英語リスニング力を「仕事力」として考察してみる②

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こんにちは。前回の記事に引き続き、今回も英語の「リスニング力」に焦点を当てたいと思います。
そもそも筆者は「リスニング力」があるほうではありません。多くの日本人にあてはまるように、やはり「リーディング力」を膨らませることを基本に英語力をレベルアップしてきました。「リスニング力」は最後まで大きく飛躍することなく、自分でも聞き取りに不安を抱えたまま、どういうわけかそれでも今は英語を使った仕事をしています。相手の発話の聞き取れない部分は聞き返しながら少しずつ意思疎通を明確にし、「最後にはなんとかなる…!」という楽観姿勢でかろうじて仕事ができているような感じです。
そんな「かろうじて」レベルの筆者には、聞き取れないことによるピンチが頻繁に訪れます。恥を忍んで筆者の失敗エピソードをいくつかご紹介したいと思います…! どうぞお気楽にお読みください。

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事例(1)結婚式場でのアルバイトで

筆者は大学生のときに、結婚式場の日雇いアルバイトをしたことがあります。その日に催される式は国際結婚ということでゲストの半分は外国人でした。筆者の仕事は、式場に着いたゲストを式場と披露宴会場それぞれにお連れすることです。アルバイトの募集要項には「簡単な日常英会話ができれば可」と書いてありました。
ホテル入口付近で、ある老齢の米国人ゲストが英語で筆者に話しかけてきました。「Would you bring me a chair?」と言っているように聞こえたので、1つ椅子を用意してご婦人のもとに歩み寄ったのですが……、相手の希望は「複数の」椅子だったんです。明らかにムッとしていらしたので、きっと「a chair」ではなく「chairs」と言っていたんでしょう。痛烈なまなざしが、筆者の聞き取りミスを物語っています。(「じゃあsomeと言ってくれればよかったのに~」と一瞬思いましたが、言っていたのかもしれません…!)

詳しく話を聞き直してみれば、ご婦人の持ち込んだギフトバッグの数々を整理するために、いったん荷物を椅子に並べたいということだったんです。ご自身が座るためではありませんでした。両手にいっぱいの荷物量を考えれてみれば、どうやったって椅子1つでは足りません。筆者の悪い癖なんですが、単語だけを「拾い聞き」して、細部は「想像」で補うのが、ここでも出てしまいました。都合よく some を聞き逃していた可能性だってじゅうぶんにあります。「座りたいんだろうな」というイメージばかり先行して、相手の真の要求に自分の想像をかぶせてしまっていたんです。
今になって思えば、英語力の前に”人間力”でカバーしようと思えばできたのかもしれませんね。荷物がいっぱいということであれば、座る椅子が1つ、荷物用に1つ、と気を利かせることのできるすぐれた人はいるものです。
筆者のその日のアルバイト先は5つ星ホテルでもなんでもありませんでしたが、そこは六本木に新規オープンした超豪華式場です。芸能人が来てもおかしくないようなところです。そこで式を挙げるお客様は当然スタッフの対応に期待していたと思うので、筆者はまさに期待はずれの行動に出てしまったということになります。高額時給のアルバイトだっただけに、その待遇にともなわない自分の言動が今でも悔やまれます。

