日本より肩身の狭い、オーストラリアの喫煙者とたばこ事情

オーストラリア
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日本でも喫煙者の方は、たばこを吸う時や場所に気を遣いますし、たばこの値段も高くなりますし、肩身の狭い思いをされていますよね。その気風は、オーストラリアではそれ以上!
そんなオーストラリアの喫煙とたばこにまつわるお話をご紹介いたしますね。

オーストラリアでたばこの値段が断然高い!

日本でおなじみの箱に入ったタバコは、オーストラリアでは、30ドルまたはそれ以上します。オーストラリア政府は、毎年12.5%ずつ、たばこの税金を上げて、2020年にはタバコの値段が40ドルくらいになるのだそうですよ。40ドルというと、3000円以上ですからね、ずいぶん高い嗜好品です。
日本でもたばこの値段が高くなると、嘆きの声が聞かれますが、オーストラリア人は日本に行くとたばこが安くてびっくりです(笑)。
そもそも日本では、たばこといえば、箱に入った1本ずつたばこがすでに巻いてあるものが最も一般的ですが、オーストラリアでは、箱入りたばこがあまりに高いので、巻きたばこも広く普及していて、呼び名も異なるので、たばこを買う時にご注意です。
たばこを買う時は、

May I please have a packet of (お好みのブランドネーム)?

のようなフレーズが使えますが、箱に入ったたばこは、英語でcigarettes と呼ばれ、巻きたばこの葉っぱは、英語でcigarette tobaccoやcigarette leafと呼ばれます。そうなのです、英語では、たばこの中身がtobaccoなのです。
ですので、箱に入ったたばこを買うなら、

Can I have a packet of cigarettes?

巻きたばこの葉っぱを買うなら

Can I have a packet of cigarette tobacco?

のように使うことができます。
巻きたばこは、たばこの葉っぱとそれを包むペーパーやフィルターを別々に買って、自分でたばこの葉を巻いて作ります。
たばこの葉も安いものではなく、25gか50gのパッケージで購入できるのですが、50gのパッケージで50ドルくらいします。しかし、愛煙家の方は、巻きたばこでは、ほそーく、ほそーくたばこを巻くので、箱入りたばこよりだいぶもつようですよ(笑)。

たばこを吸う場所にも気をつけないと!

オーストラリアでは、たばこを吸う場所のルールにも厳しく、お酒を出すバーなども含む屋内でたばこを吸うことができません。
バーのような場所には、外につながるベランダのようなところに、喫煙所が設けられています。鳥かごのような(笑)喫煙所にたくさんの人が集まってたばこを吸っている光景も見られます。
たばこを吸う場所に関する法律は、年々厳しくなっています。筆者の住むクイーンズランド州のルールを見てみましょう。

no-smoking at outdoor public places such as patrolled beaches, children’s playground equipment and major sports stadiums
(パトロールのいるビーチ、子供の遊び場、スポーツスタジアムなどのような屋外の公共の場所での喫煙禁止)

no-smoking in cars where children under the age of 16 years are present
(16歳以下の子供がいる車内での喫煙禁止)

no smoking anywhere inside pubs, clubs, restaurants and workplaces
(バーやクラブ、レストラン、職場での喫煙禁止)

no smoking at commercial outdoor eating or drinking areas
(屋外の飲食店での喫煙禁止)

no smoking at state and non-state schools, and for 5 metres beyond their boundaries
(学校敷地内および、学校施設5m以内での喫煙禁止)

no smoking at public and private hospitals and health facilities, and for 5 metres beyond their boundaries
(病院や健康関連施設内および、施設5m以内での喫煙禁止)

これ以外にも、バス乗り場やタクシー乗り場のような公共の乗り物の駅や、国立公園内の例えばピクニックテーブルや公衆トイレ、バーベキューエリアなどから10m以内は喫煙禁止など、公共の場所では、たばこを吸えない場所が年々増えています。
しまいには、こんなルールもありました。

Local government can ban smoking in any public space not covered by a state-wide smoking bans.
(市役所など地方行政が州の喫煙に関する法律でカバーできない公共の場所を喫煙禁止にすることができる。)

これなら、漏れなく公共の場所での喫煙を禁じることができますものね。

国をあげての喫煙撲滅の動き!

