体の部分を含む、覚えやすいイディオム集

単語・フレーズ
スポンサーリンク

英語にはたくさんイディオムがあります。中にはそのまま訳しても意味がわからないものも多いですが、英米人は日常会話でイディオムを使うのが好きなので、私たちが使うと喜ばれたりします。

それらの中で、今回は体の部分が含まれるイディオムを10個ご紹介します。覚えやすいように、由来やイメージを簡単に説明しましたので、ぜひ覚えて使ってみてください。

体の部分が含まれるイディオム

all ears

 一心に耳を傾ける、熱心に聞く

例文:
You said you had something important to tell me. I'm all ears!
 何か大事なことを僕に伝えたいと言ったよね。さあ、聞かせて!(聞きたい)

日本語でも「全身を耳にして」という言い方をたまに聞きますが、この英語も同じ発想で、300年前から使われているというイディオムです。

聞きたくて(知りたくて)しかたない、注意をそこに集中して聞いている、という時に使います。

apple of one’s eye

 (人)にとって非常にいとしいもの、(人)の自慢の種

例文:
Amy is the apple of my eye.
 エミーは目に入れても痛くないほどかわいい。

この上なく愛している人、物(動物など)をこのように例えます。英語のapple of one’s eyeには「目に入れても痛くない」という意味はありませんが、日本語のこの言い方に偶然合っています。

appleに「瞳」という意味があるのがポイントで、目の一番大切な瞳のような存在、という意味です

このフレーズが出てくるのが、スティービー・ワンダーのヒット曲「サンシャイン」(原題:You are the sunshine of my life)です。

You are the sunshine of my life
That's why I'll always be around
You are the apple of my eye
Forever you'll stay in my heart

君は僕の人生の太陽
だから僕はいつもそばにいる
君は僕にとってかけがえのない人
いつまでも僕の心の中にいる

bite one’s tongue / hold one’s tongue

 言いたいことを言わない、口を閉ざす

例文:
I had to bite my tongue when she came out in that dress.
 彼女がそのドレスで現れても、私は黙っているしかなかった。

bite one’s tongueはわかりやすいですね。舌をかんだ状態では話すことができません。(せいぜい頑張って、つづりが “th” の単語を言うくらいでしょうか。)

例文では「彼女が」黙っていますが、よく使われるのは “Bite your tongue.”(黙っていなさい)と誰かに命令する状況です。これはその人が何か言い出す前の場合もありますが、発言を受けて強く否定する時に使うこともあります。

hold one’s tongueも同じ意味で使います。

break a leg

 頑張る、うまくやる

例文:
On the night of the play, he told his daughter to break a leg.
 劇の当日、彼は娘に「頑張れよ」と声をかけた。

例文は間接話法ですが、会話で “Break a leg.” と言ったら “Good luck.” と同じ意味です。この例のように何か重大なことに臨む人に対して励ます時のフレーズです。

実は最初の頃(ずっと昔)は “break your neck and leg” と言ったのが、今はlegだけに縮められました。どちらにしても見るからに不吉な言い方ですが、わざと反対のことを言って幸運を祈るという、おまじないから始まったということです。

catch(人)red-handed

 (人)を現行犯逮捕する、(人)の悪事の現場を見つける

例文:
He was caught red-handed at the scene of the crime.
 彼は犯罪の現場で(現行犯)逮捕された。

このフレーズの起こりは、(想像できるかもしれませんが)殺人犯が手に赤く血のついた状態(red-handed)で逮捕されることでした。

今では殺人や傷害事件などに限らず、まずいことを見つかってしまうことまで意味が広がっています。

あなたが台所にある出来立てのブラウニーをちょっとつまんで、手がチョコレート色になっているところに誰かが現れたとしても、あなたはcaught “red-handed” ということになります。

keep a straight face

 笑いをこらえる、真顔でいる

例文:
When you see Tom's new haircut, try to keep a straight face.
 トムの今度の髪型を見ても、何とか笑わないようにしてね。

これは比較的新しいイディオムです。人が笑うと、顔にしわができる、口が大きく開く、眉毛が上がる、顔の筋肉が細かく動く・・・どれも真っ直ぐ(straight)ではありませんね。

そこで、「顔をstraightに保つ」=笑わないということになります。

keep one’s head above water

 生き延びる、破産せずに持ちこたえる

例文:
Business is bad this year, and he is barely keeping his head above water.
  今年は商売の調子が良くないので、彼は何とか持ちこたえるのがやっとだ。

日本語でも、赤字だと「水面下」、黒字に転じると「水面上に出た」と言うことがあります。英語のイディオムではwaterが、困難やトラブルの象徴としてよく使われます。

「頭を水の上に出しておく」とは、赤字や資金面の問題がない状態でいることです。また、時にはもう少し意味を広げて、何とか自分の責任だけは果たすという場合に使われることもあります。

なお、例文のbarelyは「かろうじて〜する、やっと〜する」という副詞です。

lead (人) by the nose

 (人)を思うままに操る、完全に支配する

例文:
Everyone knows that my mother really leads my father by the nose.
 私の母が父の手綱を握っていることは誰でも知っている。

競馬ファンの方、これは「鼻の差で勝つ」という意味ではありませんのでご注意を。牛や馬などが家畜としてを育てられている間、鼻の先に輪をつけられてロープで引かれている、あのイメージです。

誰かを思うままにコントロールしているということで、例文は日本語の「手綱を握る」という比喩的な言い方がちょうどいいですね。

sweet tooth

 甘党、甘いもの好き

例文:
With your sweet tooth, it will be nearly impossible to stay on a diet.
 君ほどの甘党がダイエットを続けることはほとんど不可能だ。

「甘い歯」ではなく「甘い物が好きな歯」ということですが、複数形teethではなく単数のtoothを使います。

昔の人は、塩辛いものが好きなsalt tooth、酸っぱいものが好きなsour tooth、そして甘い物が好きなsweet toothがあると思っていたようで、その中でsweet toothという表現だけが現在まで生き残っています。

word of mouth

 口コミ、口伝え

例文:
The movie got bad reviews, but it became popular by word of mouth.
 その映画は酷評されていたが、口コミで人気が出た。

映画やテレビ番組、新刊書などの評判は、最初は本、新聞、ウェブサイトなどに書かれたレビューで「おもしろい」「つまらない」などということが広まります。一方そういう情報とは別に、直接「口伝えの言葉」で伝わるのがword of mouth、つまり「口コミ」がぴったりです。

体の部分が出てくるからと言って、使われる意味は体とは無関係なものも多いですね。皆さんがイディオムに親しまれる機会にしていただければ嬉しいです。

タイトルとURLをコピーしました