元夫が語る、ホイットニー・ヒューストンとドラッグ

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2012年に自宅で死亡した歌手のホイットニー・ヒューストンは、薬物の影響で健康も歌手としてのキャリアも失ったと言われています。彼女が薬物を常用するきっかけになったと言われる元夫のボビー・ブラウンの興味深いインタビューを、英語で読んでみましょう。
(英文は、”Bobby Brown opens up about Whitney, Bobbi Kristina”, USA Today 2016/6/8)

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☆ 結婚式の直前にもコカイン

Brown, who met Houston at the 1989 Soul Train Awards, denied that he was the one who introduced the pop star to drugs. In fact, he wrote in his autobiography Every Little Step (due Tuesday), when he peeked in on her just before their 1992 wedding, he found her "hunched over a bureau, snorting a line of coke." He declined to partake.
ボビー・ブラウンがホイットニー・ヒューストンと出会ったのは1989年の「ソウル・トレイン・ミュージック・アワード」だった。彼は、ポピュラー音楽の大スターだったホイットニーにドラッグを教えたのが自分だという説については否定した。6月に刊行された自叙伝 "Every Little Step"に彼が書いたところによれば、1992年に彼女との結婚式の直前に部屋をのぞいて見ると、彼女は「化粧だんすの前にかがみ込んでコカインを吸って」いたが、自分が一緒に吸うことはなかったとのことだ。

(単語チェック)
Soul Train Awards:ソウル・トレイン・ミュージック・アワード
 1987年に始まった、アメリカで毎年開催されるブラックミュージックの芸能賞授賞式。これまでの最多受賞者はジャネット・ジャクソンで、ホイットニー・ヒューストンがマイケル・ジャクソンと並んで第2位です。授賞式は、カリフォルニア州 ロサンゼルスにあるパラマウント・ピクチャーズ・スタジオで行われ、式典では、R&Bやヒップホップ系のアーティストたちによるパフォーマンスも披露されます。
peek in:~をのぞき込む
hunch over:~の前にかがみ込む、うずくまる
bureau:化粧だんす、整理だんす
snort:麻薬を鼻から吸引する(俗語)
coke:コカイン(cocaine)
a line of coke:1列のコカイン
 粉状のコカインを1列に並べて、短いストローのようなもので鼻で吸い込む様子
partake:加わる、参加する

☆ 栄光と転落

ホイットニー・ヒューストンは、1985年のデビューアルバム『そよ風の贈りもの』で人気が爆発し、2作目のシングル「すべてをあなたに」から7曲連続で全米シングルチャート1位を記録しました。これはそれまでビートルズが持っていた6曲連続を超える新記録です。

1992年にボビー・ブラウンと結婚し、女の子が生まれましたが、2000年に大麻所持のためハワイの空港で拘束された頃からキャリアは低迷。ボビーとの離婚やリハビリを経て2009年にいったん復活したかに見えましたが、2012年に突然の死をとげました。

ボビー・ブラウンはアメリカのR&B歌手でありダンサーです。少年アイドルグループ、ニュー・エディション (New Edition) の一員としてデビューし、脱退してからソロとして1986年にはビルボード・アルバム・チャートで1位を獲得したこともあります。しかし度重なる不祥事などもあって、1997年以降は作品を発表していません。

ブラウンはまた、ホイットニーは結婚した当時すでに高機能薬物依存症(a high-functioning drug user)だった(「高機能」というのは知的能力が低くないという意味)と言っています。

"She did drugs," he said. "They didn't do her."
彼女は自分でドラッグをやっていた。ドラッグが彼女をダメにしたのではない。

それでも、ボビーはホイットニーのコカイン常習に自分が加担したことは認めています。

However, Brown did not shrug off responsibility for his role in the escalation of her drug habit. He told that the couple would lock themselves in one wing of their mansion and go on cocaine binges while nannies looked after baby daughter Bobbi Kristina in another part of the house.  But he maintains they never did drugs in front of their daughter.
しかし、ブラウンは自分が彼女のドラッグ常習癖を深刻化したことに対する責任については真剣に感じている。2人はよく大きな自宅のウィングの1つに閉じこもって、コカインを吸って大騒ぎをしたものだという。そんな時には娘のボビー・クリスティーナを別室でベビーシッターに預けていたので、娘の目の前でドラッグを吸ったことはないと言い切った。

(単語チェック)
shrug off:〜を一笑に付す、軽くあしらう
escalation:深刻化
lock in:閉じ込める
locked themseves in で「閉じこもった」
wing:(建物の)翼、ウイング
binge:どんちゃん騒ぎ
nanny:ベビーシッター
maintain:主張する

その後2人のドラッグ漬けの生活は続きました。ホイットニーは目に見えて声が出なくなって歌も荒くなり、「歴史上最も偉大な100人のシンガー(『ローリング・ストーン誌』)で第34位にランクインした姿は見る影もなくなって行きました。一方ボビーは暴行などで度々逮捕されるというトラブル続きの中、2006年についに離婚しました。

He said their drug use reached its nadir in the last few years of the marriage, a period which he described as "terrible."  It was a time in which "one of us would be trying to get clean when the other one didn't want to be clean." 
彼によれば、2人のドラッグ使用は離婚する前の数年間が最悪の状態で、まさに「ひどい」としか言いようがなかった。それは、「一方がもうドラッグはやめたいと思った時にはもう一方がそれを拒否する每日」」だったという。

(単語チェック)
nadir:最悪(最低)の状態、底
 I descended to the nadir of the cave.
  私は洞穴の底に降りていった。

このようにホイットニーとの日々を振り返る中で、ボビーは、悔やんでも悔やみきれない悲しい出来事についても触れています。それは、昨年7月に娘のボビー・クリスティーナが死んでしまったことでした。

それは、ホイットニーが死んだ2009年以来ずっと仲違いしていた父と娘がようやく和解した直後の、昨年1月のことでした。彼女は母のホイットニーと同じように浴槽で意識不明で発見され、結局7月に亡くなりました。死因は未だに明らかになっていません。

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