民主党大会のクリントン候補~白いパンツスーツの理由

7月に開かれた民主党大会で、ヒラリー・クリントン氏が正式に党の大統領候補として指名されましたが、この時彼女は白いパンツスーツで登場し、指名受諾演説をしました。この背景にあるアメリカ女性の歴史について、英語で読んでみましょう。
(英文は、”Hillary Clinton was a modern suffragette in white for historic DNC speech”, USA Today, 2016/7/29)

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☆ 偶然ではなかった

Hillary Clinton made history Thursday night, becoming the first woman to accept a major party's nomination for president. And it was not likely a coincidence that she chose to mark the occasion, and deliver arguably the most important speech of her career, in a white pantsuit.
 ヒラリー・クリントンは木曜日に、大政党の大統領候補として指名を受けた初めての女性として歴史に名を刻んだ。そして彼女がこの重要な場に臨み、間違いなく人生で最も重要なスピーチをするにあたって、白いパンツスーツを選んだのは恐らく偶然ではないだろう。

(単語チェック)
major party:大政党
 アメリカでは民主党と共和党の二大政党のこと
nomination:指名
coincidence:(偶然)の一致
 What a coincidence!
  すごい偶然ですね。(奇遇ですね!)
mark the occasion:
 markは「(特別な出来事を)記念する、祝う」という意味の使い方です。
 occasionには単なる出来事のほかに、「大事な行事」があります。
arguably:(議論の余地はあっても)ほぼ間違いなく
 argue(議論する)+ -able(できる)から
pantsuit:パンツスーツ

クリントン候補は、ビル・クリントン大統領のファーストレディーとしても、また国務長官としてもファッションで何かを表現するということはしてきませんでした。典型的な「言動で自分を見てほしい」というタイプです。

しかし彼女がこの日身につけた白のパンツスーツを見て、強いメッセージを感じ取った人は少なくありませんでした。今回はそれに迫ります。

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☆ 「女性に参政権を」の頭文字

American and British women of the early 1900s leveraged color and fashion to further their messages — call it a precursor to #ImWithHer. They used the colors green, white and violet, or purple, which some attribute to an acronym for the slogan “Give Women the Vote.”
 1900年代初頭の米英の女性は、色とファッションを自分たちの主張を推進するために利用した。これは「#ImWithHer」の先がけと言えるかもしれない。彼女たちが使った色は緑と白とすみれ色(または紫)だが、これらは「女性に参政権を」というスローガンの頭字語に由来すると考える人もいる。

(単語チェック)
leveraged:~を利用(活用)する
 leverageが「てこ(の作用)」という名詞であることは、はFX取引をする方にはおなじみですね。
 ここから「影響力」という名詞や、本文のような「利用する」という動詞としての使い方に広がりました。
 

We leveraged our healthy brand image to sell soap.
  当社の健康的なブランドイメージを活用して、せっけんを発売した。

further:推進する、促進する
 元はfarの比較級のfurtherですが、動詞としても使われます。
precursor:先がけ
#ImWithHer:(クリントン支援者がツイッターで使うハッシュタグ)
acronym:頭字語
 例えば、North Atlantic Treaty OrganizationがNATO(ネイトー)となるように、頭文字を並べたものが一つの単語として発音可能なものを頭字語と言います。
Give Women the Vote:女性に参政権を
 voteは「票、投票」です。

「#ImWithHer」というハッシュタグは、「彼女と共にいる」つまり彼女を信じている、支援するという意味でクリントン候補の支援者がツイートする時に使っています。

緑(Green)、白(White)、すみれ色(Violet)の「GWV」が、”Give Woman the Vote”の頭文字から来ているという話はおもしろいですね。

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☆ 強く、女性らしく

Another common call, in addition to wearing the badge of color, was a plea to dress fashionably and femininely to rebuke stereotypes of strong-minded women as masculine or dowdy. The color white, a symbol of purity, further rejected sexually dismissive slurs thrown their way while protesting.
 そうしたシンボルカラーを身にまとうことに加えて、よく言われるもう1つの理由はファッショナブルで女性らしい服装をしようという訴えだった。これは意志の強い女性は男勝りだとかやぼったいという固定概念に対抗してのことだった。その点で白い色は純粋さの象徴でもあり、抗議行動をする時に投げかけられる「女性のくせに」という否定的な中傷に立ち向かう意味もあった。

(単語チェック)
call:理由
badge of:しるし
 身に着ける「バッジ」もこのbadgeです。
plea:訴え
femininely:女性らしく
 feminine(女らしい)のfem-はfemale(女性、女性の)と共通です。
rebuke:強く非難する
stereotypes:ステレオタイプ、固定概念(stereotypeの複数形)
strong-minded:心のしっかりした、気が強い
masculine:男らしい、力強い
 feminineの反対語です。
dowdy:やぼったい
dismissive:否定的な、軽蔑的な
slurs:中傷、非難(slurの複数形)

この戦略は実を結び、イギリスでは1918年、女性の4割にあたる30歳以上に参政権が与えられ、さらに10年後に21歳まで拡大しました。またアメリカでも1920年に女性参政権が認められました。

そして、女性の白い服装は女性の政治参加の象徴として、アメリカに定着することになりました。

And it is that imagery that Clinton so effectively conjured on her way to fully realizing the dreams of suffragettes, more than 100 years in the making.
 そしてそのイメージこそ、100年以上続いている女性の政治参加の夢を完成させるものとして、クリントン候補が国民に効果的に思い起こさせたものだった。 

(単語チェック)
imagery:イメージ
conjured:〜を思い出させた(conjureの過去形)
suffragettes:婦人参政権論者(suffragetteの複数形)
in the making:進行中の、発達中の

2004年にウクライナで起こった「オレンジ革命」は有名ですが、クリントン候補の白のパンツスーツには、単なる統合のため以上にアメリカ人の心に響く演出だったのですね。

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