「ゾゾタウン」創業者、63億円で絵画を落札

 衣料品インターネット通販「Zozotown(ゾゾタウン)」の創業者で、資産家として知られる前沢友作氏が、競売大手クリスティーズが5月10日に行なった現代美術のオークションで、ジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)の絵画を約63億円で落札して話題になりました。

 バスキアのことも紹介しながら、英語表現をチェックしていきます。(英文は、”Japanese art enthusiast Yusaku Maezawa in $98m art spree” BBC News 2016/5/11)

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☆建設予定の美術館に所蔵するために購入

A Japanese billionaire and art collector has spent $98m (£68m) in a shopping spree at two auctions of contemporary art in New York.
 資産家で美術品収集家でもある日本人が、ニューヨークで開かれた現代美術の2つのオークションが大盛況となる中で落札した金額は、合計9800万ドル(約106億円)となった。

(単語チェック)
・billionaire:億万長者
 million(百万)→millionaire
 billion(十億)→billionaire
 どちらも大富豪ですが、とてつもない富豪にはbillionaireをよく使います。
・spree:盛んな活動、浮かれ騒ぎ
 この晩、前沢氏も含めた落札額は2億4220万ドル(約260億円)という大商いでした。まさに大騒ぎでオークション主催者は大喜びでした。

 前沢氏は郷里の千葉市内に美術館の建設を予定していて、今回落札した絵画はここに所蔵するのが目的だったということです。では、前沢氏とはどういう人なのでしょうか?

Yusaku Maezawa made his money setting up the Start Today company in 1998 and online fashion retailer Zozotown in 2004.
 前沢友作氏は。1998年にスタート・トゥデイを創業し、2004年に始めたファッション通販サイト「ゾゾタウン」によって資産家となった。

 ゾゾタウンもスタート・トゥデイも海外ではあまり知られていないので、今回名前が登場したことは、日本以上に海外の人にとって驚きでしょう。しかし実は、世界有数の経済誌「フォーブズ」が毎年春に発表する長者番付で、前沢氏は日本人で17番目の富豪(資産額27億ドル=約2,900億円)として紹介されているので、世界の経済界のトップの間ではすでに有名人と言えるかもしれません。

(単語チェック)
・make money:お金を稼ぐ
 本文のようにmake one’s moneyというのは比較的珍しい使い方です。
  He made money on foreign exchange.
   彼は外国為替で儲けた(収益を上げた)。
 make much/little money(大儲けする/ほんの僅かしか儲けない)
 また、人以外のもの(事業など)を主語にすることもできます。
  I don’t know what’s going to make money.
   どうすれば金もうけができるのかわからない。
   (ここではwhatが意味上の主語になっています。)
・set up:設立する、創立する
 「組み立てる」「準備する」「引き起こす」など使い途が広い句動詞です。
  It looks like rain. We’d better set up a tent right away.
   雨が振りそうだ。すぐテントを張った方がいい。
  The terrorists set up a kidnapping.
   テロリストたちは誘拐の手はずを整えた。
  The first collision set up a chain reaction involving many cars.
   最初の衝突事故がたくさんの車を巻き込んだ玉突き事故を引き起こした。
・retailer:小売業者

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☆バスキアとはどのような画家か?

 今回前沢氏の財団が購入したのは、総額約100億円を超える5点の絵画でしたが、中でも最も高額としてニュースになったのは、バスキアが自らを角の生えた悪魔の顔として描いた作品です。オークションを行なったクリスティーズによれば、バスキアの作品の落札額としては、これは史上最高となるそうです。

 バスキアはニューヨークのブルックリン生まれのアメリカの画家で、壁や地下鉄などにスプレーペイントで落書きする「グラフィティ・アート」をモチーフにした作品で知られています。アンディ・ウォーホルとの共同制作を行ったことでも注目されましたが、1988年に27歳という若さで亡くなりました。しかしその生涯が映画化されるなど、死後もたびたび話題になりました。

 そんなバスキアの作品を購入した理由について、前沢氏は次のように語っています。

“Regardless of its condition or sales value, I was driven by the responsibility to acknowledge great art and the need to pass on not only the artwork itself, but also the knowledge of the artist’s culture and his way of life to future generations.”
 「絵画の状態や市場価値とは関係なく、私を動かしたのは偉大な芸術を認めるという責任感であり、また芸術作品にとどまらず、それを制作した作家の思想や生き様を将来の世代に伝えることが必要だと思いました。」

(単語チェック)
・regardless of:〜に関わらず、〜とは無関係に
 通常、ofの後は名詞(ここではits conditionとsales value)ですが、regardless of how much someone eats(人がどんなに食べようとも)のように名詞節を続けることもできます。
・driven by:〜によって動かされて
 driveは「(乗り物を)運転する」だけでなく「駆動する・動かす」の使い方も多く、この場合はたいてい受け身で使われます。
  Her success was driven by her desire to change her life.
   彼女が成功した原動力は、人生を変えたいという願いだった。
   (←彼女の成功は、人生を変えたいという願いに後押しされた。)
・pass on A to B:AをBへ伝える
  Bill Clinton passed on his interest in politics to his daughter, Chelsea.
   ビル・クリントンは政治への関心を、娘チェルシーに受け継がせた。
・artwork:芸術作品
・way of life:生き様

Mr Maezawa is also the founder of the Contemporary Art Foundation in Tokyo, which he says puts on public shows twice a year.
 前沢氏はまた、東京にある「現代芸術振興財団」の設立者で、彼によればこの財団は年に2回展覧会を行なうということだ。

 
(単語チェック)
・founder:創立者、設立者
・put on:(ショー・劇などを)催す、上演する、公演する
 これも「着る」「化粧する」など他の使い方がたくさんあります。
  I put on a shirt, shorts and a pair of sandals.
   私はシャツとショートパンツを身に着け、サンダルを履いた。
  I have to put on some makeup.
   お化粧しなくちゃ。

 前沢氏が会長を務める公益財団法人「現代芸術振興財団」は、現代芸術の振興を目的として若手芸術家・若手音楽家の活動を援助しています。ビジネスの成功がこんな形で社会還元されるのは嬉しいことですね。

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