お洒落な英文のヒント~英語に織り込む外国語

こんな時にこんなフレーズ
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英語には、ラテン語やその周辺言語が語源になっている言葉がたくさんあります。
しかし、それらはすでに「英語」になっていますので、私たちはもはや意識することもありません。

でも、元の言語のまま英文の中で使われている言葉や表現も結構あるものです。
例えば、P.S.、etc、あるいはi.e.など、皆さんもご存じでしょう。これらはすべてラテン語の表現です。

P.S.は、Post(後で) Script(書く、記す)、つまり「追伸」または「あとがき」を意味する略字ですね。

そして、etcはet cetera。「~など」の意味でお馴染みです。

i.e.は id estを略したもの。英語にすると、that is (すなわち)となります。

Tanzania has three major icons, i.e. Mt.Kilimanjaro, safari at national parks and Zanzibar island.
(タンザニアでよく知られているものが3つあります。すなわち、キリマンジャロ山、国立公園でのサファリ、そしてザンジバル島です。) 
People are encouraged to stop using charcoal and start using alternative source of energy, i.e. gas.
(人々は、石炭の使用を止め、代替エネルギー、すなわちガスを利用することが求められています。)

Nota Beneの頭文字、N.B.というのもよく使われますね。英語に訳すとNote Well、すなわち「注意せよ」。「注記」の意味で文章の最後などでよく見かけます。

N.B. As long as stocks last. (注:在庫がなくなり次第終了)
N.B. Special rates are valid until end of January. (注:特別料金の有効期限は1月末まで) 

このように、英語の中にはラテン語をはじめとする様々な外国語の表現が取り込まれています。
英文を書くときにそれらをさりげなく織り交ぜて、“洒落っ気”を演出してみませんか?

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■ラテン語の表現

知識人の教養とされていたラテン語の表現は、ビジネス文書など固い文章の中でよく使われています。

・ad hoc
臨時の、その場限りの。

We will cope with it by organizing an ad hoc team.(臨時のチームを編成して対処します。)

・per
perとは、「~あたり、~につき」という意味です。パーセント/per cent(%)とは、文字通り「100あたり」という意味だということが分かりますね。

Room charge $100 per night.(室料一晩100ドル)
Please take one set per person.(一人1セットずつお取りください。)

per annum (1年あたり) 

annumはanualやanniversaryと同源で「年」を意味します。

Consumption rate per annum.
(一年あたりの消費量)
Infant mortality per annum was remarkably dropped.
(年あたりの乳児死亡率が著しく下がった。)

perは他に、「~に従って」という意味にもなります。

The issue shall be handled as per instruction.
(その件については、指示に従って対応すること。)
We are sending you some samples as per your request.
(ご要望どおり、サンプルをお送りいたします。)

・pros and cons
proは賛成または長所、conは反対または欠点のこと。

Discussion over the pros and cons of the new management system. 
(新しい管理体制に関する賛否についての議論)
Economic development always has its pros and cons. 
(経済発展は、常に長所と欠点を持ち合わせている。)

・sine qua non
なくてはならないもの/必須条件という意味です。

Mutual understanding is the sine qua non for the successful partnership.
(パートナーシップを成功させるには、相互理解が必要不可欠である。)

・status quo
「現状」。政治的、経済的は現況について使われることが多いです。

The purpose was to maintain the status quo.
(その目的は、現状を維持することだった。)

・flora and fauna
特定の地域や年代における植生(flora)や動物(fauna)のこと。

Tourists were totally fascinated by the amazing flora and fauna of Africa.
(ツーリストたちは、アフリカの自然にすっかり魅了されてしまった。)

■フランス語の表現

フランス語の表現も、実は結構身近に使われています。

・パーティやイベントの招待状の最後によく「RSVP」という表記されていますね。
フランス語の「Répondez s’il vous plaît」の略で、Please respond/reply=「ご返信ください」の意味です。
フォーマルな会合からカジュアルなホームパーティまで形式を問いませんので、機会があったらぜひ使ってみましょう。

・エアメール用の封筒に「Per Avion」と書かれているのに気付いたことがありますか? フランス語で文字通り、「飛行機(航空便)にて」という意味です。
でも、なぜ英語ではなくフランス語なのかと不思議に思われませんか。

