人」を探す、つまり「募集する」という状況で使われます。

Excuse me, but I'm looking for the interview room.
I heard you are looking for someone in Sales.

 すみません。面接会場を探しているのですが。
 貴社で営業部の人材を募集していると聞きました。

実際には、わざわざ同じlook forをこのように続けて使わない方がいいですが、比較のために例としました。

なお、場所を尋ねる時にはWhere is 〜? よりもI’m looking for 〜 の方が柔らかい表現になります。Where 〜 は相手が知っていると決めつけている印象を与えますが、I’m looking for 〜 なら相手はともかく「自分が知らない」から尋ねていることが伝わるためです。

miss

missは応用範囲の広い単語で、基本の意味は「〜しそびれる」ということです。ここから、乗り物「に乗り遅れる(を逃す)」、行事などに「出席できない」、「〜がない(いない)のを残念に思う」などまであります。

(1)乗り遅れる

I'm sorry, I'm late. I missed the train.
 遅刻して申し訳ありません。電車に乗り遅れて。

(2)聞き逃す

What happened to X Company? I missed the news this morning.
 X社に何があったの?今朝ニュースを聞き逃しました。

(3)(機会などを)逃す

I'm sorry, I missed your visit today.
 今日ご来社いただいたのに、不在をしまして申し訳ございませんでした。

(4)〜がいないのを寂しく思う

We'll miss Mr. Kawabata. It was so nice to work with him.
 川端さんがいなくなるのは残念です。素晴らしい仕事のパートナーでしたから。

この4つの例のうち謝罪の場面が2つありますが、missは謝る時に便利な表現です。I’m sorryの後には理由を言いますが、その時にmissを使うと「私の意に反して」という状況を伝えることができます。

organize

organizeは、organization(組織)につながる「組織化する」という意味でも使いますが、もっと日常的な使い方として「整理する」という重要な意味があります。

スケジュール管理に使うダイアリーが、よく「プランナー」とか「オーガナイザー」という名前で売っていますね。この「オーガナイザー」は、やるべきことを整理して仕事を進めるための道具という意味で名付けられています。

Would you organize these papers?
 この書類を整理していただけますか?
I'll organize the postcards for you.
 私がはがきの整理をしておきます。
You have to organize your thoughts first.
 あなたはまず自分の考えをまとめなさい。

また、organizeが日本語の「片付ける」にあたる場合もあります。

He's not organized.
 彼は片付け(整理整頓)がへただ。

run

「走る」のrunも、ビジネスでは重要単語です。会社を「経営する」、組織を「運営する、管理する」、仕事を「担当する」の意味で、とても使用頻度が高い単語です。

(1)経営する

He runs a bookstore in Manhattan.
 彼はマンハッタンで書店を経営している。

(2)運営する

Who runs your web page?
 誰がウェブページを運営しているのですか?

(3)担当する

Mr. Brown has been running Accounting for three years.
 ブラウン氏は経理を3年間担当しています。
May I ask who runs Marketing?
 どなたがマーケティングのご担当ですか?

take care of

take care ofの「世話をする」という意味は最初に習うと思いますが、ビジネスでは人の世話をするだけでなく、案件や問題についても使う機会が多い表現です。

(1)(用件)を片付ける、済ませる

We have to take care of the paperwork as soon as possible.
 ペーパーワーク(手続き)をできるだけ早く済ませなければならない。

(2)(問題)に対処する

Would you take care of the budget issues?
 予算の問題に対処してもらえますか?

(3)(顧客を)応対する

I'll take care of Mr. Smith for you.
 あなたの代わりに僕がスミスさんを応対する。
Is someone taking care of you?
 ご用件は承っておりますか?

最後の例文のケースですが、someoneを使っているので「もう誰かが応対しているはず」という気持ちを表しています。これがanyoneだと、まだ誰も用件を聞いていないかもしれないという意味になります。someとanyの意味の違いとして注意してください。

transfer

transferというと、電車などを「乗り換える」が最初に浮かぶでしょうか?転勤族ならまさに「転勤する」という意味が頭から離れないのではありませんか?経理担当ならお金を「送金する、振り込む」かもしれません。

(1)乗り換える

You have to transfer at Shinjuku Station.
 新宿駅で乗りかえないといけません。

(2)転勤させる
 *get transferredで「転勤する」になります。

I got transferred to London last month.
 先月ロンドンに転勤になりました。

(3)振り込む

Can you transfer my salary to a bank in London?
 給料をロンドンの銀行に振り込んでもらえますか? 

(4)転送する

Can you transfer my call?
 この電話を転送してもらえますか?
 (間違った部署にかけたことに気づいた時)

いかがでしたか?ビジネスのテクニカルターム(専門用語)も大切ですが、動詞はどんな場合にも文の中で最も重要な要素です。

動詞の意味を取り違えると、文全体がまったく違う方向に行ってしまい、話が通じなくなります。今回の動詞、例文の中で1つでもご参考になれば嬉しいです。

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