「まとめる」など、会議でよく使う意外と訳しにくい日本語

ビジネス基本表現
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会議というと、どこかの時点で必ず「まとめる」ということが出てきますが、この「まとめる」に当たる英語がすぐ思い浮かびますか?

今回は、そのように会議によく出てくる日本語の言い回しで、意外と英語にしにくいものを5つ紹介します。

まとめる(取りまとめる)

日本語の「まとめる」は、さまざまな状況についてこの一言で「まとめて」引き受けてしまう便利な言葉ですが、英語にするには「何を」まとめるかという対象に応じて、適切な表現が変わってくるものの1つです。

・put together
You need to put together your thoughts before you speak.
 あなたは話す前に考えをまとめる必要がある。

・draft
I have to draft a report by Friday.
 報告書を金曜日までにまとめなければならない。

・prepare
It took time to prepare the contract.
 契約書をまとめるのに時間がかかった。

put togetherは、直訳のようにも見えますが、実は他の2つのケースに使ってもおかしくない表現です。ぴったり来る表現に迷ったらput togetherを使っておきましょう。

draftは、日本語でもカタカナの「ドラフト」を下書きの意味で使いますが、英語の動詞draftはもう少し広い意味で文書を作成する時に使えます。

成果物を「まとめる」というのはそこに至る準備を終えるということなので、prepareが当てはまる場合も多いです。

これらが「まとめる」の代表的な英語ですが、もう1つ、少し堅い言い方もあります。

・finalize
We shall make further research and finalize it by September 30.
 これからさらに調査をして、9月30日までにまとめたい。

計画などを完成品にまで「まとめる」という場合には、finalize(仕上げる)があります。契約を完了することを「ファイナライズする」と日本語で言うこともありますね。

行き詰まる

あまり使う場面に遭遇したくない言葉ですが、そうなってしまった時のためにいくつか紹介します。

まず、「デッドロック」(行き詰まり、こう着状態)という言葉を日本語で使っている方なら、そのまま英語で使えるフレーズがあります。

・come to a deadlock
Our system has come to a deadlock.
 当社のシステムは行き詰った。

・be deadlocked
The negotiation with B company has been deadlocked on the price issue.
 B社との交渉は価格の点で行き詰まった。

ただ、deadlockは少し堅い言い方で、話し言葉より書き言葉に使う方がふさわしいと言えます。もう少し口語的な表現としては、次のようなものがあります。

・stall
I heard their business has stalled.
 彼らの事業は行き詰まったそうだ。

・go nowhere / get nowhere
Our relationship is going nowhere.
 我々の関係は行き詰まっている

F1中継などで「エンジンストール」(エンジンが止まって走れなくなること)と言いますが、この場合のstallは止まってしまうことですね。

go nowhereは「どこにも行きようがない」ということから、「行き詰まる、らちがあかない、暗礁に乗り上げる」という日本語に当たる表現になります。また、同じ意味でget nowhereとも言います。

端的に

「端的に」というのはいかにも会社用語という感じです。端的の「端」は正、「的」は実の意味ということで、「正しいこと、真実」「ありのまま」を指す言葉です。

ここから、主に「明白に」と「要約して言うと」という2つの意味で使われています。これらに当たる英語のうち、やさしい単語でよく使われるのは次の3つです。

・frankly speaking
Frankly speaking the level of salaries of our company is too low.
 端的に言えば、当社の給与水準は低すぎます。

・to put it simply
You’re not exactly hard-working. To put it simply, you’re lazy.
 あなたは正確に言えば勤勉ではない。端的(簡単)に言うと怠け者だ。

・simply put
Simply put, don’t expect the monetary easing to contribute much to the recovery.
 簡単に言うと,金融緩和は景気回復に大して貢献しないと思ったほうがいい.

franklyは「率直に、ありのままに、ざっくばらんに」という意味で、frankly speakingは「率直に言えば」ということですが、今の日本語なら「ぶっちゃけ」もこれでいいですね。

ここで、上の2つの表現で使われる動詞putの使い方を確認しておきましょう。putは「置く」という訳語を最初に習いますが、本来の意味は「(何かの)位置を移動させる」ということです。

「置く」という意味も物の位置を移動させることですね。そして移動させる対象が「言葉、文章、言語」の場合がto put it simplyのitになります。またsimply putは、to put it simplyを省略したものと考えられます。

本格的な(本格的に)

これは会議に限らず、ポジティブな意味でよく使いますが、実は意味の幅が広く、場合によって適した英単語は違ってきます。

・solid
Profit is growing slightly again, but a solid recovery is yet to come.
 利益はわずかながら再び伸び始めているが、本格的な回復はこれからだ。

・authentic
That restaurant serves authentic French dishes.
 あのレストランは本格的なフランス料理を出す。

・in earnest
You should start studying English in earnest.
 もう本格的に英語の勉強を始めた方がいい。

solidは「固体の、固形の」というのがよく使われる意味ですが、そこから「確かな、信頼できる」という連想で、景気や業績の回復(recovery)が「本格的な」という場合にふさわしい表現です。

authenticは「本物の、正統的な」という意味の単語なので、料理の場合にはぴったりです。

in earnestは上の2つ(形容詞)とは違い副詞句です。副詞的に使う(名詞以外を修飾する)なら、使える場面の多い表現です。

〜中心に

「〜中心に」は、そのまま訳したようなcentering on〜という表現があります。これはいろいろな場面で違和感なく使えるので最初に紹介しますが、他にも便利な言い方があります。

・centering on
Our farm grows fruit trees and vegetables centering on rice crop.
 当農場では果樹と、米を中心とする野菜の栽培を行っています。

・focus on
I’d like to focus my talk on the role of women.
 女性の役割を中心に話を進めたいと思います。

・mainly
Smartphones have been spreading mainly among younger generation.
 スマートフォンは若い世代中心に広まって来ている。

focus onはcenter onと似た表現ですが、「重点を置く」といった文脈の時に使うのに適した表現です。

最後のmainlyは、前の2つのような動詞表現ではなく「主に」という副詞ですが、あまり場面の制約がなく使えて便利です。

いかがでしたか?
できるだけ難しい単語を使わない言い回しを心がけましたので、どんどん使ってみてくださいね!

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