日本の食文化を外国人に説明してみよう(おにぎり編)

こんな時にこんなフレーズ
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日本人のノスタルジーを彷彿とさせる食べ物の1つに、「おにぎり」があります。炊いたご飯と塩があれば作れるたいへんシンプルなレシピながら、食べたときの満足感と心がほっこりとするあの感じは、ほかのどんな食べ物も匹敵しないでしょう。そんなおにぎりを、ぜひ一度は外国の方にも食していただきたいものです。
さて、このシンプルな日本の食べ物を外国からのお客様にどうやって説明してあげますか? Japanese portable rice なんて済ませてしまっては、たいへん不愛想で寂しいものです。たとえば以下のように話を広げていってみてください。

その1.ジャパニーズ・ライス・ボール

「おにぎり」の英訳は、有名な「rice ball」でいいでしょう。まあもちろん、ballと言う以上は外国人は「丸い」形のものを想像します。厳密には三角型に俵型などほかの形もあるわけですが、英語では「rice ball」と説明するのがふつうです。

・Onigiri is a Japanese rice ball. Some of the rice balls are shaped into a triangle or a rectangle.
(おにぎりというのは日本のライス・ボールのことです。三角や長方形*の形をしているものもあります。)
*外国人に「俵型」は伝えづらいので、事実と少し異なりますが筆者のガイド現場では「長方形」として説明しています。
・We have several other words to describe this food ―”omusubi”, “nigirimeshi”, for example. Each one of them has a meaning of “being shaped in palms”, so it is actually a handmade meal which reminds people of mother’s touch.
(この食べ物を表すのにほかにもいくつか言葉があります。たとえば「おみすび」「にぎりめし」ですね。いずれも握って作られたという意味です。まさに手作りのごはんということで、みなが母親のことを思い出すんです。)
・Onigiri is an ideal quick meal for Japanese people. They’re 24 hours available at convenience stores, and one onigiri costs around 100 yen only. It’s not such a big portion so you can eat one even between meals.
(おにぎりは日本人にとっては理想的な軽食と言えます。24時間いつでもコンビニで買えますし、1つがたった100円程度です。1つの量が多いわけではないため食事と食事の間に食べたっていいんです。)

その2.おにぎりには何が入っているの?

日本人の読者様は、当たり前のようにいくつもの具材が思い浮かぶでしょう。外国人の方にとっておにぎりは、中身が見えないぶん食す前の不安はよりいっそう大きいものだと思います。

実際に筆者のスリランカ人の友人は、日本に住み始めて1か月目は「わかめ混ぜ込みごはん」「塩むすび」のように中に具材が入っていないタイプのおにぎりばかりを食べていました。表面に貼られたラベルの写真で具材が何かを説明してはいるものの、日本食になじみのないうちは「こんぶ」を見ても「この恐ろしい黒い物体は何??」、「ツナマヨ」を見ても「なんだかぐちょぐちょしている!」、「たらこ」を見ても「この形…まさか内臓!?」と不安感がぬぐい切れなかったようです。
おにぎりは外国人にもトライしてもらいやすい食べ物だと思い込んでいた筆者には、これは衝撃の事実でした。

・One of major ingredients for onigiri is “ume” ― a Japanese plum. Traditionally “ume” has been used as a germ-killer. We sometimes use “ume” in the texture of paste, or in the shape of dried flakes.
(おにぎりの代表的な具材に、日本のプラムである「梅」があります。昔から梅は殺菌目的で使われてきました。ペースト状や乾燥フレークで使うこともあります。)
・Most of the ingredients are seafood such as roasted-salmon, tuna mayonnaise, and “tarako”― salted cod roe. But there’re some Western taste onigiri like the one with hamburg in it. We have more and more recipe variations than a decade ago. We even make onigiri from Chinese fried rice.
(ほとんどの具材が、焼き鮭、ツナマヨ、たらこなどのシーフードです。しかし、ハンバーグが入っているなど西洋風味付けのおにぎりもあります。10年前に比べれば格段に種類が増えましたね。チャーハンのおにぎりも作りますよ。)
・For your very first bite, I recommend this plain onigiri. There’s no ingredient in it. You can simply enjoy the sheer teste of Japanese rice.
(これが本当にはじめて食べる機会ということなら、塩むすびをおすすめしますよ。中には何も入っていません。日本のお米そのものの味をシンプルに味わうことができます。)

その3.形は自由に!今は「型」のバリエーションが豊富

おにぎりは、丸や三角ばかりではありません。今はキャラ弁の時代です…! おにぎりをいかに華やかに演出するかというのも、子のいる母ならではのプラスアルファの視点です。動物をかたどったプラスチック型やシリコン型は、幼稚園弁当作りのレギュラー選手たちですね。
ひとくちサイズの花型や星型もあります。炊いたごはんは変化自在に形を作ることのできる扱いやすい食材なんです。

かつて母の愛は、竹の葉でくるんだ巨大な塩むすびと脇に添えられた漬物というシンプルな弁当で確認できたものでした。もう何十年も前の話ですね。これぞノスタルジー!…のはずなんですが、なかなか現代ではお見かけしません。あえて昔風のノスタルジーを演出したい人には、東急HANDSやLOFTなどで購入可能な雰囲気満点のお弁当グッズをおすすめします。植物の葉を乾燥させたもの以外にも、竹かごに曲げわっぱ、昭和風のアルミ弁当箱だってあります。これに詰めれば、既製コンビニおにぎりも「母の愛」風になりますよ。

・Nowadays, dedicated mothers try to make cute-shape onigiri for their children’s lunch. They use special onigiri molds such as panda face, star, and so on.
(近年では、献身的な母親は子供の弁当にかわいらしい形のおにぎりを作ろうと努めています。おにぎり専用の型を使って、パンダの顔の形に星形に…といった具合です。)
・On the contrary, back to the good old days of Japan, it was fine enough to show mother’s love to children if mothers simply made a huge rice ball with pickles aside. They were often wrapped in a bamboo leaf. That’s the feeling of Japanese nostalgy.
(対照的に、昔のよい時代に戻ってみれば、大きなおにぎりと漬物で母の愛は子供に十分伝えられました。そのころはよく竹の葉でくるんでいました。これぞ日本のノスタルジーです。)

日本人ならきっとだれもが好きな「おにぎり」の話、いかがでしたか。
余談ですが、筆者が家族でハワイ旅行に行ったとき、空腹でぐずった娘たちにショッピングモールでおにぎりを1つずつ買い与えたんですが、2つで700円近くもして度肝を抜かれたのを今でも覚えています。
リーズナブルな日本のおにぎり価格に感謝し、日々心からおいしくニッポンのお米を味わいましょうね。

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