アメリカ、イギリス、日本の働き方の違い

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日本人の働き方というと、長い労働時間、低い生産性といったネガティブなイメージがあります。実際に日本ではこのような問題を解決すべく、国家レベルで働き方改革を進めています。一方、欧米は短い労働時間、高い生産性、仕切りが設けられていてプライベートな空間で個人的に仕事をする…といったようなイメージがあるのではないでしょうか。
今回は、アメリカ、イギリス、日本の制度や働き方の違いを見ていきたいと思います。

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ハードワークで高給のアメリカ

実はアメリカは日本よりも平均労働時間が多いです。2017年のOECDのデータによると、アメリカの年間平均労働時間は1,780時間で、日本の1,710時間.に比べて多いのが分かります。
また、Expediaが発表した「有給休暇国際比較調査2018」によると、アメリカの有給休暇取得率は71%で、調査対象の19か国中18位となっておりかなり低いことがわかります。ちなみに日本の有給休暇取得率は50%で最下位となっています。アメリカの有休取得日数は10日で、日本と並んで最下位となっています。

これだけ見ても、アメリカ人は非常にワーカホリックであることが分かるのですが、更にはアメリカ人は職場の近くに住み、ランチタイムもオフィスでランチを食べながら働くことが多く(Foothold Americaによると、アメリカ人の5分の4はランチを食べにオフィスを出ないと答えています)、休憩のためにオフィスの外に出たりすることも少ないようです。

アメリカ人がよく働く理由の一つとしては、アメリカ人の中では仕事・職業がアイデンティティになっているからと言われることがあります。
確かに、アメリカ人と会話をすると「What do you do?」という質問から始まることが多いです。「What do you do?」は直訳すると「何してるの?」という意味ですが、通常、会話の中では「何の仕事をしてるの?」という意味で使われます。
また、アメリカ人はよく個人主義であると言われ、そのため仕事に対する評価も個人に結び付くような評価を好み、個人の評価を上げるために努力をするのでハードワークをするとも言われています。

下記のような労働契約や法律面での理由も挙げられます。
アメリカではヨーロッパ諸国に比べて、労働者が労働契約で守られていないと言われています。例えば、アメリカの労働者はパフォーマンスが出ないとすぐに解雇されるといったことはよく聞きます。こういった雇用者と労働者のパワーバランスから、アメリカ人はパフォーマンスを出して解雇されないために必死で働くと言われています。

アメリカでは病欠や出産、育児休暇、有給休暇などは法律によって取得が義務づけられておらず、福利厚生の一部として提供されることが多いです。なので、病気をして会社を休む必要があってもその期間は給料が全くもらえないといったことが起きます。
育児介護休業法(Family and Medical Leave Act:FMLA)では12週間の休暇が義務づけられているものの、有給にするか無給にするかは会社が決めることができるのです。

このように非常に良く働くアメリカ人ですが、その分給与が高いのです。
OECDのデータによると、アメリカの2017年の平均給与は60,558ドル(約670万円)であり、ルクセンブルク、スイス、アイスランドに次いで4位です。また、Foothold Americaというウェブサイトによると、アメリカのシニアマネジャーは104,940ドル(約1,150万円)の給与を得ているとされ、イギリスは52,000ポンド(約730万円)であるので、かなり高いことがうかがえます。

このように、アメリカはハードワークだけれども働いた分は給与という形で反映されているように見えます。

労働者が尊重されるイギリス

OECDのデータによると、2017年の年間平均労働時間は1,681時間で、アメリカや日本よりも少ないことが分かります。
また、Expediaの「有給休暇国際比較調査2018」によると、有給取得率は96%、取得日数は25日で調査対象の19か国中5位となっており、イギリスでは休みを取る人が多いことがうかがえます。

イギリスでは労働者が手厚い保護を受けるように契約、法律が設計されています。
イギリスでは労働契約において、正式な理由がないと従業員を解雇できないようになっています。また逆に、従業員が会社を辞めるときも、退職する3か月以上前までに通知をしなければいけないといったことが労働契約に盛り込まれています。日本では1か月以上前の通知が普通であると思います

