ブルース・スプリングスティーン、小学生ファンの欠席届に署名

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ロック界のレジェンド、ブルース・スプリングスティーンが、サイン会に来てくれた小学生に求められて、欠席届にサインしたそうです。一部始終を英語で読んでみましょう。
(英文は、“Bruce Springsteen signs young student’s absence note”, BBC News 2016/9/30)

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A schoolboy from the US city of Philadelphia who skipped class to meet his musical hero handed his teacher an absence note with a difference. The typewritten note was signed by rock legend Bruce Springsteen.
 米国のフィラデルフィアに住む小学生が、ヒーローと慕うミュージシャンに会うために学校を休んだが、そのために先生に渡した欠席届は一風変わったものだった。タイプされたその届けにサインしていたのは、ロック界のレジェンド、ブルース・スプリングスティーンだった。

(単語チェック)
skipped the class:授業を欠席した《skipの過去形》
handed;手渡した《handの過去形》
absence note:欠席届
with a difference:一風変わった
 違いのある、ということから。
typewritten:タイプライターで打った《typewriteの過去分詞》
 名詞typewriterからできた動詞。「タイプする」

ブルース・スプリングスティーンについて簡単な紹介

1949年生まれのアメリカのシンガーソングライター。1984年発表のアルバム『Born in the U.S.A.』が『ビルボード』誌のアルバム・チャートで4週連続を含む5週で1位となる大ヒット作となりました。アメリカ民衆の声を代弁する歌手として、「ザ・ボス」の通称とともに絶大な人気を持っています。

☆ 自叙伝のサイン会

この「ボス」の熱烈なファンである少年の地元で、彼の最新の著書のサイン会が開かれることになりました。学校を休んでもそこに行きたい少年のために、父親は欠席届を出さなければなりません。

Fifth-grader Michael Fenerty met the star at a "meet-and-greet" in the Free Library of Philadelphia. Springsteen, known to his legions of fans as "The Boss", was in town signing copies of his new autobiography, Born to Run.
 小学校5年生のマイケル・フェナティ君が出かけたのは、フィラデルフィア図書館で行われたロックスターとのサイン会だった。信奉者の間で「ザ・ボス」と呼ばれるスプリングスティーンはこの街が訪れ、このほど刊行されたばかりの自叙伝「ボーン・トゥ・ラン(Born to Run)」のサイン会を開くことになっていた。

(単語チェック)
fifth-grader:5年生
meet-and-greet:サイン会
 「会ってあいさつする」イベントはいわば「握手会」。今回はサイン会。
legions:大群、多数、熱狂的なファン
 もとの意味は「軍団」
 有名なフランスの「レジオン・ドヌール勲章」のlegionと同じです。
autobiography:自叙伝

Michael's father, Mike Fenerty, told the Philadelphia Inquirer that he wanted to follow school rules for his son's absence and was told that he would need Bruce Springsteen to sign an absence note.
 マイケル君の父、マイク・フェナティ氏が『フィラデルフィア・インクワイアラー 』誌に次のように語った。「私がマイケルを欠席させるために校則を確認したところ、欠席届にブルース・スプリングスティーンのサインをもらうように言われたのです」

すごいことを言う学校ですね!もちろん事後(休んだ後)にしかもらえないものですが、要するに学校の先生がサインを欲しかったのでは?と疑ってしまいます。

So he typed out a letter to the principal that read: "Please excuse Michael Fenerty for being late or absent today. He came to the Free Library of Philadelphia to meet me and get a copy of my book."
 そこで彼は校長宛ての手紙を次のようにタイプした。「本日マイケル・フェナティが学校に遅刻または欠席するにつき、許可をいただきたく。彼は私に会い、私の著書を購入するためにフィラデルフィア図書館を訪れたものです。」

(単語チェック)
principal:校長
read:(文字が)書いてある、読める《readの過去形》
a copy of:(本の)1冊

☆ 「ブルース、僕の欠席届に署名を」

When fifth-grader Michael met the singer, he asked him: "Bruce, would you sign my absence note?"
 5年生のマイケル君はスプリングスティーンと会うと、言った。「ブルース、僕の欠席届に署名してくれませんか?」
Mr. Fenerty told the Inquirer: "[Springsteen] lit up. He said: 'I have to read it first, that's how I got in trouble with my first contract.'
 フェナティ氏は『インクワイアラ−』誌に答えて言った。「スプリングスティーンはニッコリ笑って言いました。『まず中身を読ませてくれ。こういう書類のおかげで新人の頃苦労したんだよ。』」

(単語チェック)
lit up:(顔色が)パッと明るくなった《light upの過去形》
 動詞light(火がつく、輝く)の過去形・過去分詞はlighted/litの両方があり、litがよく使われます。
got in trouble with:~とトラブル(厄介なこと)になった《getの過去形》

"My son was very star-struck - it was a very cool experience." Mr Fenerty said he had handed the school a photocopy of the note, keeping the original as a souvenir.
 「息子は彼と会って大感激していました。素晴らしい体験でした」フェナティ氏はその欠席届のコピーをとって学校に提出し、原本は記念に保管しているということだ。

(単語チェック)
star-struck:スターに夢中の、大感激した
cool:(口語で)素晴らしい、すごい
photocopy:コピー
souvenir:記念品

学校はコピーでも満足したらしく、これで誰もがハッピーという話でした。ところで今年はアメリカの大統領選挙の年ですが、選挙イヤーにスプリングスティーンというと、思い出すのが1984年の大統領選です。

今回の選挙ではトランプ候補の選挙キャンペーンで楽曲を無断使用されたとして、ニール・ヤングやアデルが使用中止を求めたことがありましたが、1984年にはロナルド・レーガン候補(当選しました)がスプリングスティーンの『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』を無断使用しました。

☆ Born in the USA

ところが、レーガンは使用許諾をとらなかっただけではなく、歌の内容を全く理解せずに使ったため、結局有名な笑い話になってしまったのです。というのは、レーガン陣営はこの歌の

Born in the U.S.A., I was born in the U.S.A.
Born in the U.S.A., born in the U.S.A.

というリフレイン(繰り返し)部分だけと強烈なインパクトのある演奏だけを見て、「これこそ愛国歌だ!」と飛びついたのですが、実はこの歌はベトナム帰還兵を歌ったものです。

Got in a little hometown jam
So they put a rifle in my hand
Sent me off to a foreign land
To go and kill the yellow man

故郷の小さな街で集められ
やつらが俺の手にライフルを渡した
そして俺を異国に送った
黄色いやつらを殺しに行かせた

Born in the U.S.A., I was born in the U.S.A.
Born in the U.S.A., born in the U.S.A.

アメリカで生まれた
俺はアメリカで生まれた
アメリカで生まれた
アメリカで生まれた

スプリングスティーンがこの歌のモチーフにしたのは、「アメリカ政府に見捨てられた」と言う退役軍人の言葉だったのです。

マイケル君ももちろんこの歌は大好きだと思いますが、この歌を歌う『ボス」の声は、彼の耳にどんなふうに響いているのでしょうか。

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