たばこに関する法律は、喫煙場所だけには留まりません。
たばこの販売方法、宣伝方法などに関しても厳しいルールがあります。
それだけ厳しくするのには、
These laws create a culture that reduces exposure to second-hand smoke, supports smokers trying to quit, discourages children from taking up the habit.
受動喫煙軽減、喫煙者の禁煙支援、子供の喫煙防止したいという思いがあるから。
研究によれば、家庭や学校、娯楽施設が禁煙の環境内では、若者が喫煙する率が低いのだそう。
日本の人がオーストラリアにやってきて、オーストラリアの国をあげての喫煙反対の姿勢を真っ先に感じるのは、たばこのパッケージではないかと思います。
オーストラリアのたばこのパッケージは、日本のように、「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」のような文言のみによるマイルドな注意ではなく、

SMOKING HARMS UNBORN BABIES(たばこは胎児に悪影響を与えます)

のような文言とともに、どーんと大きく未熟児の写真がパッケージに印刷されています。
パッケージに、たばこのそれぞれのブランドのロゴデザインなどを載せることは出来ず、表側のよく見えるところ75%以上、喫煙の警告のための文言と写真がカバーしていなければなりません。文言にはいろいろなバリエーションがあります。

SMOKING CAUSES LUNG CANCER(喫煙は肺がんの原因となります)
SMOKING CAUSES BLINDNESS(喫煙は失明の原因となります)
SMOKING CAUSES HEART DISEASE(喫煙は心臓疾患の原因となります)
SMOKING DOUBLES YOUR RISK OF STROKE(喫煙は発作の危険性を倍増します)
SMOKING KILLS(喫煙は死に至らしめます)
SMOKING DAMAGES YOUR GUMS AND TEETH(喫煙は歯と歯茎にダメージを与えます)

これらの文言とともに、それぞれの文言に合わせたグロテスクな写真がどーんと印刷されているのを想像してみてください。たばこを吸う気が少し薄れますでしょう?
さらにオーストラリアのたばこのパッケージには、ちゃんと禁煙相談のための連絡先も記載されているのですよ。至れり尽くせりのサービスです!

たばこの販売方法にも厳しい規制があります。

All smoking products must be kept out of sight of customers and be concealed by an opaque covering.
(喫煙に関する製品は、顧客の見えないところに保管し、不透明なカバーで隠すようにしなければならない)

オーストラリアでも、たばこは、日本のようにスーパーやガソリンスタンド、tobacco stationと呼ばれるたばこ屋さんでも気軽に買えることは買えますが、表立ってディスプレイされておらず、たばこの銘柄だけが書かれたリストがあって、そこから選んで買っていることが多いです。

Only 1 point of sale is allowed at a retail outlet.
(ショッピングモールなどでたばこの販売は1店舗のみに限る)

A mandatory sign must be displayed at the single point of sale and be easily visible to a person purchasing a smoking product as the person approaches the point of sale and at the time of purchase.
(たばこの販売地点で、購入地点に近づく際、および購入時に顧客によく見えるようにサインのディスプレイが義務付けられている)

この表示義務のあるサインとは、penalties apply.(罰金が課せられます)というサインで、未成年者の喫煙を防止するためのものです。罰金は買った側だけでなく、売った側にも課せられますからね、サインの表示も効果がありそうです。

Smoking products must only be kept at a retail outlet on the seller's side of the point of sale, in a room or other place not accessed by customers.
(喫煙に関連する製品は、顧客に届かない部屋や他の場所など、売り手側にのみ保管されなければならない)

売り物なのに、買い手に届かないところに置く、というのも大胆なアイデアですよね。

いかがでしょうか、聞くだけでも喫煙者の方は肩身の狭い気分になりますでしょう?
たばこを吸わない筆者としては、これだけ厳しく規制されているのに、レストランでも鳥かごのような喫煙所に追いやられているのに、それでもたばこを吸い続ける喫煙者の方の意思の固さ(?)にもびっくりです(笑)。
たばこをやめたいのにやめられなくてお悩みの方は、オーストラリアに禁煙ツアーとして来ていただくと良いかもしれません!

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