アメリカと違い、病欠や出産、育児休暇、有給休暇などは法律によって取得が義務づけられています。

アメリカでは休憩やランチタイムなどが法律で特に定められていないのですが、イギリスでは労働者はもし6時間働き続けたら、ティータイムやランチタイムなどの20分間の誰にも邪魔されない休憩を取る権利があると法律で定められています。法律に「ティータイム」について書かれているのが面白いところです。
イギリス人は本当に紅茶が好きで、Appliances Directという会社がイギリス人にアンケートを行ったところ、平均的なイギリス人の労働者はを紅茶を作るのに年間109.6時間かけているという調査結果が得られたくらいです。私が働いているロンドンのオフィスにも様々な紅茶の葉が置かれており、自由に紅茶が飲めるようになっています。

イギリスでは仕事よりも生活を重視している人が多いと言われており、都心から離れた場所でゆとりのある生活をしている人が多いです。例えば、Foothold Americaによると、イギリス人は自宅からオフィスまで平均で1時間38分かけて通っているそうです。ちなみにアメリカ人は平均23分だそうです。私の職場でもロンドンの都心に住んでいるのは日本人の私だけで、他の人たちは1時間以上かけて通っている場合が多いです。通勤時間が長いと非効率なので家で仕事をしている人もたくさんいますが。

このように、ヨーロッパに共通していることですが、イギリスでも生活を優先するので、労働時間が短く、休みをたくさん取る代わりに給料はそこそこです。アメリカのようにたくさん働いてたくさん稼ぐという考え方とは全く異なるのですね。

アメリカ型・イギリス型、どちらにも振り切れていない日本

アメリカとイギリスの2つの全く異なる労働環境についてみてきましたが、日本は休暇などに関する制度はイギリス寄り、実際の労働環境はアメリカ寄りな気がしますね。しかしながら、日本の場合はイギリス、或いは一部のヨーロッパ諸国のようにアメリカ並みに給料は高くないものの、余暇、生活をゆったりと満喫できる労働環境でもなく、アメリカのように良く働く代わりに高い給料をもらえる訳でもなく、両者の悪いところ取りをしたようにも見えてしまいます。

日本は制度上、労働者が守られているように見えます。一度正社員として雇用されるとなかなか解雇されないというのは良く聞く話ですが、OECDのEPI(Employment Protection Indicators)(労働者がどれくらい保護されているのかを測る指標)を見ても、日本の労働者は守られていることが分かります。
また、法律によって年次有給休暇の付与日数などが決められており、アメリカなどに比べて労働者保護の制度が整備されているように見えます。

しかしながら、先に上げた通り、日本の労働時間は多くのヨーロッパ諸国に比べて長く、有給もヨーロッパ諸国ほど取得できていません。Expediaの同調査によると、フランス、スペイン、ドイツの有休消化率は100%で有休取得日数は30日となっています。 

日本人は有給を取得することに関して心理的な抵抗があるようです。
Expediaの同調査によると、「有給休暇の取得について罪悪感がある」と回答した人は58%で、世界で最も高い結果となっており、また、「上司が有休の取得に協力的」と回答した人の割合は43%と、世界で最も低い結果となりました。

これだけ働いているにも関わらず、所得が高いわけでもありません。OECDのデータによると、日本の平均給与は40,863円であり、アメリカやヨーロッパの多くの国に比べて低いです。

この問題にはいくつかの理由がありますが、例えば「集団主義」、「ジェネラリスト型労働者」といったことが挙げられます。

「集団主義」というのは、定時になっても上司、同僚が帰れないから自分も帰りづらいという日本人、あるいは一部のアジア人が感じる早く仕事を終えて帰宅することに対する抵抗感やみんなで責任を負い、みんなで仕事を進めるといった働き方です。これによって生産性が下がります。

「ジェネラリスト型労働」は、「総合職」という言葉に代表されるように職種の定義があいまいで本来行うべき業務の範疇を超えた業務まで行わなければならないため、労働時間が必然的に長くなってしまうことです。また、ジェネラリストであるため、特定の専門知識・スキルが身につかず、転職市場で不利になり、給料が上がらないといった問題もあります。

日本の労働環境が悪いと言われる理由は挙げるとキリがないですが、国の制度作りだけでは解決できない問題なので企業が解決しようとする姿勢が必要です。

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