東京都における中学受験、英語を軸に置くなら?

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こんにちは。ころすけです。東京都在住の2児の母です。ただいま長女が小4ですが、中学受験を意識して小3の2月から学習塾(国算理社)に通い始めました。幼稚園はインターナショナルスクールに通っていたので、「英語は少しできる」状態ではあります。それを念頭に置いて中学受験を始める場合、どのようなことに注意して学校選びをしていくべきでしょうか。保護者目線でいくつか書き綴ってまいりたいと思います。

また前提として、うちの娘の国算理社の4科目合計成績はきわめて標準レベルであることをまずここで共有しておきたいと思います。偏差値が高くて有名なところは学力的に無理、また偏差値が高くなくても”お嬢様”系の学校だと経済的に無理、よって学校に求めるものって我が家の場合はどうしても「英語の徹底的な指導」になってしまうんですよね。なにかしら人より光るものが少しでもあれば、そこを伸ばしてやりたいと思うのが親心。同じように英語に重点を置いてお子さんの学校選びをなさる読者様もいらっしゃるかと思い、個人的に思うところをいくつか述べてみました。

英語の授業数を見よう

英語教育を中心に据えてお子さんの進学先を選ぶのであれば、1週間あたりの英語の授業数は真っ先に見るべきポイントでしょう。教科横断型授業も増えてきたとはいえ、各学校がそれなりに解釈した「英語の授業数」を中学受験情報誌に提供していますから、基本的にはその情報誌の表をもとに比較するのがよいでしょう。
英語の授業の最低コマ数は、中学で週5回です。偏差値が60を超える有名な都立中高一貫でも、週5回が主流なのが特筆しておきたい点です。都立の進学校は英語だけでなくほかの教科もまんべんなく伸ばすという教育方針をとるので、突出して英語だけに比重をかけた教育を施すことは無理なのでしょう。
いっぽうで私立に特化して見てみれば、週あたりの英語のコマ数は最大9にもなります。私立は独自路線で進めやすい環境にあるので、週6コマは当たり前、また英会話も入れて週7コマなんてのもよくあります。週8コマとなればさすがに「多い」「がんばっている」という印象になりますし、週9コマならば少し異常な感じを受けるかもしれませんね。それでも、ごく一部にそういう学校は存在します。

ネイティブ教師の数を見よう

もう1つ気になる点は、ファシリティーのよさです。ハード面とソフト面がありますが、いくら1人1台iPad支給だと言われても、英語学習専用ルームがありますよと言われても、英語科の教師陣がどのようであるかを知らずに”物理的なもの”だけで満足感を示してはいけません。英語科がチームとしてどのような教育を授けてくれるのか、その全体像を把握するには講師の数と国別のバランスを見るのが一番です。アジア系も含めて各国から広く採用している場合もありますし、アメリカ/イギリス/カナダに限っている場合もあります。
学校によってネイティブ教師の数は違います。1校にたった1人という場合もあれば、5人の場合も、多ければ10人を超えるところだってあります。ある私立中は英語教育によって学校改革を掲げているので、全校生徒800人程度に対してネイティブ教師は19人。対比から言ってもこれは多いと言えます。
いっぽうで、英会話は「オンラインレッスン」任せという学校も珍しくありません。今はフィリピンから提供されるオンラインレッスンが中学・高校現場でもどんどん導入されています。都立高はもちろん、私立校であってもそこまで英語ばかりに予算を割けない場合には、積極的にオンラインレッスンを活用しています。生身のネイティブ教師に教えてもらうのがよくてオンラインレッスンはだめだと言うつもりはありませんが、「英会話」のコマ数だけに注意を向けず、どんなふうに授業がおこなわれているのかは把握しておくべきでしょう。
また日本人/ネイティブということは問わずに、進学コーディネーターのような専門の役割を持つ先生がいる場合もあります。これは生徒にとってはたいへんぜいたくな環境で、短期ホームステイや長期留学、また海外大学への進学にしろ、夢の実現に向けての具体的なロードマップを示してくれます。情報通の保護者でないなら、こういったコーディネーターの先生の存在はとてもありがたいと思います。SATの出願やら結果の活用の仕方など、やはり相談できる先生がいることは心強いことです。

SGHなら安心?