郵便業務や国際郵便制度は、万国郵便連合(Universal Postal Union)という国際機関によってつかさどられていますが、その機関で唯一の公用語とされているのがフランス語であるためです。
連合発足時の19世紀は、まだフランス語がLingua Franca(世界の共通語)だった名残ですね。

なお、Per Avionの代わりにVia Air Mailと書くこともできます。
Viaはラテン語で「道」の意味。長じて「~によって、~を経て」という意味になり、by means of ~や by way of ~ と同じように使えます。

I will let you know via e-mail. (メールにてご連絡します。)
He will be coming to Japan via Dubai. (彼は、ドバイ経由で来日予定です。)

ちなみに、道の途中で立ち寄るときはen route to/from/forという表現があります。on the way to/from/forの代わりに使えます。routeはフランス語でルート・道の意味です。

He stopped in Nairobi en route to Dubai. 
(彼は、ドバイに行く途中でナイロビに立ち寄った。)
We are planning to take a road trip from Dar es salaam to Cape town, planning to stop in Malawi and Mozambique en route.
(私たちはダルエスサラームから、途中マラウィとモザンビークに寄って、ケープタウンまで陸路での旅行を計画しています。)

・enつながりでen masseという表現もご紹介しましょう。
masseは、マスメディアのマス(mass)と同じです。en masseはin a mass、つまり「塊で」、「まとまって」、「一緒に」などの意味になります。

Senior officers were dismissed en masse for bribery.(収賄により、高官たちがまとめて更迭された。)

・ところで先日、私の住んでいるタンザニアの英字新聞(THE CITIZEN紙)を見ていたら「Laissez-faire management」という言葉が使われていました。

2015年11月にタンザニアの新大統領に就任したジョン・マグフリ(John Magufuli)氏は政府の汚職追放を掲げ、就任直後から息もつかせず大なたを振るってきました。道義に反する現場に立ち会うと、有無を言わさず即その場で大臣をも更迭するという素早さです! 長年汚職が蔓延していた社会で、胸のすくようなresult-oriented(結果重視)の施策は庶民の喝采を浴びてきました。

しかしながら、それもある程度に達すると、今度は逆にsign of autocratic style of management(独裁の兆候)ではないかと批判的な声も上がってきます。
記事は、そんなマグフリ大統領の手法をキクウェテ(Kikuwete)前大統領のものと比較し、後者をlaisse-faire managementと表現していたものです。

Laissez-faireとは直訳で「なすがままに」。つまり自由放任主義、不干渉主義という意味で、特に経済活動などにおいて政府が関与しないという文脈で使われることが多い表現です。

■そして、イタリア語も

英文中に見られるイタリア語表現もいくつか挙げてみましょう。

・ミケランジェロやラファエルの作品で有名な「フレスコ画」。Tour de force(芸術作品の傑作。あるいは離れ技)がたくさん残されていますね。
天井や壁に塗ったしっくいが乾かない“フレッシュ”なうちに絵具で描くことから、フレスコ/fresco(fresh)画法と呼ばれているものです。

そのfrescoを使った「al fresco」という表現があります。空気のフレッシュな「戸外で」という意味になります。

This garden is ideal for al fresco meals! (この庭園は、外で食事をするのにぴったりだ!)

・incognito
直訳するとnot known。「身分を知られずに」、すなわち「お忍びで」という意味の言葉です。
オードリー・ヘプバーンが一躍有名になったアメリカ映画「ローマの休日/Roman Holiday」で、アン王女は一日だけのprincess incognitoとしてローマの街を冒険し、「普通の女の子」を満喫したのでしたね。

Food critics visit restaurants incognito.
(料理評論家は、身分を隠してレストランを訪ねる。)
Travel incognito
(お忍び旅行)

■まとめ

いかがでしたか。
いつもの文章にラテン語の表現を交えると、ちょっと知的な雰囲気を出せますし、フランス語やイタリア語を混ぜたらちょっとした遊び心を演出できそうです。どれも小さなフレーズばかりですので、気楽に試してみませんか?

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