事例(2)東京都観光ボランティアで

都内の主要駅では、案内板付近に東京都から派遣された観光ボランティアや道案内ボランティアが立っています。筆者は月に1度ほど道案内の担当をしています。
年々実に多くの訪日外国人観光客が日本を訪れ、団体旅行ではなく「個人旅行」にシフトしてきているわけですが、言葉の壁もあってさすがに現地では多少の苦労を伴うようです。案内板付近でまわりをキョロキョロと見回し、手元のGoogleマップと答え合わせをしています。
こんなとき、ボランティアは都で定めたマニュアルどおり「Would you need a help?」や「Anything that I can help you?」と声かけをし、(困っていそうな)相手のニーズを聞き出します。ここで筆者は、何度かピンチに陥った体験があります。こちらから話しかけたくせに、相手の言っていることが全然聞き取れないことがあるんです…! これでは相手も間違いなくいや~気持ちになりますよね。
お国柄特有の多少の英語のなまりは聞き取れるとして、それでも20人に1人ぐらい、はじめから何を言っているのかわからない方がいらっしゃるんです。これには困りました。「何の言語で話しているんだろう!?」と思っていると、ところどころ英単語が出てくるので「えっ、英語!」と途中で気を引き締め直して聞き入ったこともあります。出身国は、インドネシアだったり、ベネズエラだったり、母語のイントネーションや巻き舌が特に強く出てしまったんでしょう。
このピンチをどのように解決したかと言うと、あるときは筆談に切り替え、あるときは翻訳機を駆使し、あるときは道案内の順番待ちをしていたイギリス人の方に通訳してもらいました。筆者には英語であることすらわからなかったひどいなまりも、ネイティブの方にはきちんと聞き取れたようです。自分は「まだまだだな…」と思いました。
ボランティアというのは、相手の区別なく奉仕するという絶対的なイメージがありますよね。話が聞き取りやすい相手と、そうでない相手に、違う表情で接したり、対応に差異を生じさせたりしてはいけませんが、筆者の場合はどうしてもそうなってしまいます。ビジネスシーンと違ってボランティアの場面では「Anyone! Welcome!」の空気をまとって行動することが求められますから、筆者はこの理想像とはほど遠いという悲しい事実があります。「聞き取れなかったらどうしよう…」と半分不安気な顔で現場に立っているボランティアスタッフ…、ちょっと異様に映っているかもしれません。

事例(3)録音内容の校正のアルバイトで

こちらはまた別の請負業の話になります。ある英語教材の付属CD用の英語音声を録音して、それを校正用デモCDに焼いて、校正者がスクリプトと照合しながら「音の校正」をするという一般的な編集の流れにおいて、筆者は最後の校正を担っています。デモCDから聞こえる音声が一字一句たがわずスクリプトどおりになっているかどうかをチェックするんです。チェック後は、スタジオや出版社編集員に連絡し、問題の有無を報告します。問題がなければ、そのまま本番のCDとして次の制作工程にのせます。
そこで困るのが、「声に出して読まれているかどうかわからない音」がいくつもあるということです。「I’d」なんかがいい例です。アポストロフィーに would で「’d」ですが、これがもう100%に近いほど聞き取れません。「’ll」なら100%聞き取れるし、「’ve」ならほぼ100%聞き取れます。でも、「’d」は筆者にはどうしても無理なんです。
音どうしがくっつくリエゾンと違って、音の脱落はとても神経を使って聞き取らないといけません。日本人はよくリスニング教材で「脱落」と表現して解説していますけれども、超スローで音量をアップして聞いてみると、やはりかすかに発音されているそうです。オミットしているのではなく、ちゃんと発音はされているんだそうです。聞こえる人にはちゃんと聞こえるようですが、筆者の耳にはなにも聞こえてきません。
実際の英会話ではここまで細部にわたる聞き取りは要求されるものではありませんが、やはり教材の校正者としては聞き逃しご法度。そして「聞こえたフリ」をしては絶対にいけません。こういうときは自分に正直になって、蛍光マーカーで印をスクリプトの該当箇所に記入して提出しています。この印づけされた箇所は未解決案件(=校正者が聞き取れなかった)として上にエスカレーションされます。帰国子女やネイティブなどに判断を仰ぐわけです。基本的にエスカレーションは面倒な工程となるので、ゼロであることが望ましいんですが……、筆者の場合はなかなかそうはいきません。

3つのエピソード、ご覧になっていかがでしたでしょうか。「リスニング力」が不足しているために困る場面はこうして日常的に生じていますが、それでも雇い先から文句を言われたり、ましてクビを言い渡されたりしたことはありません。「日本人なんだから、英語能力に限界はある」という前提で雇ってくれているんでしょうね。
続く記事でも、いくつかまた「リスニング力」にまつわるエピソードをご紹介したいと思います。

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