全国に100校ちょっとあるSGH、つまりSuper Global Highschoolですが、これは国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成を重点的におこなう高校として文科省が指定したものです。保護者としては高い期待を抱く要素だと思います。わが子の希望する中学とつながっている高校がSGH指定校であれば、「英語は間違いなくきちんと指導してくれるはず!」と当然思うことでしょう。
昔はSuper English Schoolなんて言い方もしていましたが、英語以外も見据えてglobalと名が変わっています。しかし実態はやはり英語一強で、SGH指定校では「英語」プラス「問題提起力/解決力」も同時に育てるようになっています。アクティブラーニングと印象が似ているかもしれませんね。文科省がおこなうSGH校の個別ごとの評価も厳しく、なかには「海外体験・英語体験にとどまっている」のようなコメントもあるそうです。英語特化の指導ではなく、生徒の探求心をうまく引き出し、適切な調べ学習をさせ、わかりやすく発表する、という指導方針は、教師陣が意識していながらもなかなか実現が難しいのでしょう。

英検取得者は有利なの?

実際に中学入試実施要項をあれこれ見比べてみると、英検取得者を優遇する学校が頻繁にあります。偏差値60以上の有名校ではこうした措置はほとんどありませんが、それ以下のところは「英検2級取得者であれば国算理社の合計点に30点加算、英検準2級であれば20点加算、英検3級であれば10点加算」などのように段階的に優遇措置があります。4級と5級はあまりアドバンテージとして働かないようです。
普通科(本科)以外に英語集中コースを設置している学校は、実施要項に「準1級取得者は…」なんて記述がありますが、小学校6年生時点で準1級を取得しているなんてすごすぎますね! インターナショナルスクールの出身者か帰国子女の入学希望者を見据えてということだと思います。

やっぱり気になるバカロレア

この数年で教育界において一気に市民権を得た言葉「バカロレア」、正しくは「International Bacalorea」と言います。略してIBと表記されますね。この言葉は本来はスイスで設立された非営利組織「国際バカロレア機構」のことを指しますが、転じて今はその機構の理念を反映した教育カリキュラムそのものを指しています。
ここでフルバージョンで「バカロレア」の説明をするとなると、さらに1記事として大量の文字数を割かねばならないので、ここでは単純に示します。
バカロレア認定校で独自のカリキュラムに沿った授業を受け、国際バカロレアが課す試験に合格するとディプロマ(認定証書)がもらえます。このディプロマこそ、世界では非常に価値のあるものだとされています。大学入試を国内だけでなく世界という視野でとらえ直してみると、グローバルに自分の能力を証明する資格が必要ですよね。大学入試出願前にこの資格をハイスコアで取得しておくと、海外難関大学の合格に有利だと言われています。
少しずつ日本でもバカロレア認定校が増えてきましたが、英語重視の学校のすべてが認定校になれるわけでありません。その独自のカリキュラムを実施できる教員の質も担保せねばなりませんので、希望すればどの学校も、という単純な話ではないんです。SGHに比べてぐっと校数の少ないバカロレア認定校に人気が集中するのも昨今の中学入試の流れです。

ダブル・ディプロマとは?

これも昨今よく聞く言葉です。日本と外国、両方の卒業資格が得られるという仕組みを指します。まさに文字どおりのdouble(ダブル)+diplomat(卒業資格)なわけです。外国にある提携校の卒業資格も同時に与えられるため「自分はアメリカの○○高校を卒業した」なんて人に言えますから、一気にはくがつきます。(まあでも、日本に就職するときには履歴書に「○○学園中学高等学校卒」と書くのがふつうでしょうね。わざわざ外国のほうの学校名を書くのは見栄っ張りな感じがします。)
問題は高額な学費です。通常の国内の授業料のほかに、外国籍分の授業料もかかってくるんです。ある都内の私立中高一貫校はカナダのブリティッシュコロンビア高校のディプロマも与えてくれるところなんですが、カナダぶんの学費として年間60万円もプラスでかかってくるんです。6年間で360万円。まず日本の学費として6年間で600万円ほどかかりますから、カナダぶんも合わせれば1000万円近くになるわけですね。財力のある家庭でないと厳しいものがあります。
もちろん高額なだけのメリットはあります。英語以外の教科も英語で指導されるので、自然とグローバルな視点でものを考えることができるようになります。また大学受験時にはTOEFLやSATといった事前準備の手間を省くことができるのは生徒にとってメリットです。それでも、さらに大学で最低4年間の学費がかかることを見据えれば、中高たった6年間で1000万円も費やすべきなのかどうかに懐疑的な保護者は少なくありません。

中学入試も、今は英語を意識して受験校を選んでいく時代です。受験までの塾代や、合格後の授業料、はては留学費用まで含めて考えれば、保護者としては多大な金額を投じていかねばなりません。だからこそ慎重になる学校選び、筆者もまだまだ調べが浅く日々情報をアップデートしています。読者のみなさまの方に同志がいらっしゃいましたら、ともにがんばってまいりましょう!

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