人気ドラマで英語を学習しよう~パーソンオブインタレスト シーズン2~

海外ドラマ
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アメリカではCBSで放映されている「パーソンオブインタレスト」は、9.11後のテロへの脅威とその防止策への関心の高さから、作品の背景が高く評価されている人気ドラマシリーズです。
2012年放映のシーズン1は「ピープルズ・チョイス・アワード」を受賞していて、2016年もシーズン5が同じ賞にノミネートされています。

アメリカ国内のあらゆる監視装置から集めた情報を分析し、テロリストなど不穏な動きをする組織のメンバーを察知する高性能コンピュータ「マシン」からの情報を入手するハロルド・フィンチと、元諜報員ジョン・リースが、対テロ活動とは関係ないものの生命の危機が迫っていることが予測される人物を救おうと奔走するストーリーです。
シーズン1ではフィンチ、リース、「マシン」の関係がだんだんと明かされていきましたが、シーズン2では、フィンチとリースの過去が実は深い縁でつながっていたことがわかってきます。いくつかの謎が明かされますが、さらに謎が謎を呼ぶところもあり、目が離せません。

ストーリーはおもにニューヨークシティで展開するのですが、数少ない郊外でのエピソード6を取り上げて、そこから使える表現をご紹介しましょう。

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■ご近所にようこそ

このエピソードでは、初めて住宅街で保護対象者を見守ることになったジョン・リースが、対象者の向いに引っ越します。
隣人としてさりげなく近づく方法を検討していると、玄関がピンポン!

Connie: Hi. ①(I’m) Sorry to bother you. ②Just wanted to welcome you to the neighborhood. I'm Connie Wyler.「ハイ!お邪魔してごめんなさい。ご近所の挨拶をしに来たの。コニー・ワイラーよ。」
Graham: Graham.「グレアムです。」
John: John Campbell. This is my wife, Zoe.「ジョン・キャンベルです。こちらは妻のゾーイ。」
Zoe: ③It's nice to meet you both.「お二人ともどうぞよろしく」

初対面の挨拶のシーンです。
いきなり訪問したことを詫びる表現が①です。
botherは「面倒をかける、手間を取らせる」の意味で、I’m sorry to bother you. は日常会話でも相手の手を止めさせるときによく使います。

「隣人として歓迎している」という意味の②ですが、Welcome to the neighborhood ! と同じ意味です。すこし控えめな言い方になっています。

そして、自己紹介された時の返事が③ですが、これはおなじみですね。
声をかけるとき、かけられたとき、どちらもこの会話をなぞれば心配ないような会話の基本パターンになっています。

ちなみに、このエピソードの後半で、ジョンとゾーイがカーター刑事と話をするシーンでは、初対面のカーター刑事とゾーイが次のようなあいさつを交わします。

Carter: ④We haven't had the pleasure of meeting. I'm Detective Carter.「まだお目にかかったことはなかったですね。カーター刑事です」
Zoe: Zoe, John's wife.「ゾーイです。ジョンの妻です」
John: Long story.「話せば長いんだ」

カーター刑事は④で現在完了形を使い、「会う喜びを経験したことがない」と言っています。
まだ会ったことがないということを婉曲的に表現しているんです。
ゾーイ・モーガンは、政界・財界のもめ事を片付けるフィクサーですから、カーター刑事も名前や顔は知っていたかもしれませんが、直接の面識はないのでこのような言い方になったのでしょう。
初対面の人に対してこう言って自分から名乗れば、相手も名前を言わないといけなくなりますから、そうやってゾーイの名前を確かめようとしているんですね。

ただ、ジョンの妻だと名乗ったのは想定外だったようで、ジョンがフォローしています。
ゾーイにすれば、夫婦を偽装して保護対象者に近づいているわけなので、その偽装を通そうとすればこのような言い方になります。
もちろん、ゾーイはカーター刑事がジョンの仕事を知っていると感づいているでしょうから、実際には、妻だと名乗ってジョンを困らせているんです。
前のエピソードで女性ジャーナリストにジョンが近づくために、フィンチに勝手にジョンの元カノにされたことへの仕返しかもしれません。

■お誘いを受ける

さきほどのご近所の会話はさらに次のように続きます。

Graham: We're having some people over this afternoon for a barbecue. ⑤Stop by if you're not busy.「今日の午後、うちでバーベキューをするんだ。よかったら、寄ってください」
Zoe: ⑥Well, we'll be there.「ええ、伺います」
G: Great. See you then.「良かった。じゃあまたあとで」

人を招待する言い方が⑤ですが、Stop by「立ち寄る」が命令文なので、親しい関係の相手に使う表現になっています。
自己紹介を済ませたご近所さんには、このように相手と心理的な距離がない言い方をしますが、まだ打ち解けていない感じであればWould you like to come over ?「うちにいらっしゃいませんか?」のような疑問文で誘うとよいでしょう。

なお、have some people over やcome over のover は、「こちらへ、(話し手の)家に」という意味です。

誘われたときの答えは、日本語では「伺います」と「行く」の丁寧語を使いますが、英語では「行く」に相当するgoを使いません。
⑥のようにbeを使うのが普通です。

また、もし断る場合は、クッション言葉のI’m afraid を付けると角が立ちません。

I’m afraid we can’t. We have to finish unpacking.「すみませんが、うかがえません。荷解きがあるので」

などと、have to「しなければならない」を使って理由を添えるとなお丁寧です。

■借りを返す

そもそも、ジョンとゾーイが知り合ったのは、シーズン1でゾーイが大企業の秘密を知ってしまって命を狙われたことがきっかけでした。
その借りがあるのでゾーイはジョンたちに協力してくれているんです。
それを踏まえて、エピソードのはじめの引っ越しの際の会話を見てみましょう。
ちょうど新居に着いたところです。

Zoe: ( Do you )Remember saving me from being tortured and killed by corporate hit men ?
⑦Consider us even. 「企業の殺し屋に拷問されて殺されそうになったところを助けてくれたのを覚えてる?これで借りは返したわよ」
John: (Does)That mean you don't want me to carry you across the threshold ?「じゃあ、君を抱いて玄関から入らなくていいんだね?」
Z: When this is over, I might have to fight you for custody of the dog.「この件が片付いたら、犬の養育権を争うかもしれないわね」

⑦の文は動詞の原形ではじまっているので命令文です。直訳すると「平等だと考えなさい」となります。even は「平等」という意味で、ここでは「貸し借りなし」を表しています。

ゾーイがあくまで借りがあるから妻役を演じているだけだという態度なので、ジョンは新婦を抱えて新居に入るという新婚夫婦の習慣をする必要がないと切り返します。
それに対してゾーイは、子どものない離婚夫婦がよくもめるペットの養育権争いを出してきて、最初から仲良し夫婦のつもりはないと表明しています。
ただ、これは言葉遊びだったようで、このエピソードの最後ではゾーイの態度はかなり軟化します。

■まとめ

「パーソンオブインタレスト」は基本的にはアクションサスペンスドラマですが、上でご紹介したように、このエピソード6には結婚、離婚、引っ越しなどにまつわるアメリカの習慣がいろいろ盛り込まれています。
普段とは一味違うエピソードですが、会話の基本形とともに、このような習慣にも触れることができるアメリカらしさが表れたエピソードになっています。

アメリカの連続ドラマには、ときどきこのようにちょっと雰囲気の変わったエピソードが混じっていることがあります。
別の側面を加えた設定やストーリー展開になっているケースが多いので、「一粒で二度おいしい」的なこのようなエピソードは、アメリカをうかがい知る助けにもなってくれますよ。

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