日本の食文化を外国人に説明してみよう(鍋料理編~石狩鍋・ちゃんこ鍋)

こんな時にこんなフレーズ
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前回の記事に続いて、今回も外国人に「鍋料理」を説明するときの例をいくつかご紹介いたします。代表的な鍋料理のすき焼き/しゃぶしゃぶのほかに、日本でメジャーな鍋料理にはどんなものがあるでしょうか。

その①「石狩鍋」は外国人にとっては味噌汁の延長

北海道の石狩市発祥と言われる「石狩鍋」ですが、日本人のソウルフードのような存在で、地域を問わず広く食されていますね。ひと口すすればホっとする”味噌仕立てスープ”がその人気の理由と言えるでしょう。具材には海鮮と野菜、そして最後にバターをひとかけら。こういった定義を外国人に説明できれば大丈夫です。

ただ実際には、ガイド現場で外国人旅行客にあれこれ説明はするものの、「Ah, a kind of miso soup!」と反応されるんです。結局のところ、味噌汁の変形バージョンなんでしょ? と聞かれれば、確かにそうだと答えざるを得ません。
お客さんどうしの反応を見ていると、「A big portion of miso soup」と言っていたり、「giant size of miso soup」なんて言っていたりしますから、彼らの理解のベースにはどうしても”味噌汁”があるようです。
本来ならば味噌汁と鍋料理では料理の提供のしかたが違いますし、何より具材のゴージャスが全然違いますから、われわれ日本人にとってはまったくの別物なんですけれどね…。

・Ishikari-Nabe is a type of Japanese hot pot dish. This is originally from Ishikari city, Hokkaido.
(石狩鍋とは日本の鍋料理の1つです。北海道石狩市に由来します。)

・Salmon and vegetables are mainly used for ingredients. Chinese cabbage and mushrooms are often chosen.
(鮭と野菜が主の材料に使われます。なかでも白菜としいたけがよく使われますね。)

・Basically they’re stewed in a miso-based broth but you can add a spoonful of butter for mildness.
(それらは味噌がベースとなっただし汁で煮込まれるのが基本なんですが、マイルドに仕上げるのにスプーン1杯分のバターを足してもいいですよ。)

・Some people add milk into the pot! Believe it or not, miso and milk make a perfect harmony!
(牛乳を入れる人だっているんですよ! 意外に思われるかもしれませんが、味噌と牛乳ってすごく合うんですよ!)

・In a sense, it’s true that it looks like a big size of miso soup. But miso soup is just a side dish along with a main dish. Ishikari-Nabe can be a proper main dish on the other hand.
(ある意味、味噌汁の大きいバージョンに見えるというのは確かにそうだと言えるんですが、味噌汁というのはメインディッシュがあってのサイドディッシュにしか過ぎません。これに対して石狩鍋はきちんとメインディッシュにもなれるんです。)

その②「ちゃんこ鍋」は相撲の説明とセットで

 日本人でも食べたことがある方は少ないかもしれませんが、「ちゃんこ鍋」は外国人観光客にとってガイドブックで必ず目にする代表的な日本食の1つです。相撲、つまり Japanese wrestling があまりにも有名なので、相撲力士たちのあの屈強な体を作る「ちゃんこ鍋」レシピは外国人にはミステリーに映るようです。
なお、「ちゃんこ鍋」という正式名称よりも俗称の「Sumo soup」のほうがガイド現場では多く使われています。

「一緒に食べてみませんか?」と誘ってみれば、「いえ、No thank youです!食べたら太っちゃうでしょう!?」と返ってくることもあります。効率よいカロリー摂取のために、ひたすら高カロリーな鍋を食べる、と思われているようですね。
その誤解を解きつつ、的確に「ちゃんこ鍋」を説明してみましょう。

・Chanko-Nabe is the dish that every single Japanese citizens has ever heard of, but not all of us have never tried before. Chanko-Nabe is developed for sumo wrestlers.
(日本人ならだれでも「ちゃんこ鍋」の名を聞いたことがありますが、全員がそれを食べたことがあるわけではありません。相撲力士たちのために生まれたものなんです。)

・Chanko-Nabe is not available at any place of Japan. Chanko-Nabe restaurants are highly centered in east Tokyo.
(ちゃんこ鍋は日本中どこでも食すことができるわけではありません。ちゃんこ鍋を提供している店は東東京のほうに固まっています。)

・Do you think you will gain weight in a single day after you eat this?  Definitely not! If you eat this daily and have another or third, fourth servings, you could be fatter.
(これを食べてたった1日で体重が増えると思います? いいえ、ありえませんよ! もしこれを毎日食べ続けて、しかも3杯も4杯もおかわりしていれば別ですけどね。)

・Sumo wrestlers are living together as a team. Their accommodation has a training room within the same building. They spend time almost 24 hours, therefore, they eat together, every three meals a day.
(相撲力士たちはチームとして同居しています。宿泊所には同じ建物内にトレーニング室があります。ほぼ24時間をともに過ごしますから、食事も一緒です。毎日3食ともです。)

・Chanko-Nabe is appreciated in sumo culture for several reasons. It can be cooked easily, and big portion is made at one time. It also offers well-balanced nutrition. Chanko-Nabe is an ideal daily dish.
(ちゃんこ鍋はいくつかの理由で重宝されています。簡単に、しかも一度で大量に調理でき、栄養バランスもよいため、理想的な日常食として食されています。)

・Ingredients are stewed enough to lesson the risk of food poisoning. Chanko-Nabe is suitable for sumo wrestlers’ group life.

・(材料は十分に加熱しているので、食中毒の心配もなく、相撲力士たちの集団生活に適しています。)

・Sitting together around the hot pot helps to boost togetherness.
(みんなで熱々の鍋を囲むことで連帯感も生まれます。)

・On top of Chanko-Nabe, sumo wrestlers eat other dishes such as deep-fried chicken, curry and rice, to keep their heavy weight.
(ちゃんこ鍋に加えて、相撲力士たちは体重キープのためにほかのものも食べます。鶏のからあげやカレーライスなどがそうです。)

日本人の読者のみなさまも、ぜひ一度なにかの機会で「ちゃんこ鍋」を食してみてくださいね! お読みいただきありがとうございました。

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